もちろん、他の商品だってプロのカメラマンさんが撮った写真ではないでしょうから、お世辞にも洗練されているとは言えません。でも、最低限のやり方ってあるじゃないですか。人形の全体がわかるようにするとか、明るい場所で撮るとか。でも、男の子の写真はそういうのに全く無頓着で、まず、人形を上から覗き込むようにして撮った写真が1枚。そこから距離を近づけて1枚。さらに距離を近づけてもう1枚。最後は、男の子の顔が入り切らないほどの近距離で1枚。特に最後の写真は人形自体の奇妙さと相まってなかなかの迫力がありました。人形の口から覗く歯茎がデカデカと中央にあって、そして、撮影したカメラが広角レンズだったせいなのか画像の両端にはやたらと横に伸びた目が映ってしました。
男の子の人形は、背の高い和風の棚の一番上の段に乗っていました。そんな所にある人形を見下ろすようにして撮影しているわけですから、カメラは天井に接するくらいの位置だと推測できます。なぜそんな所から撮ったのでしょう。撮影者がそれほど高身長の人物なのか、もしくは、人形を棚の上から動かしてはいけないのか。
人形の商品紹介欄には「えんぎもの です」と書かれていました。それから「しあわせをまね きます。はこをつけます ので、もちはこぶのにもべんり です」と。
―― 縁起物です。幸せを招きます。箱をつけますので持ち運ぶのにも便利です