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王粲   驢馬の鳴き真似

建安七子けんあんしちしという、

文学方面にトンガった人たちがいた。

曹丕そうひに、その文才を愛された人たちだ。


そんな建安七子の一人、王粲おうさん

彼は驢馬の鳴き声がなぜか好きだった。

その王粲の葬儀がしめやかになされた。


さてその喪に服するにあたり、

曹丕そうひさまより、

王粲の仲間たちに向け、ご提案。


「王粲、驢馬の鳴き声好きだったよな。

 だから驢馬の鳴き真似で送ろうぜ」


何故そうなるのか。

けど、みんなで驢馬の鳴き真似をした。




王仲宣好驢鳴,既葬,文帝臨其喪,顧語同遊曰:「王好驢鳴,可各作一聲以送之。」赴客皆一作驢鳴。


王仲宣は驢が鳴を好む。既にして葬さるるに、文帝は其の喪に臨み、顧みて遊ぶを同じうせるに語りて曰く:「王は驢の鳴を好めり、各おのにて一聲を作し、以て之を送るべし」と。赴ける客は皆な一に驢の鳴くを作す。


(傷逝1)




王粲

曹操曹丕親子に愛された、文を愛する変態ども「建安七子」のリーダー的存在。超天才文学家なんだけど夭折した。なお建安七子は、既に名前が出ている孔融こうゆうの、陳琳ちんりん徐幹じょかん応瑒おうよう劉楨りゅうてい阮瑀げんうがリストアップされている。なお陳琳・徐幹・応瑒・阮瑀は世説新語中に登場しない。ま待って! すごく聞きたかったんですけどその辺のひとたちのエピソード!

にしても、どこにもそんなこと書いてないのに「しかし曹丕は鳴き真似をしなかった」が読み取れて仕方ないこの曹丕さまの畜生イメージと来たら。

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