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030 人肌カイロ

「寒くなってきたね」

そう言って彼女を身を抱き寄せる。

北風が吹き付け、コートのえりを立てても寒さはしのげない。

だが、彼女が居れば、いつでも春の陽気だ。

『風速八メートルを観測。発熱量を増やしますか?』

「おねがい」

彼女は人型カイロ。

中でも彼女は、着る毛布にもなれる上位機種だ。

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