「我が人格は高邁で明朗、
学もあるぞ。
あっはい。(あっはい)
そんな王敦、酔っぱらうと
必ず歌う詩がある。
老驥伏櫪 志在千里
老いたる駿馬は、
それでもなお千里を
駆け巡ることを思う。
烈士暮年 壯心不已
烈士もまた年老いたとて、
その勇壮なる志は失わぬものよ。
歌いながら如意、
小さな孫の手みたいな杖で
痰ツボをコツコツ叩くものだから、
全ての痰ツボは口が欠けていた。
王大將軍自目:「高朗疏率,學通左氏。」
王大將軍は自らを目すらく:「高朗として疏率、學ばば左氏に通ず」と。
(豪爽3)
王處仲每酒後輒詠「老驥伏櫪,志在千里。烈士暮年,壯心不已」。以如意打唾壺,壺口盡缺。
王處仲は每酒の後にては輒ち詠えらく「老驥は伏櫪せど、志は千里に在り。烈士は暮年たれど、壯心は已まず」と。如意を以て唾壺を打し、壺口は盡く缺く。
(豪爽4)
左伝