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何晏1  幼き引きこもり

何進かしんと言うひとがいた。

肉屋から後漢の大将軍にまで

上り詰めた、立志伝中の人だ。


何進は宮中のごたごたから暗殺されたが、

その一族は、割と厚遇されてた。


例えば、孫の何晏かあん

父親、つまり何進の息子が死ぬと、

未亡人となった母親が、

曹操そうそうに妾として取り立てられた。

……あれっ未亡人の色香に負けただけ?


ともあれこの頃、何晏七歳。

頭が良過ぎてヤバい。

なので曹操、速攻気に入る。

「養子に欲しい!」とまで言い出す。


それを聞いた何晏。

地面に四角を描き、そこに引き籠った。

「お前なにやってんの?」

そう聞く人がいたので、答える。


「この中は、何氏の別荘なんです」


いやいや養子とか勘弁してくださいよ、

と言う何晏なりのアピールだ。


その話を聞くと、曹操さまは、

改めてこいつヤベえな、と思い、

養子の話はなかったことにした。




何晏年七歲,明惠若神,魏武奇愛之;以晏在宮內,因欲以為子。晏乃畫地令方,自處其中。人問其故?答曰:「何氏之廬也。」魏武知之,即遣還外。


何晏は年七歲にして、明惠なること神の若し、魏武は之を奇しみて愛す。晏の宮內に在るを以て、因りて以て子と為さんと欲す。晏は乃ち地に方を畫かしめ、自ら其の中に處す。人の其の故を問うに答えて曰く:「何氏の廬なり」と。魏武は之を知り、即ち遣わせて外に還らしむ。


(夙惠2)




何晏

曹操に気に入られ過ぎたために、その跡を継いだ曹丕そうひからはちょう嫌われてた。曹植そうしょく派だった、と言うのもあるんだろうけど。後に栄達はするけれども、最終的には処刑される。あと有名なのはヤク中だったってことでしょうかね。

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