当時における囲碁である、たぶん。
ところが圍棋のコマを、
全く別の遊びに使ってた人たちがいる。
その始まりは、
われらが
かれは化粧箱の上にコマを置き、
それで相手の陣営のコマを弾く遊び、
いわゆる彈棋の達人だった。
彼はなんと、コマを指ではなく、
手ぬぐいを用いて弾く。
しかもそれでいて、バシバシ狙い通りに
相手のコマを弾くのだ。
そこに、一人の客が名乗りを上げた。
ワイもっとすげえっすよ! びびれ!
おっ、やんのかコラ!
曹丕さまもノリノリでこの挑戦を受ける。
化粧箱の前に座る客人、居並ぶコマ。
さあ、やつはどう出る。
かたずを飲むギャラリー。
すると客人、突然頭を下げた。
そして、自身のかぶっている冠、
その端っこでコマを弾くではないか!
しかもその精度は
曹丕さま以上であった、という。
彈棋始自魏宮內,用妝奩戲。文帝於此戲特妙,用手巾角拂之,無不中。有客自云能,帝使為之。客箸葛巾角,低頭拂棋,妙踰於帝。
彈棋は魏が宮內より始まり、妝奩を用い戲す。文帝は此の戲にて特に妙なれば、手巾が角を用い之を拂い、中らざる無し。客に自ら能くせると云うもの有り、帝は之を為さしむ。客は箸けたる葛巾が角にて、頭を低らげ棋を拂わば、妙なること帝に踰ゆ。
(巧蓺1)
なんだこいつら(なんだこいつら)
結構流行ったそうではありますが、何と言うか、こう……