「そんな風に、じっと見るなよ」
彼女は恥ずかしそうにうつむいて、蚊の鳴くような声で抗議した。
「おまえ、女だったのか」
「あの頃は髪も短かったし、短パンだったね」
彼女とは幼い頃に出会い、小学校入学とともに離ればなれになった。
それが、こんな所で再会するとは。
特養ホーム利用者として。