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曹操6  肉食獣の狸寝入り

曹操そうそうはよく言っていた。


「俺が寝てるところに変に近づくなよ。

 うっかり斬り殺しちまうらしいんだ。

 しかも俺覚えてねえんだそれ。

 だからマジで気をつけてくれよ」


後日、寝たふりをしていたところに、

寵愛していた妾が毛布を掛けに来た。

ので斬り殺した。


のでじゃねえ。


そんなことにもなれば、

そりゃ誰も近付けなくなりますわ。


めでたしめでた……くねえ!




魏武常云:「我眠中不可妄近,近便斫人,亦不自覺,左右宜深慎此!」後陽眠,所幸一人竊以被覆之,因便斫殺。自爾每眠,左右莫敢近者。


魏武は常に云えらく:「我が眠れる中に妄りに近づくべからず、近づかば便ち人を斫らん。亦た自覺せざれば、左右は宜しく此を深く慎しむべし!」と。後に陽りて眠り、幸いする所の一人が竊かに被を以て之を覆わんとするに、因りて便ち斫り殺す。爾れより眠れるごと、左右に敢えて近づく者莫し。


(假譎4)




この辺のエピソード読んでると、劉義慶りゅうぎけい、お前曹操のこと大っ嫌いだったろ感が半端ない。

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