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第20話 皇国の首都アードラー

「―――八雲……九頭竜八雲だ。名前が八雲だ」


八雲の名を聞いた瞬間、シャルロットはパァッと花が咲いたように顔を赤らめて誰が見ても恋する乙女街道まっしぐらとしか言えない満面の笑みを浮かべていた。


「あの……そちらの方は八雲様のお連れの方でしょうか?」


照れた表情を隠すように、シャルロットはノワールに視線を向けて問い掛ける。


「ん?我か?我はノワール―――八雲の妻だ」


「―――妻!?お、奥様でしたか!そ、それは、大変失礼致しました……改めましてシャルロット=ヘルツォーク・エアストです。この度は八雲様に危ないところをご助力頂きまして、本当にありがとうございました。お二人とも、どうかこの後アードラーの屋敷まで御同行頂き、両親を交えてから改めて御礼をさせて頂きたいのです」


ノワールの自己紹介に始めは驚いて一瞬シュンとなってしまったシャルロットだったが、すぐにティーグル皇国の首都アードラーにあるエアスト家の屋敷まで御礼をするため同行して欲しいと願い出る。


「いや、俺達は―――」


「―――わかった!同行しよう」


「―――ちょっと?ノワールさん?」


面倒なことだと思い至り断ろうとした言葉を遮るようにして、ノワールが承諾してしまって八雲は思わず変な言葉が出てしまう。


「ありがとうございます!」


「だが今は護衛達の手当が必要だろう。八雲、すぐ回復してやれ」


「……はぁ……そうだな。怪我人のことは放っておけないからな」


勝手にホイホイと決めてしまったノワールに怪訝な目を向けた八雲だったが、護衛対象を必死に護ろうとして逃げずに戦い傷ついた怪我人達をこのまま放っていく訳にはいかない。


八雲は『神の加護』のひとつ―――『回復』の中にある『広域範囲回復・超加速』を発動する。


八雲の全身が薄緑の光に包まれたかと思うと今立っている場所から光が波紋のように何度も広がり、貴族の大仰な馬車の周りで傷を負っていた護衛兵士達の傷を高速で見る間に回復していった。


「―――き、傷が!?まるでなかったみたいに……」


「ウウゥッ!……あ、あれ?……痛みが……斬られたところが!?」


―――ある兵士は脚にあった斬り傷が映像の逆再生のように塞がり、やがて完全に元に戻る。


―――ある兵士は鎧の隙間から槍で突かれて出血していた刺し傷が塞がって、さきほどまでの痛みが消えていく。


―――ある兵士は皮一枚で繋がっていた腕が接着され、骨に筋肉、そして神経まで全て繋がって以前のように指先まで動かせるようになる。


「八雲様は『回復』の加護もお持ちなのですか!?」


「え?うん、まぁ……」


可愛らしい動作でドレスのフリルを揺らしながら、その身を乗り出して目を見開き驚いているシャルロットに八雲は思わず引いてしまう。


「凄いです!―――地聖神の加護の中でも『回復』が出来る方は数が少ないと伺っておりましたので、ここで回復の加護をお持ちの八雲様と出会えたのはきっと神様のお導きですね/////」


そう言ったシャルロットの言葉に八雲はノワールに目線を向ける。


「詳しいことはクレーブスにまた教えてもらった方がいいんだが『回復』は地聖神の加護のひとつで、使える者の数は限られているからな。まして、お前のように広範囲回復まで使える者など世界に数える程しかいないのだ」


「マジか……ホイホイ簡単に使わない方がいいかな?」


まだ世界のことを分かっていない、一般常識がズレている八雲に仄かな不安が生じる。


「それは状況によるかと思いますが確かにノワール様の言われる通り、回復を行使できる方は殆どが教会に所属されています。ですから、このような場所で広範囲の回復を行使される八雲様に出会えたのは、私達にとっては奇跡のようなことなのです」


「なるほど……教会ねぇ……」


二人の言葉に改めて自分の『神の加護』がレアでハイスペックなものだということを認識する八雲だったが、それ以上に『回復』を使えるものが教会に所属しているという点に、胡散臭い利権的な疑いも思い浮かんでいた。


そんなところに―――


「お話し中、失礼する―――八雲殿!この度ご助力頂いたこと、回復まで行って頂いたことに護衛一同、心より感謝致します!」


そう言って護衛の中の一番身分が上とおぼしき顎鬚の中年男性が八雲に礼を述べにやってきた。


「私はエアスト家の護衛騎士ヘンリー=エンリコだ。八雲殿、改めて感謝する。命に関わる部下達の傷まで治療してもらって、感謝してもしきれない。ギリギリだったが幸いにも此方には死者も出なかった」


ヘンリーと名乗った騎士を見た八雲は大柄の背丈にしっかりと鍛錬をしていることがわかる筋肉と、その雰囲気に好感が持てる人物だった。


「そうですか。あいつ等を盗賊団と見て飛び込みましたが、この辺りではあんな盗賊が出るのですか?」


始め笑顔を浮かべていたヘンリーだったが八雲の質問に、真面目な表情に顔色が反転して変わっていった。


「ああ、いや確かに盗賊はどこにでもいるにはいるが……これほどの規模の盗賊団はなかなかお目にはかからない。我々も警戒していたつもりだったが、予想外の多勢に無勢の襲撃で死を覚悟した。そこに八雲殿が助太刀に入ってくれたと言うわけだ。いやぁ!本当に強いな八雲殿は!一体Levelは幾つなんだ?」


「ん?―――Level.100だけど?」


その返事を聞いてヘンリーも傍にいたシャルロットも完全に表情が固まっていた。


「……え?は?……い、いやいやご冗談を♪……と言っても先ほどの戦闘を目にした後だとLevel.100と言われても疑うことも出来ないのが本音なんだが……」


ヘンリーからすると先ほどの八雲が見せた次元の違う凄まじい戦闘能力と魔術攻撃を見てしまっては、そう言われても疑い辛い―――いや、むしろ納得のいく実力だった。


「八雲様は英雄を越える力をお持ちなのですね!―――凄いです!!/////」


(う~ん……正直に言うのは不味かったかな?)


ふたりの反応にそう思ってノワールに目線を向けた八雲だが彼女は笑みを浮かべたまま特に否定しない上に、八雲も正直に言って信じるか信じないかは相手の問題であり、特に隠す理由もないのでこのままのスタンスでいくことにした。


「お前の思った通りにすればいい!何かあったら我がお前を護ってやるから気にするな!」


八雲が考えていることを見透かしたようにノワールがそう言い放った。


「ハハハハッ!―――流石は八雲殿の奥方だ!器が大きい方のようだ」


ヘンリーがノワールの言動を賞賛すると、


「当然だ!我は八雲の妻だからな!もう可愛くて仕方がない!」


ノワールもニコニコと笑顔を見せて答えた。


「―――なにこれ?……何かスゲェ恥ずかしいんだけど……」


何となく顔を顰めた八雲を見てシャルロットは口元を手で隠しながら、クスクスと笑いを溢していた―――






―――それから護衛達は馬車の点検や周囲の警戒を行いながら出発の時が来る。


「―――では、首都アードラーへ出発!!」


護衛兵士達の調子も一通り確認したヘンリーは号令を掛けて三十名ほどの隊列と馬車は進み始める。


八雲とノワールはシャルロットと一緒に豪華な馬車に乗ることになった。


馬車の中は絹のようなシートカバーに包まれた座席と端々に使われた金や銀の装飾、そして天井には小さなシャンデリアのような照明器具が付いて輝いていた。


武器を造ってからのこと、この世界の様々な物や道具に興味を持つようになった八雲は車内の彼方此方を見て感心していたり、少し興奮してキョロキョロと見回していた。


「―――それで、お二人は旅をされていたのですよね?どちらからいらしたのですか?」


「え?そうだな……ずっと遠いところから」


実は今日この異世界に来たのが二回目、黒神龍の胎内世界に映ってから再び此方に戻って、実際この世界に存在した時間だけ換算すると二十四時間も存在していなかったことなど言ったところで、混乱させるだけだろうと考えた八雲は出自についてはお茶を濁すことにする。


「そうなのですね♪ ですが旅先では魔物も出るのでしょう?八雲様はお強いですが、それでも危ない目にあったりしなかったのですか?」


まるで英雄の物語や御伽話を聴きたがる子供のように、シャルロットは瞳をキラキラさせながら問い掛ける。


「そうだな……初めて魔物と戦った時はスライムに火傷させられた」


今の八雲からすれば、スライムなど『威圧』ひとつで圧殺出来るほどの力をもったが、胎内世界で初めてヒノキの棒を手に倒したスライムを思い出した。


あの時のヒノキの棒は今でも八雲の『収納』空間の中に、思い出の品として大切に保管されている……


「スライムですか!?……フフッ、フフフッ♪ あ、失礼しました。あんなにお強い八雲様がスライムに火傷させられるなんて想像したら、可笑しくなってしまって……ウフフッ♪」


「ああ!確かにあのときの八雲は傑作だったな!無茶苦茶焦りまくって叫んでいたからな!」


ノワールも悪乗りして、余計なことを言い出して八雲は嫌そうな表情を浮かべる。


「俺の黒歴史が今ここで生まれた……」


そんなとりとめのない話をしながらも馬車は進む―――八雲達が合流した地点から首都アードラーまではヘンリーの話しによれば今のペースだと夕方前には到着できるとの話だった。


―――馬車の中から外で流れていく景色を見つめる八雲。


―――青い草原や雑木林が目に入ると懐かしい気持ちが込み上げてくる。


(―――見た目だけなら、日本の田舎の風景と変わらないんだよなぁ……)


―――そして休憩を挟みながら数時間経って、


漸くなだらかな丘を登り切ったところで見晴らしがよくなると―――


白い城壁に囲まれた巨大な都市が丘の上から見下ろす先の平野に広がっていた。


ノワールの城の城壁に比べると幅は厚くないが、首都の広大な都市圏全域を囲む城壁の長さは見事な技術と景観を造り出していた。


そしてその中心部近くにもうひとつ白い城壁で囲まれているのが見え、さらにその中央に一段高い土地があり一層高い城壁に囲まれた巨大な城が見えてくる。


城を囲う城壁の中間から石の陸橋が放射状に都市の中を走っており、丘の上から見て、そこには水が流れているのが見えた。


八雲はそれが街に巡らされた水路だとすぐに理解した。


城から水が湧いているのなら、戦争の際に毒を流し込まれる心配は低い。


逆に城に向かって流れ込む水路なら、どれか一本でも敵に抑えられて毒を盛られてしまうと一発で城内がアウトになるのは目に見えている。


だが、あの水は城で湧いているようで流れは外に向かっていた。


「凄いな……この景色……此処が、この国の首都なんだな」


八雲の言葉にシャルロットが応える。


「はい。ティーグル皇国の首都アードラーです。わたくしの住んでいる屋敷もあの中にあります」


「なるほど……」


シャルロットの話では―――


外壁の内側にある内壁が王族、貴族の居住地域となっており、お抱えの大商人もいわゆるブランドといった地位をもって、そのエリアに店舗を構えているとのことだった。


そんな説明を聞いている間にも、馬車は巨大な街道を都市の中央に向けて走っていく。


窓の外に見えるのは―――


普通の人間に見える人族、頭に様々な獣の耳がついた獣人族、ノワールの城にもいたドワーフ族、そして耳が長く美しい容姿をしたエルフ族、頭に角を生やした魔族といったファンタジー世界の定番であり王道でもある種族が処狭しとして彼方此方に存在して忙しそうな様子が見て取れて、そこまでオタクというわけでもない八雲でも―――


「オオォ……」


―――と声を上げて珍しそうに夢中になって異世界景色を眺めていた。


街道沿いに見える店も大小のテントのような屋台から、しっかりとした建物を構えた店舗まで選り取り見取りといった区画があり、


(後から行ってみたいな)


と思った八雲は『索敵』のマップに最近マーキングが出来るようになったことに気づいたので、その能力を駆使して彼方此方にチェックを入れていった。


「はしゃぐな、八雲。我の夫がそんな田舎者丸出しでは―――」


「―――おおお!!あの店のケーキ!スゲェー美味そう!!」


「なに?!―――どこだ?どの店だ!!」


八雲の声に窓に貼り付いたノワールだったがそんなノワールの行動をニヤニヤしながら見つめる。


「はしゃぐなよ、ノワール。恥ずかしいじゃないかぁ♪」


「お―――お前ぇええっ!!/////」


八雲の罠に嵌まったことに気がついたノワールは顔を真っ赤にしながら今にも馬車を弾け飛ばして、巨大な龍の姿に戻りそうな勢いで黒いオーラを迸らせていた。


そんな殺伐とした空気の中―――


「―――ウフッ♪ アハ、アハハハハッ♪ 本当にお二人は仲がよろしいのですね!とっても羨ましいですわ」


と、ひとり笑い声を上げてシャルロットは八雲とノワールを見ていた。


「……ある意味、この娘が一番大物なのではないか?」


「そうだな……見習おうと思う」


黒神龍の黒いオーラの間近にいながら笑い飛ばして何事もなかったように振る舞うという、見た目と違って肝の据わった年下の公爵令嬢を八雲は素直に見習おうと思った―――






―――そんなことがあっても馬車の中はなんだかんだとシャルロットの質問攻撃が八雲に集中して、それを見てノワールがニヤニヤしながら揶揄ってくるという図式になり、戦況は八雲が圧倒的に不利な状況だったが、


漸く馬車はそこで停車する―――


―――停車したその先には格子の鉄柵に囲まれ、その鉄柵の間に鉄柵の門が見えている。


どこまで続くのかという鉄柵に囲まれた中には形を綺麗に角張らせて刈られた垣根が模様を描くように植えられていて、ガラスで囲まれた温室や花々も綺麗な大輪を咲かせている。


その美しい絵画のような庭の先には屋敷……というより宮殿と言って差し支えの無い白い壁に包まれた建物がある。


八雲のいた世界でいうところのバロック建築という彫刻や絵画、家具などの諸芸術が一体となった総合芸術となっていることを特徴とする宮殿そのものだった。


八雲の世界の現代的な視点では彫刻や家具といったものは建築とはあまり関わりなく存在しているが、バロック建築においてはこれらは建築とは不可分の要素であった。


このような芸術活動には莫大な知識の集積と多くの芸術家を抱えられるだけの資本が必要であったが、これを支えたのが世俗化された教会権力と絶対王政であったのが八雲の世界のバロック宮殿のあらましだ。


「これは……予想以上だな……」


呆気に取られていた八雲に関係なく鉄柵の門はゆっくりと開かれ、馬車は庭の先に見える宮殿へと続く道を進んで行った。


「おお、なかなかの宮殿だな。我も此方ではこんな感じの宮殿にしようか、なあ八雲♪」


「―――え?」


(……それって、持たされた16億円で建ちますかね?)


宮殿を気に入ったノワールは、


「こちらでは城ではなく宮殿もありだな!」


と息巻いているが、こんな宮殿を建てるのに幾ら掛かるのか全くわからない八雲は冷や汗が背中をツゥーと流れていくのを感じていた。


美しい花の咲き誇る庭を通り抜けて一番奥に見えていた宮殿の正門まで到着して馬車から下車する八雲、ノワール、そしてシャルロットに異様な声が響いてくる。


「シャルちゅあ~ん!!!お帰りぃいい!!!―――怪我してないよねぇええ!!!」


開いていた宮殿の扉の奥から―――


見た目は高そうな西洋貴族然とした衣服に身を包み、金髪をオールバックにして口髭を整えていて清潔感があるものの、中肉中背の男性が涙目で奇声を張り上げ庭に響かせながら、シャルロットに向かって飛び込む勢いで走り込んで来た。


余りの奇行に八雲とノワールも完全にドン引き状態だ……ハッキリ言って気持ち悪い。


「心配したよ!シャルちゃ~ん!ホントに怪我してないよね?この宝玉のような美しい肌に髪の毛の先ほどでも傷をつけられてたりしたら、パパもう、そいつら血祭りにあげるために戦争しちゃうかも―――グボォラッ?!」


もの凄い剣幕でシャルロットに抱き着いて身体の彼方此方をジロジロと確認しながら、最後は戦争勃発まで口にしそうだったところで後頭部に凄まじい衝撃を受けた男はその場に膝を突いて顔面から地面に静かに、そして綺麗に崩れ落ちていった……


「だ、大丈夫なのか?……これ」


蚊帳の外にいてドン引きしながら見ていた八雲だが、流石に衝撃を受けて倒れ込んだことについては心配の声を掛ける。


「―――あ、いつものことですので、お気になさらず♪」


と笑顔で応えるシャルロットにも八雲は驚愕した……


「え?大丈夫か?この家族、DV?」


「―――あらあら♪ 驚かせてしまってごめんなさい♡ 先触れが来て盗賊団に襲撃されたことと、そのとき助けに入って頂いた恩人をお連れすると聞いて主人が興奮してしまって♪ 初めまして♪ わたくしはシャルロットの母アンヌ=ヘルツォーク・エアストです。どうぞ宜しくお願い致しますね♪ ほら、貴方?いつまでそんなところで寝ていますの?お客様の前ですよ」


シャルロットの母というアンヌは美しいウェーブのかかった金髪で整った顔立ちと、母親とは思えないほど若々しくてシャルロットの姉と言っても通りそうな女性だった。


その目元もやや垂目気味のシャルロットと同じ優しそうな目元がそっくりで、笑顔を向けて八雲とノワールに挨拶をするが美しく優しそうな瞳を向けるその女性の右手には夫の後頭部を殴った物だろう―――木槌が握られていた……


「よっと♪―――ママは相変わらず容赦ないなぁ~!パパもう少しで去年亡くなった伯父上が迎えに来ちゃって、そのまま天に召されるところだったよぉ!」


けっこうなダメージが入ったように見えたのにアッサリ瞬時に飛び上がって、立ち上がったシャルロットの父を見て八雲は少し警戒心を上げた。


「―――ああ、そんなに警戒しなくても取って喰ったりしないよ?初めまして!私はシャルロットの父であり、この皇国の国王エドワード=オーベン・ティーグルの実弟であるクリストフ=ヘルツォーク・エアスト公爵だよ。二人のことは先触れの報告で聞いている。どうぞよろしく―――九頭竜八雲殿」


飄々として掴みどころのない夫婦だがこの娘にしてこの親といったところか、少しのやりとりしかしていないが八雲には二人がそれほど悪い人間には見えないし、悪意のようなものも感じなかった。


「―――九頭竜八雲です。八雲が名前です。どうぞ、よろしくお願いします」


まだこの世界についてわからないところだらけの八雲は、二人に向かって静かに応えて一礼するとクリストフとアンヌの公爵夫妻に促されるままに宮殿に進み入るのだった―――


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