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王導37 身内腐し

王羲之おうぎしは、王導おうどうさまにとっては

従兄の息子、という続柄になる。

つまり、若干遠い親戚である。


王羲之の才能について、

王導さまは相当買っていたようである。


建康けんこうの王導さまから

会稽かいけいの王羲之に宛てて

寄越された手紙には、

このような愚痴が載っていた。


「わしの子や甥どもの

 才能のなさときたらどうだ。

 ことに虎㹠ことん王彭之おうほうし)、虎犢ことく王彪之おうひょうし)。

 まったく、どちらも幼名通りの

 愚鈍ではないか」


いや、王羲之に取っちゃ

その二人、いとこなんですけど。




王右軍在南、丞相與書、每嘆子姪不令云:「虎㹠虎犢還其所如。」


王右軍の南に在れるに、丞相は書を與え、每に子や姪の令ならざるを嘆じて云えらく「虎㹠、虎犢は其の如くせる所に還ず」と。


(輕詆8)




こういうこと迂闊に漏らしちゃう王導さまうっかり過ぎませんかね……


ちなみに。

王覧┬王裁―王導

  └王正┬王曠―王羲之

     └王彬┬王彭之

        └王彪之

と言う関係です。


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