目次
ブックマーク
応援する
2
コメント
シェア
通報
お姉様ずるいですわ!~欲しがり妹は姉の成功を喜べない~
みちのあかり
異世界恋愛悪役令嬢
2024年10月19日
公開日
1,198文字
完結
何でも姉のようになれると思っている妹ちゃんは、姉の成功まで欲しがります。
姉の小説がヒットして、自分も小説を書き始める妹は中々上手く行きません。

作家としての成功と、王子との婚約。
妹は全てを手に入れようと動き出しますが。

第1話 偽の聖女は今日も叫ぶ

「お姉様が魔法を使えるから学園で評判なの?ネット小説で人気があるの?。だったら、私も魔法を習えばいいのねラノベ書けば人気者ね。大丈夫、あのくらいテンプレなぞればすぐにできるわ書けるわ


 妹は、姉のものはなんでも欲しがります。そして、姉から奪っては、すぐに放ったらかし。父親も母親も友達ツイッターのフォロワー達も同じような人種なので、姉には厳しく、妹には甘々。妹は調子にのって言いました。


 お姉様程度の魔法小説なんて私でも出来る書けるわ。私もすぐに人気者ね。


 ところが、魔法を使って小説を書いてみても、なかなか上手にできませんPVが上がりません。次から次に新しい魔法小説習い書きましたが,途中でやめる全てエタる始末。妹は言いました。


「お姉様ばっかりずるい! 私に魔法陣アカウント頂戴!」

「出来ないことは出来ないのよ。妹」

「そんなことない! お姉様の魔法陣アカウントを譲って!」


 妹のうるさい攻撃で、姉は魔法陣アカウントを共有して使う事にしました。


 妹が新しい魔法小説使う投稿すると、姉の新作魔法小説と思い、一気に話題になりました。

 ところが、それは一瞬の事。すぐに使えないつまらないと人々は離れて行き2話目から読まなくなりました。

 姉は困って近況ノートで、「妹の新作魔法です。使ってください私の小説じゃないよ。間違えないでね」と、自己防御魔法をかけ無関係を決め込みました。


「お姉様ばっかりずるい!」

「それが実力よ。あなたの魔力PVは53。2度掛け離脱率は-98%。私の魔力PVは1万越えよ」

魔力PVの自慢なんてずるい!」

「現実なのよ」

魔力PV頂戴!」

「どうやって?」

「………………ずるいものはずるいの!」



 やがて姉は、聖女小説家と認められ王子と婚約しました出版化の打診が来ました


「お姉様ばっかりずるい!」

「これは王家出版社が決める事よ」

「ずるいったらずるい! 私に譲ってよ!」

「無理」

「……」


 やがて、王室編集部から婚約出版予定が正式に発表されました。姉も親戚や友達にお手紙ツイッターで報告しました。


 婚約しました書籍化します。とても嬉しいです。結婚式にはぜひお越しください出版したらぜひ買ってください!


「お姉様ずるい! 結婚書籍化マウントだ!」

「何いっているの? お知らせ宣伝大事じゃない」

彼氏もできないPV上がんない私にマウント取って! ずるい!」


 妹は手紙ツイートを書きまくりました。『結婚書籍化報告でマウントとるのはずるい! やめろ! 出来ない人のこと考えて!」


 甘々のお友達フォロワー達は、そうだそうだと盛り上がりました。


「人の気持ちも考えないクズ姉」

「少しくらい気を使ってあげて」

「ご自慢ですか! 酷いですね」


「妹よ、何してるの?」

「お姉様が悪いんです。自慢ばっかりするから」

「いや、自慢じゃなくて報告なんですが」

「それが自慢なのよ。キ—————」


 でも、婚約書籍化報告はしなければいけません。当たり前です。新米の聖女小説家としての仕事ですから。


「マウントやめろ—————」


 妹は叫び続けます。



 無事、結婚書籍化も終わり、姉は大聖女売れっ子作家として日々忙しくしています。


 妹がどうなったって?


 妹は嫉妬にかられ、自称自費出版聖女小説家として借金を背負って生きています。


 聖女としての力誰も買わない本を今日も宣伝しています。


聖女になりました書籍化しました!」


 お友達フォロワーは、あきれ果てました。


「おまえが言う?」

「しょせん、偽聖女自称プロ作家でしょ」

「誰が頼むの買うかよ!」

「それってマウントw」


 妹はやっぱりこう言うしかありませんでした。


「お姉様、ずるい—————」


        おしまい

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?