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049 魂の器

規則正しい電子音が響いている。

僕が目を開けると、周囲がざわめいた。

思い出した。

僕は、異世界から転生してきた賢者。


うつわだった。

幼い頃事故で生死の境を彷徨い、そこへ賢者の魂が宿り、僕は長い眠りに就いた。

ぼんやりと、賢者の残した功績は覚えている。

だが、僕の人生は『無』だった。

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