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僕に対する笑美さんの態度ならびに、笑美さんの彼氏佐々木さんのイケメン具合に、なぜだか違和感を覚えた。
自分の立場を武器にして、話を強引に押し進めることは得意だが、必ず拒否や抵抗をされる。相手はペットじゃなく人間なんだし、それは当たり前の感情でもある。
しかし笑美さんは僕を名前で呼ぶこと以外を、すんなりと受け入れた。もっと抵抗してもいいくらいなのに――。
お父さんは笑美さんのことを、清楚でかわいらしいと表現したが、冷静な目で判断すれば、正直なところ普通。良くもなく悪くもないといった見た目。しかも笑美さんの彼氏佐々木さんは、僕には負けるけど、それなりのイケメンだった。
見た目が普通の彼女が付き合ってるのが、それなりのイケメンというのには、なにか大きな謎があるのだろうか?
従順にいうことをきく彼女だから? それともベッドの中での彼女が、得も言われぬほどイイ感じなのか? しかも付き合っているというのに、見えない距離みたいなものが、ふたりから感じられることも、疑問のひとつだった。
違和感の正体を知りたくて、彼女に興味を抱いた。もっと深く付き合えば、きっとなにかが見えてくるはずだ。それに――。
「僕、佐々木さんみたいな人、結構苦手なんだよねぇ」
僕の挑発に対抗して煽ってくるあの態度といい、仕事相手なのにもかかわらず刃向かってくる感じもいけ好かない。
まずは手始めに、笑美さんのことから調べようか。探偵業っぽい仕事を生業にしてる、知人に連絡してみよう。