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第31話 首都アードラー探訪(2)

―――暫く走って黒神龍の馬車は三階建ての大きな建物の前に止まる。


「ここが冒険者ギルドの建物ッス!」


ジェーヴァが真っ先に降りて手振りで、目の前の建物を紹介してくれた―――


「昔からここは変わらんな」


ノワールも下車してすぐにその建物を見上げて呟く。


「ここが冒険者ギルド……なんだか大手銀行みたいだな」


八雲の言う通り、大きな街道に面した場所に石造りの三階建てでビルと言って差し支えない建築物となっており、明らかに近隣の建物と比べても近代的な造りで一階の大きな入口の中には個別に区切られた受付が並んでいるのが見えるところも、八雲のいた世界で言う大きな銀行のように見えた。


一階の壁面にガラスを贅沢に使っているところも周囲との建築的違いがハッキリとしている。


「ギンコウ?よくわからんが―――行くぞ!」


そう言ってノワールが先頭で中に入って行くのをシャルロットが追い掛けていき、八雲は邪魔になるだろうと馬車を一旦『収納』に仕舞ってから続いた。


ノワールとシャルロットが中に入ると一階にいた冒険者らしき恰好をした連中が一斉に視線を向ける―――


「―――あうぅ……」


厳つい顔をした男達に鋭い視線を向けられたシャルロットは思わず息を呑んでノワールの後ろに隠れる。


そこに馬車を仕舞っていた八雲とジェーヴァが入ってくると、辺りはまた鋭い視線を向けてくるがシャルロットの様子を見て一瞬でこの状況を理解した八雲は受付とシャルロット以外の、ニヤニヤした不愉快な視線を向ける連中に向かって一気に強めの『威圧』を噴き出す。


「―――ううっ?!あばっ!!」


確実な『死』を体感させるほどの『威圧』スキルに、あっという間にLevelの足らない連中はその場に倒れて失神、辛うじて意識がある中堅層の冒険者達も額に汗を浮かべて肩で息をするほどのプレッシャーに驚愕していく。


(へえ……これに耐えているのは……ふたりだけか)


此処にいる冒険者の中で奥にいたふたりは意識もしっかり保っているが、その武器に伸ばした手は震えているのが八雲にも見えている。


「―――余計な争いはしないから、武器は抜かなくていい」


奥にいた男と女のペアに八雲が『威圧』を解きながらそう伝えると、ふたりはゆっくりと武器から手を離した。


「……あの―――」


受付にいたエルフの受付嬢は突然目の前で人がバタバタと倒れていき、ギルドでもトップクラスの冒険者ふたりに争う気はないと伝えた八雲に恐る恐る声を掛ける。


「―――冒険者ギルドに、何かご用でしょうか?」


「ああ、ごめん。この街に来て間もないから、冒険者ギルドがどんなところか見学に来たんだ」


「あ、そうなんですか―――では冒険者に登録されますか?」


「いや、しないけど―――」


「そんなぁ!!!―――あの、でしたら!このエディス=アイネソンが受付致しますので!是非ご登録くださいませ!!!」


「うおおっ!?―――ビックリしたぁ!なになに何なの?」


冒険者に登録しないと聞いて受付にいた金髪セミロングの美しいエルフが、受付の台から喰いつくような目で乗り出してきたことに八雲は背中を反り返して驚いたが、胸のサイズはけっこうなボリュームだったことは見逃さない。


―――すると、ジェーヴァがそっと近寄って、八雲の耳にコソコソと囁く。


「……八雲様。冒険者ギルドの受付嬢は受付した冒険者をそのままサポートする決まりになっているんス。しかも、その冒険者の依頼達成の成績が、そのまま受付嬢の成績にもなっているんス。そうすれば受付嬢も皆、真剣にサポートしますから受付嬢も必死なんスよ」


「なんという実績主義……でも、それであの受付嬢は―――」


ジェーヴァと八雲の会話の内容を察したのか、長い耳をピクピクさせて受付のエディスは、


「ええ、そうですよ!―――どうせ私は受付する冒険者の方を次々と失う疫病神ですよ!私だって冒険者の皆さんのお役に立とうと必死にサポートしていたんです!でも、皆さん私の助言なんて聞いてくれなくて、難易度の高い無茶な依頼を無理矢理受けていって帰って来なくなったんです!私は悪くないのに~!!びえーん!!!」


まさかのマジ泣きである……


その見事なまでのマジ泣きに八雲は彼女に対して同情心が芽生えて……こなかった。


だが、その様子を見ていた天使な令嬢シャルロットが―――


「八雲様……この方、こんなに泣いていらして、とても可哀想です……何とかなりませんか?」


―――と、うるうるとした瞳で八雲を見上げてくる姿に、


(え?何この子?―――マジ天使?)


と八雲はある意味驚愕したが完全に同情してしまったシャルロットが見ている前で、彼女を見捨てるという非情な選択はできないことに困ってしまった。


その様子を見ていてノワールが痺れを切らせたのか―――


「―――別に八雲が登録すればいいではないか?おい受付嬢!登録している者が一人いれば、未登録の人間とパーティーを組んでいてもパーティー全員の功績は登録者に譲渡される決まりだったよな?」


「えぐえぐ……あ、はい……そうです。誰か登録している方がいらっしゃれば、実績はその方で纏めることは出来ます。その代わり報酬の分担はパーティー内で決めて頂くことになりますので、揉めたとしても此方は対応できませんが……ぐすん」


「だったら問題ない。八雲が代表で登録しておけばいい。それに―――」


そこでノワールが八雲にだけ聞こえるように『伝心』で伝えてくる。


【黒神龍の我が登録してもいいのだが騒ぎになるかも知れないからな。それにこれから先、なにか依頼を受けたり逆に依頼をしたりすることがあるかも知れんぞ。あの古代魚のようにな】


確かに、ノワールの言うことにも一理ある。


古代魚の件はクリストフに紹介状を書いてもらったから今回はいいとして、これから先もそんな事があれば登録しておいた方が色々手続き的にも楽だろうと八雲は考えた―――


「―――分かった。登録するよ」


ノワールの意見を参考にして八雲が了承するとエディスは―――


「え、ええ、エェエエエ―――ッ?!本気ですか?マジですか!私でいいんですか!!」


―――と、逆に驚愕の表情で八雲に迫る。


「やっぱやめるぞ?」


「いえいえいえいえ!!受付します!受付させてください!!何でも言うこと聞きますから受付させてください!!!」


「―――おい最後の!誤解を生むようなこと大声で言うな!」


そう言うが遅いか、気を取り直した周りの冒険者一同からはヒソヒソ話が一斉に起こっていた……


「……さっそく実害出てるんだけど?」


「さあ♪ それでは冒険者の登録についてご説明させて頂きますね♪」


「そこはブレないのな……」


周りが見えていない目の前のエルフに八雲は呆れ気味に呟くのだった―――






―――それからエディスによる冒険者登録の流れが説明される。


そもそも冒険者登録には、年齢制限以外は特に決まりなどはない。


この世界の成人は十六歳であるが冒険者は登録料金として大銅貨五枚の支払いと、十二歳を過ぎれば誰でも登録は可能だということ。


そのため一攫千金を求めて登録に来る者は後を絶たないが、そこから本格的に冒険者として長く活躍できる者はほんの一握りだけだという話だった。


そして料金の支払いと引き換えに、登録者に必要な物としてギルドカードが手渡される。


カードと言っても真っ白な金属の板で出来ている物体で、何も記載されていない。


「これからそれに記載してもらうんです。そのギルドカードには身分証明に使う情報を写す魔術が付与されていて、その魔術によってランク分けもされるんです」


エディスによれば―――


付与された魔術を発動することでカードに名前やClassが表示されてカード全体の色が変わり、それがランク分けになるということだった。




カードの色は次のようにLevelを反映して色が現れる。


●Level 1~19 ホワイト


●Level20~29 ブルー


●Level30~39 レッド


●Level40~49 シルバー


●Level50~59 ゴールド




Levelごとに各ランクの色にカードが染まり、受ける依頼内容もひとつ上のランクの依頼までなら受けられるとの話だった。


「それではカードを手に持って、情報入力インストールと唱えてみてください」


何かのアップデートかよ!と心の中でツッコミを入れる八雲だったが―――


「―――情報入力インストール


そう唱えた瞬間から手元に握ったカードが変色し、染まっていく―――


「これは……」


「え?―――まさか、そんな?!」


八雲の手元のギルドカードは見事に鏡面状に光沢のある黒に染まり、そこに白い文字で―――



【 冒険者ギルド登録証 】

【Name】 九頭竜 八雲

【Class】 御子



―――と記載されていた。


「あ~やっぱり、そうなってしまったか」


ノワールは予期していたかのような言葉を呟いて、受付のエディスはその黒いカードを見て固まっていた。


「なに?なんなの?これダメなの?失敗?」


訳がわからない八雲は、エディスに問い掛ける。


「八雲様、その黒いカードはLevel60以上……つまり英雄クラスの人だけが持っているギルドカードなんスよ。通称ブラックカードッス!」


沈黙の受付嬢に代わってジェーヴァが答える。


(何その高所得者が持っているクレジットカードみたいな呼び方……)


「わ、わた、私の……担当が……英雄様……ブラック……キュウゥ~ッ!」


―――バタンッ!とエディスはそのまま目を回して、後方に椅子ごと倒れて気を失ってしまった。


「これ……登録しなかった方がよかったんじゃないか?」


周囲の驚きの声や視線もあり、八雲は冒険者に登録したのが間違いだったんじゃないかと今更ながら思っていた……






―――それから騒ぎを聞きつけた別の受付嬢が八雲のブラックカードを見て、慌てた様子で奥に引っ込み走っていく。


暫くせずに逞しい身体つきをした茶色の長髪に髭面の見た目四十代くらいの男が顔を出してきて、八雲のカードを見て一瞬驚いた表情をすると、


「……奥に案内する。付いてきてくれ。おい!そいつも起こして三階に連れてこい!」


と気絶したエディスを連れて来るように命じた男に受付の奥にある吹き抜けになっている大きな階段へと案内され、そこから三階まで登ったところにある大きな部屋へと通された。


「騒がしくして申し訳ない。私はこの冒険者ギルドのギルド長を任されているサイモン=フェルプスという。しかし……やはりと言うべきか、黒神龍様の御子様ともなると英雄クラスの実力をお持ちか」


何も語る前から黒神龍の御子と見抜いていたサイモンに、八雲は少し警戒心を上げる―――すると、


「おっと、誤解しないで頂きたい。昨日アークイラ城から黒神龍様と御子様のことが通達で来たから知っていただけです。何か画策していたりする訳ではありません」


「……そうですか。疑ってしまってすみません。それに俺のことは八雲でいいですよ」


八雲が警戒を解いたことで、ギルド長サイモンもホッとした表情に変わり、


「では八雲殿とお呼びしましょう。しかし、昨日の今日でまさか冒険者に登録しに来られるとは思いもしませんでしたよ?」


そう言ったサイモンの言葉に、シャルロットが申し訳なさそうに間に入ってくる。


「いいえ!八雲様に登録をお願いしたのはわたくしです……エディスさんが可哀想に思えて……」


「―――いや、最終的に登録すると決めたのは俺だ。これからのことで身分証明として色々手続きとか省きたい打算もあったし」


「確かにギルドカードなら現金を『収納』できる機能がありますから、支払いなども便利ですからな」


「えっ?!―――そうなの!?」


(マジでクレジットカードじゃん……いや借りるわけじゃないからキャッシュカードだな)


―――ギルドカードには現金やドロップアイテムを預けられる『収納』機能もついていて、依頼の達成報酬やパーティーとの分配にも使われたりしている。


そして『収納』の限界は持ち主の能力に比例すると、カードの便利機能をサイモンから説明された。


そうしているところに、


「……し、失礼しまぁ~す……」


ようやく目を覚ましたエディスが部屋へとやってくるが目を回して椅子ごと倒れていたので、どこかしこ痛そうな表情を引き摺っている。


「―――『回復』…」


それを見兼ねて八雲が『回復』の加護を使い、エディスの身体の痛みを取り除いてやるとサイモンもエディスも驚いて、


「八雲殿は『回復』の加護もお持ちなのか!……もう何でもありだな」


と半ば呆れ気味の表情を見せていたが、すぐに真面目な表情に戻して八雲に話しだす。


「さて、エディスも来たことだし、単刀直入にお伺いしますが八雲殿はこれから冒険者として生計を立てていくおつもりなのか?」


「いや。正直言って登録したのはさっきも言った通り、身分証明が楽になるかと思って登録しただけで依頼を受けて生計を立てようとしてた訳じゃない」


そう返事するとサイモンはさらに難しい表情へと変わっていき、同時にエディスも悲しそうな表情に落ち込んでいく。


「そうですか……いやそれは当然、八雲殿自身がお決めになることで我々が口を挟めることではないのだが……」


と、歯切れの悪い口調のサイモンに八雲は頭の中で?マークが浮かぶ。


「そうなるとエディスは……」


「また万年最下位更新になりますぅ……う、うう……ぐすん……」


「ああ、登録した冒険者の実績が受付した受付嬢の成績になるんだっけ?」


「はい……万年最下位で他の受付嬢にも呆れられていて、故郷の母からも実家に帰って来いと再三手紙が届いていて……うう、クスン……」


「典型的な落ちこぼれだな……」


「ウゥエエ~ンッ!―――どうせ私は落ちこぼれで彼氏いない歴イコール年齢の行き遅れの万年ビリエルフですよぉ!!!」


「そこまでは言ってない……むしろ新情報にガッカリだよ……」


「八雲様!それはエディスさんがお可哀想です!」


八雲のエディスに対する雑な扱いに、ぷりぷりと怒ったシャルロットだったが八雲にはそれすらも可愛らしかったので、むしろ得した気分だったことは言えない。


「ああ、悪かった。ところで聞きたいことがあるんだけど、教えてくれるか?サポーターさん」


「グスッ……あい、なんでじょうが?」


グズグズの泣顔のままのエディスが顔を上げる。


「まず鼻を拭いてくれよ……聞きたいことはブラックカードを持ってる英雄っていうのは何人くらいいるんだ?」


「ええっと、現在は……八雲さんも加えて3人ですね……」


「そんなもんか……思ったよりも少ないな。それじゃあ、その英雄様達が受けるような依頼が普段から此処に出てるのか?」


「―――それは私から説明させてもらおう」


ギルド長サイモンが横からそれについて説明する。


「まず英雄クラスに対する依頼と言えば『災害級』の魔物の襲来や他国との戦争時に軍が雇うといったものなんだが、当然普段から災害級の魔物の出現などは無いし、戦争も国同士のことではあるが早々頻繁に起こるようなことは今の治世ではないと見ている」


八雲はフムフムと頷いてサイモンの説明を聞く。


「―――その場合、英雄クラスの人物で冒険者として生計を立てている者は大概ゴールドカードランクの依頼を受けている。ゴールドランクの依頼は年に何回も依頼が来るし、その依頼者も貴族や商人、王族もごく偶にだが来る。報酬も普通の人間が一年や二年は働かずに済むほどの報酬が約束されるから、達成すれば生活には困らないんだ」


「なるほど……下のランクを受けるのに制限はないのか?」


「はい、自分のギルドカードランク以下の依頼は全て受けられます」


八雲の質問にエディスが答えた。


「だったらゴールドランクの依頼を受けることにする。そうしたらエディスさんも実家に帰らなくて済むんだろ?」


「でも……うう……でも、それはダメです!!」


突然エディスが八雲の提案を断る意思を示し、一同ポカーンと呆気に取られる。


「それはどうして?」


「それは……確かに担当の冒険者さんが実績を上げて私の成績が上がるのは嬉しいです」


そこで笑みを浮かべて答えるエディス。


「……でも私は冒険者さんのサポートをするのが仕事で、冒険者さんは冒険者さん自身のために依頼を受けて欲しいです!私は確かにダメな受付嬢ですけど冒険者さん自身が幸せになったり、目標を達成するために依頼を受けたり、そしてそれを一緒に支えて達成してもらうことが私の望みなんです!だから……私のために依頼を受けるのは―――やめてください!!」


―――エディスの熱い言葉に、部屋の中はシーンと静まり返っていた。


「す、すみませぇん!生意気なこと言ってしまって!!あうう/////」


「いや間違ったことは言ってないし正直、立派だ。今はエディスが担当でよかったとまで思うぞ」


「あうう……あ、ありがとう……ございます/////」


エディスは八雲から褒められ、余計に顔が赤くなっていく。


「なかなか立派なサポーターではないか!気に入ったぞ!それに八雲なら簡単には死なんからな!ところでエディス=アイネソン。お前の母だが……もしかしてエヴリン=アイネソンか?」


「―――え?はい、確かに私の母はエヴリン=アイネソンですが……母のお知り合いですか?」


突然ノワールから母親の名前が出て驚いたエディスが問い返す。


「ああ!やっぱりな!―――顔立ちがあいつに似ていたし、もしかしてと思ったんだ。あの生意気な小娘、まだ生きているのか!そうか!ハハハッ!」


ノワールが急に母親のことを知っている風な上に小娘などと言ったことに対してエディスは不審に思い、


「ムウゥ!―――小娘って貴女ダークエルフですよね?私とそんなに歳変わらないでしょう?それなのに母を小娘って!」


褐色肌に耳の尖ったダークエルフに見えるノワールが、見た目の歳が大体自分と変わらないことで勘違いしたエディスが噛みつく。


「ん?ああ、我はダークエルフではないぞ。そうだな……気が変わった。エディス!我も冒険者登録するからカードを寄越せ!」


「え?ホントですか!登録してくれるんですか?!やった!一日にふたりも登録取れるなんて久しぶり♪」


と言ってポケットから真っ白なカードを取り出すとノワールに手渡した。


「―――情報入力インストール!」


手渡されたカードの付与魔術を発動させるノワール―――


「え、―――エエエッ?!」


そのカードは当然だが真っ黒なカードへと変貌すると、ノワールはそのカードをエディスに見えるように翳した……


「黒、黒神……りゅ……キュウゥ~!」


―――バタンッ!!と、本日二回目の失神をするエディス。


そのカードには―――



【 冒険者ギルド登録証 】

【Name】 ノワール=ミッドナイト・ドラゴン

【Class】 黒神龍



―――白い文字でそう書かれていた……


「英雄クラスふたりの担当になるんだ!こんなことで目を回していたら、命が幾つあっても足らないぞ!アハハハッ!」


豪快に響くノワールの笑い声を聞きながら気絶したエディスを見て、初めて八雲はエディスに同情する気持ちが湧いてきたのだった……



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