二人とも出世や貨殖に対して
無欲だということで知られていた。
ある時、二人で畑を耕していた。
すると畑から、金のかけらが出てくる。
それを見つけた管寧は
石や瓦と同じ扱いをしていたし、
華歆も、一度拾い上げたが、
すぐ遠くへ放り投げてしまった。
またある時、二人して本を読んでいた。
一つの長椅子に、並び腰かけていたのだ。
やがて外の軒先に、
えらく豪華な車が通りがかった。
明らかにセレブの乗りそうな奴だ。
管寧はその話を聞いても
読書を継続していたが、
華歆は本をなげうち、
野次馬になって見に行った。
その様子を見て管寧、
席を二つに割ってしまう!
「あなたは私の友人ではなかったな!」
いや管寧さん、
それって器が小さいだけじゃ……。
管寧、華歆共園中鋤菜,見地有片金,管揮鋤與瓦石不異,華捉而擲去之。又嘗同席讀書,有乘軒冕過門者,寧讀如故,歆廢書出看。寧割席分坐曰:「子非吾友也。」
管寧と華歆の共に園中にて菜を鋤やせるに、地に片金有るを見るも、管は鋤を揮いて瓦石と異ならず、華は捉えて擲ち之を去る。又た嘗て同席して讀書せるに、軒冕に乘りて門を過ぎたる者有り、寧は讀めること故との如くせど、歆は書を廢て出でて看る。寧は席を割りて坐を分けて曰く:「子は吾が友に非ざるなり」と。
(德行11)
管寧
かんねい、とよみがなだけで言ってみると、