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恋の誘導尋問~恋に不器用なアイツから僕は彼女を略奪する~ 綾瀬川澄司編13

「笑美さんに痣があること、どうして知ってるのか教えてほしいですか? それはね、フフっ」


 笑美さんの耳元に顔を寄せて、昨夜のことを教えてあげる。


「寝ている笑美さんを、僕の手で綺麗に洗ってあげたあと、一緒にお風呂に入ったんですよ」


 言い終えないうちに、笑美さんの体がぶるりと大きく震える。目を見開いたまま唇を震わせて僕を見る、その表情すら愛おしく思えた。


「安心してください。そのときの笑美さんは、ぐっすりおやすみになっていたので、手を出してません。それに寝てるところを襲うなんて、つまらないでしょう? 愛し合う行為は、ふたりでしなきゃ」


「いや…絶対にやだ……、澄司さんとこんなことしたくな――」


 聞きたくない言葉を吐き出す唇に、キスをして封をした。柔らかな笑美さんの唇に溺れそうになりながら舌を差し込み、歯茎を左右になぞる。


「んぅっ、あ…ぁっ」


 僕に与えられる快感に抗うように、頬の傷をぐいぐい容赦なく押された。


「笑美さんの必死な抵抗、めちゃくちゃ可愛いです。そんなにされたら、すごく興奮してしまう」


 痛みを伴う抵抗に、僕の下半身がさらに大きくなる。そのことに喜んだ瞬間、笑美さんの手が頬から外された。


「自分のおこなったことの過ちに、今頃気づいたみたいですね。もっと抵抗していいんですよ。全力でやって見せてください。さあさあ!」


 痛いくらいに反り立つそれを、笑美さんの下半身に押しつけながら擦りつけた。


「ひっ!」


「驚いたでしょ。このサイズは最初は苦しさしか与えないので、まずは笑美さんのナカをトロトロにして、たくさんイカせてから馴染ませます」


「むむむ無理っ、こんなの挿いらなぃ」


「大丈夫。僕の手にかかれば、気持ちよさしか感じなくなって、ほしくなりますよ」


 恐怖から体を硬直させた笑美さんのパジャマの前を難なく開き、ブラをはずして胸を露わにする。パジャマの下も下着と一緒に脱がした。


「や……」


 寝ていたときとは違い、笑美さんの肌はほんのり桜色に染まっていて、とても綺麗に目に映った。


「やめて!」


 裸体をまじまじと見つめる僕のまなざしに、目の前にある顔が歪んでいく。恥ずかしさとは違う嫌悪に満ちたそれを見た瞬間、意地悪でエッチなもうひとり僕が現れて、笑美さんを徹底的に快楽に落とそうと囁いた。


 形のいい耳の縁に舌を這わせてから、小さな穴に舌を突っ込む。わざと音が鳴るように出し入れしてやった。


「うぁ、ひゃっ! あぁっ」


 手錠でつながれていない笑美さんの手が僕の頭をゲンコツで殴ったり、舌から逃れようと頭を振り抵抗を続けたが、しつこく追いかけてやる。


「笑美さんの下の口も、こうしてぐちゃぐちゃにして、解してあげますからね」


 言いながら笑美さんの下半身に視線を飛ばした途端に、両膝を合わせて大事なところを守る。だからこそ無理やり突破してやった。強引に触れたそこは、柔らかくてほんのり湿り気を帯びていて、僕が感じさせた証がしっかりあることに、微笑まずにはいられない。


「嫌がっても、少し濡れてるじゃないですか。僕の中指を飲み込んでいきますよ」


 入り口を中指でゆるゆると広げるように触れてから、ぐいっと中に突っ込む。


「いっ、痛い……」


「硬くなってるココ、どんな弄り方をしたら感じて濡れるんでしょうね」


 女のコの感じる部分を親指で上下に擦りあげたが、笑美さんの表情が芳しくない。


「や、触らなぃでっ…ああっ!」


 強すぎても痛みしか与えない場合があるし、弱すぎても物足りなさにつながる。さじ加減が難しい分だけ、快感を探っていく楽しみがあった。


「笑美さん、結構感度がいいから、強くスルよりもこうしてじっくり優しくされるのが好きなんですね」


「違っ…やだっ、んぅっ」


「僕を受け挿れるための蜜が、少しずつ溢れてきてる。中指の動きがスムーズになったのがわかるでしょう?」


 すらっとした首筋に舌を這わして、笑美さんを味わう。痕をつけたくなるような白い肌を堪能しながら、あいた手で胸を鷲掴みした。


「やめて澄司さんっ…いやっ!」


 てのひらに吸いつく柔らかさといい、大きすぎず小さすぎずのサイズといい、僕の好みの体をしていて、早くひとつになりたくなった。


「笑美さんの胸の大きさ、バッチリ僕好みです。柔らかくて気持ちいい。こうして口に含んだだけで、どうにかなりそう」


 唇や舌先を使って、胸の先端を念入りに弄る。唇に硬度を感じはじめた矢先に――。


「綾瀬川あぁあ!」


 ここに招いていない人間の声が、なぜか耳に聞こえた。どうしてここに、僕らがいるってわかったんだろうか。


「なんで佐々木さんがここに――」


 邪魔をされるという現実を受け止めたくないのに、目にした瞬間彼の名前を呼んでしまった。メガネの奥の瞳が激昂で揺らめき、笑美さんの胸から顔をあげた僕を見つめる。


 両手に拳を作りながら走り込んできた時点で、殴られることは想定内だった。左右どちらの手が飛んできてもいいように腹に力を入れて、放たれたパンチを簡単に受け止める。


「僕にそういうの無駄だから」


「松尾から降りろ!」


 僕にパンチを塞がれて悔しそうにしている佐々木さんに、へらっと笑ってみせた。


「乗り心地がいいんで、離れたくないんですけどね」


「俺の松尾から、降りろと言ってる!」


 佐々木さんは先に放った拳に力を入れながら、反対の手も僕の顔面を狙いパンチを繰り出すがこれも易々と受け止める。怒りが込められた拳の衝撃は、てのひらをじんじんさせるものだった。

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