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王敦10  高邁(笑)な俺

王敦おうとんは、自分自身について言っている。

「我が人格は高邁で明朗、

 学もあるぞ。

 左伝さでんは諳んじてるからな」

あっはい。(あっはい)



そんな王敦、酔っぱらうと

必ず歌う詩がある。

曹操そうそうの詩である。


老驥伏櫪 志在千里

 老いたる駿馬は、

 それでもなお千里を

 駆け巡ることを思う。


烈士暮年 壯心不已

 烈士もまた年老いたとて、

 その勇壮なる志は失わぬものよ。


歌いながら如意、

小さな孫の手みたいな杖で

痰ツボをコツコツ叩くものだから、

全ての痰ツボは口が欠けていた。




王大將軍自目:「高朗疏率,學通左氏。」

王大將軍は自らを目すらく:「高朗として疏率、學ばば左氏に通ず」と。

(豪爽3)


王處仲每酒後輒詠「老驥伏櫪,志在千里。烈士暮年,壯心不已」。以如意打唾壺,壺口盡缺。

王處仲は每酒の後にては輒ち詠えらく「老驥は伏櫪せど、志は千里に在り。烈士は暮年たれど、壯心は已まず」と。如意を以て唾壺を打し、壺口は盡く缺く。

(豪爽4)




左伝

三國志さんごくし関羽かんうも諳んじてたアレ。正確に言うと「春秋しゅんじゅう」という本に左氏が注を付けたもの。「春秋」に関する中の中では最も流通していたっぽい。そのためこの本を出典とした故事成語って結構多い。一回通読しておいた方がいいんだろうなあ。

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