素早い、文帝さま素早い。
さてそんな文帝さま、病にかかる。
そこに母親の
部屋に入ろうとする。
そしたら、何か知ってる女がいっぱいいる。
皇太后、女たちに聞く。
「貴方たち、いつからここに来てるの?」
「先帝が崩ぜられてすぐです」
卞皇太后、これにはブチギレである。
もう部屋にも入りたくない。
「あああああ、曹丕、なんて汚らわしい!
ドブネズミだってあんたの食い残しなんか
喰いたくないでしょうよ!
罰が当たったのよ、とっととお死に!」
その怒りぶりと来たら、曹丕が死んでも
墓参りにすら行かないレベルだった。
魏武帝崩,文帝悉取武帝宮人自侍。及帝病困,卞后出看疾。太后入戶,見直侍並是昔日所愛幸者。太后問:「何時來邪?」云:「正伏魄時過。」因不復前而嘆曰:「狗鼠不食汝餘,死故應爾!」至山陵,亦竟不臨。
魏の武帝の崩ぜるに、文帝は武帝の宮人を悉く取りて自ら侍らしむ。帝の病にて困しむに及び,卞后は出でて疾を看る。太后は戶に入り直侍を見るに、並べて是れ昔日の愛幸さる所の者なり。太后は問うらく:「何れの時に來たりしや?」と。云えらく:「正に伏魄の時に過す」と。因りて復た前まず、嘆じて曰く:「狗鼠も汝の餘は食さず、死は故より應に爾らん!」と。山陵に至りても、亦た竟に臨さず。
(賢媛4)
卞氏の言い回しがとことんにえぐい。仮にも皇帝陛下に対して「おまえなんて死んだほうがいいんだ」くらい言い放っちゃうとかどーなってんだってもんである。