目次
ブックマーク
応援する
3
コメント
シェア
通報
魔法百貨堂 〜よろず魔法承ります〜
野村勇輔(ノムラユーリ)
現代ファンタジー都市ファンタジー
2024年10月15日
公開日
118,411文字
完結
どこにでもありそうな昔ながらの古本屋。

その店内を奥へ進むと、やがてバラの咲き乱れる小さな中庭に出る。

バラの間を縫うように舗装された小さな道の先には古い日本家屋が建っており、その軒先の看板には達筆でこう書かれていた。

『魔法百貨堂』

これは魔女とお客さんの物語。


*連作短編集*
*魔法百貨堂①*
*イラスト:麻mia様*

第0話

   0


 どこにでもありそうな昔ながらの古本屋。

 その店内を奥へ進むと、やがてバラの咲き乱れる小さな中庭に出る。


 バラの間を縫うように舗装された小さな道の先には、古い日本家屋が建っており、その軒先の看板には達筆でこう書かれていた。



『魔法百貨堂』



 そしてガラスの引き戸にはボロボロの紙片に、これまた綺麗な、けれど可愛らしい丸文字で『萬魔法承ります』と貼られていた。


 引き戸を開けた先には如何にも古そうなカウンター、その後ろの大きな棚には、怪しげな品々が所狭しと並べられている。


 やがてパタパタと足音が聞こえ、店の奥へと続いているのであろう暖簾をくぐって現れたのは、一人の若い女性だった。


「いらっしゃいませ。どのような魔法をお探しですか?」


 そう言って、彼女はにっこりと微笑んだ。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?