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曹丕3  残された寵姫たち

曹操そうそうが死ぬと、

曹丕そうひはすぐさま曹操の寵姫たちを囲った。

素早い、文帝さま素早い。


さてそんな文帝さま、病にかかる。

そこに母親のべん皇太后が見舞いに来た。

部屋に入ろうとする。

そしたら、何か知ってる女がいっぱいいる。


皇太后、女たちに聞く。


「貴方たち、いつからここに来てるの?」


「先帝が崩ぜられてすぐです」


卞皇太后、これにはブチギレである。

もう部屋にも入りたくない。


「あああああ、曹丕、なんて汚らわしい!

 ドブネズミだってあんたの食い残しなんか

 喰いたくないでしょうよ!

 罰が当たったのよ、とっととお死に!」


その怒りぶりと来たら、曹丕が死んでも

墓参りにすら行かないレベルだった。




魏武帝崩,文帝悉取武帝宮人自侍。及帝病困,卞后出看疾。太后入戶,見直侍並是昔日所愛幸者。太后問:「何時來邪?」云:「正伏魄時過。」因不復前而嘆曰:「狗鼠不食汝餘,死故應爾!」至山陵,亦竟不臨。


魏の武帝の崩ぜるに、文帝は武帝の宮人を悉く取りて自ら侍らしむ。帝の病にて困しむに及び,卞后は出でて疾を看る。太后は戶に入り直侍を見るに、並べて是れ昔日の愛幸さる所の者なり。太后は問うらく:「何れの時に來たりしや?」と。云えらく:「正に伏魄の時に過す」と。因りて復た前まず、嘆じて曰く:「狗鼠も汝の餘は食さず、死は故より應に爾らん!」と。山陵に至りても、亦た竟に臨さず。


(賢媛4)




卞氏の言い回しがとことんにえぐい。仮にも皇帝陛下に対して「おまえなんて死んだほうがいいんだ」くらい言い放っちゃうとかどーなってんだってもんである。

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