周謨が任地に向かう際、
周顗さんと、上の弟の
見送りに出る。
周謨、いよいよ出発という時に
やおら号泣。涙が止まらない。
それを見て周崇、イラッとする。
「なんだお前、女かっつーの!
別れ程度でビービー泣きやがって!」
そう吐き捨てると、
立ち去ってしまった。
もちろん周顗さんは残ったよ。
一緒に酒を交し、しばし語らう。
いよいよ出発の時間となった。
周顗さんも涙をこぼし、
周謨の背中を撫でる。
「謨、我が身を大切にな」
周叔治作晉陵太守,周侯、仲智往別。叔治以將別,涕泗不止。仲智恚之曰:「斯人乃婦女,與人別唯啼泣!」便舍去。周侯獨留,與飲酒言話,臨別流涕,撫其背曰:「奴好自愛。」
周叔治の晉陵太守を作さるに、周侯と仲智は往きて別る。叔治の以て將に別れなんとせるに、涕泗は止まず。仲智は之に恚りて曰く:「斯人は乃ち婦女たらんか、人と別るるに唯だ啼泣せん!」と。便ち舍て去る。周侯は獨り留まり、與に酒を飲みて言話し、別るに臨みて流涕し、其の背を撫して曰く:「奴、好く自愛せるべし」と。
(方正26)
周顗
世説新語が誇る面白キャラの一人。なかなかに傲岸不遜、己が才能を自負しており、元帝を支える朝廷の第一人者と自認してはばからない。けど
周謨
周顗さんの下の弟はなかなかにいい奴だったようである。地方長官として活躍したが、
周崇
いや、こいつ頭おかしいよ……次話参照。