帰宅した俊哉さんの顔色がえらく冴えなかったこともあり、体があたたまる入浴剤をお風呂に投入したので、ご飯前に入ってもらうことにした。
「俊哉さん、お湯加減どう?」
「すごくいい。いつもよりお湯の温度が低いのに、体の芯から温まっていくのがわかる。笑美も入ったら?」
「私はあとでいただく。まだやることがあるの」
(俊哉さんに休んでもらってるのに、私がお風呂に入ったら、疲れることをするのが目に見える……)
ご飯を食べ終わったら、すぐ横になれるように、森林系のアロマを寝室に焚いて、リラックスできるように準備した。
「ほかに、私ができることはないかなぁ?」
スマホでさくさく検索して、俊哉さんの疲れがとれることを調べてみる。
一緒にここで暮らしてからも、マメな俊哉さんは私にいろいろしてくれた。仕事で忙しくしている身なのに、仕事帰りに花や美味しいケーキをわざわざ買って来たり。
ほかにも、仕事中に元職場に電話することがあったら、誰と話をしたとか元気だったとかを教えてくれた。私がここで寂しくならないようにしてくれるそれに、ずっと甘えっぱなしで、私からなにかできないかを、日々模索しているのだけれど。
「大好きな俊哉さんに、私だからできることがきっとあるはず!」
ぽつりと呟きながら、疲れがとれるマッサージを何点かピックアップした。画像や動画を見て覚えようとしていることすら、楽しくてならない。
少しでも俊哉さんの疲れがとれるといいな。