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恋の誘導尋問~恋に不器用なアイツから僕は彼女を略奪する~ 綾瀬川澄司編2

☆☆☆


 僕に対する笑美さんの態度ならびに、笑美さんの彼氏佐々木さんのイケメン具合に、なぜだか違和感を覚えた。


 自分の立場を武器にして、話を強引に押し進めることは得意だが、必ず拒否や抵抗をされる。相手はペットじゃなく人間なんだし、それは当たり前の感情でもある。


 しかし笑美さんは僕を名前で呼ぶこと以外を、すんなりと受け入れた。もっと抵抗してもいいくらいなのに――。


 お父さんは笑美さんのことを、清楚でかわいらしいと表現したが、冷静な目で判断すれば、正直なところ普通。良くもなく悪くもないといった見た目。しかも笑美さんの彼氏佐々木さんは、僕には負けるけど、それなりのイケメンだった。


 見た目が普通の彼女が付き合ってるのが、それなりのイケメンというのには、なにか大きな謎があるのだろうか?


 従順にいうことをきく彼女だから? それともベッドの中での彼女が、得も言われぬほどイイ感じなのか? しかも付き合っているというのに、見えない距離みたいなものが、ふたりから感じられることも、疑問のひとつだった。


 違和感の正体を知りたくて、彼女に興味を抱いた。もっと深く付き合えば、きっとなにかが見えてくるはずだ。それに――。


「僕、佐々木さんみたいな人、結構苦手なんだよねぇ」


 僕の挑発に対抗して煽ってくるあの態度といい、仕事相手なのにもかかわらず刃向かってくる感じもいけ好かない。


 まずは手始めに、笑美さんのことから調べようか。探偵業っぽい仕事を生業にしてる、知人に連絡してみよう。

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