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王導36 庾氏なんてザコ笑

王羲之おうぎしが若かった頃、

親戚の王敦おうとんのお宅に訪問した。


すると間もなく、よりによって

とんでもない訪問客が現れる。

王導おうどうさまと、庾亮ゆりょうさま。

当時の東晋のツートップ的な二人。


そんなひとたちがくるのに

自分なんぞがいては、

そう思って王羲之、席を立ち、

辞去しようとする。


そこを王敦、まあまあと留めるのだ。


「司空さまはお前の家出身なのだ。

 その状況で庾亮がお前に対して

 何か言える筈もあるまい?」




王右軍少時、甚澀訥。在大將軍許、王庾二公後來。右軍便起欲去、大將軍留之曰:「爾家司空、元規復何所難?」


王右軍の少かりし時、甚だ澀にして訥なり。大將軍の許に在るに、王庾の二公が後に來たる。右軍は便ち起ち、去らんと欲す。大將軍は之を留めて曰く「爾が家の司空なれば、元規に復た何ぞ難ずる所ならんや?」と。


(輕詆5)




321 年に王導が司空叙任、

322 年には第一次王敦の乱。

また王羲之は 306 年の生まれ。


ということで、王羲之 16 歳の時のお話。間もなく加冠し、世に出ようって頃ですな。

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