目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
第32話 面倒なヤツに出会ってしまった。

「それ、すごいね! 何処のダンジョンなんだ?」


「ここから東にあるダンジョン。 魔物や魔獣がいっぱい出てキケンな所だからね。ユウくんのパーティじゃムリね。中ランクの冒険者が多く居ないと、キケンよ。止めておいた方が良いよっ。ふんっ」



 シャルは言いたいことを言うと、自分達のパーティの凄さを言えて自慢気な表情をして立ち去っていった。


 はぁ……話が短く済んで良かった。またパーティに入れてくれと言われるかと思ってドキドキしちゃったよ。ダンジョンかぁ……シャルと、同じ場所は避けたいな。ここから東のダンジョンは行くのは止めておこっと。


 買い物を済ませて足早に村を出た。


 やっぱりシャルの感じだと、完全に俺を敵視してる感じだよなぁ。気を付けないとギルドに行けば、また会いそうだなぁ……



 数日後……


 ギルドに魔石と素材を売りに行くとシャルは居なかったが、ヒソヒソと俺の方をチラチラと見て変な空気になっていた。


 えっと……なにか、俺……やらかした? なにかバレた? この感じ……嫌なんですけど。


 受付の順番が回ってくると、受付嬢が話しを掛けてきてくれた。



「あのね〜。他のパーティの女子がね……。あなた達のパーティは不正をしてるとか、3人で同棲をしてイチャイチャしてるとか言いふらしてるのよ」



 はぁ……それ、シャルしかいないよな。パーティを追い出されたから嫌がらせかぁ…….。まぁ大した事を言って無くて良かったかな、付与とか魔物や魔獣の大量討伐がバレて無ければ良いかな。



「不正って……出来るんですか? 討伐された魔物や魔獣の魔石を売るとかも不正じゃないですよね? 素材の回収も不正じゃないですし……。拠点でパーティの人と暮らすのも普通じゃないですか? 仲良く暮らすのは良いことだと思いますけど」


「……そうよね。不正じゃないし、拠点でパーティと暮らすのは普通よね……気にしちゃダメよ」



 えっと……なに? 自分の言ったことで納得してくれた!? 何が不正なのか良く分からないけど、ギルドの受付嬢さんが言うのだから不正は無いのだろうな。


 しかも俺の心配をしたような表情をして、応援をしてくれている感じで言ってきてくれた。



「はい。気にしないようにします。でも、恥ずかしいですね……注目されちゃってるみたいで」


 頬を赤くして返事を返すと、受付嬢が前屈みになり小声で話してきた。



「キミ、多分ね……好かれてるのよ。きっとヤキモチよ……じゃなきゃ、こんな事を言いふらさないでしょ? モテる男の子はツライわね〜。きみ可愛い顔してるものっ。私がもっと若ければ好きになっていたかもなぁ〜ウフフ……」



 受付嬢が、からかっているのか慰めてくれているのか励ましてくれた。


 このお姉さん優しいんだな。今度からこのお姉さんの列に並ぼっと。優しいし、美人さんだし……



「えっと……次回も、お姉さんの列に並ぶのでお願いします」


「え? わぁ〜ホント? じゃー少しサービスしちゃおうかなっ」


 え? そんなつもりで言ったんじゃないんだけど……冒険者のポイントと買取金額を少し多めにくれた。


 えっと……これが不正ってやつじゃないのか? ダメでしょ。



「お姉さん。これが不正ってやつじゃ?」


「ん? 違うわよ。あのね〜査定するのは、私よ? 査定は任されているの。冒険者ポイントも私が決めても問題ないのよ。基準はあるんだけど、この素材はキレイに切り取られているし傷もないから高値をつけるのは当たり前よ。忙しいから通常は、鑑定もせずに通常の基準額にして渡してる受付嬢が多いけどね。冒険者ポイントも、いつも多く持ってきてくれているのも知ってるし問題ないわ。お姉さんに任せておいて! 不正じゃないわよ」



 俺の事を気に入ってくれたのか、不正じゃないと色々と説明をしてくれて納得が出来た。不正じゃなければ、これからはお姉さん任せよう。



「色々と有難うございます!」


「あと、変な噂の方は注意をしておくし、心配しなくて良いわよ」


「助かります。お願いします」



 放っておけばいいやと思っていたけど、お姉さんの協力があれば噂も直ぐに消えるだろうし。助かったなぁ……



「わっ。おめでと! キミ、Cランクに昇格したわよ! これで駆け出しの冒険者を卒業で、通常の冒険者の仲間入りね! 過去最年少での昇格じゃないかしら……スゴイわね。それもだけど……Dランクの子というか人リーダーをやってるパーティ自体が珍しいのよね。ともかくおめでと! これからも頑張ってね! 応援してるわよ♪」



 多分……気に入ってくれたのかな? 悪い気はしないなぁ……なんだかお姉さんの期待に応えたい気持ちにもなるし頑張りたい!


 新しく更新された冒険者証と、ネックレスのスチールのタグをもらった。木製だったので収納にしまいっぱなしで放置していた。それに木製だと恥ずかしい……。スチール製なら恥ずかしくは無いけど、錆びるじゃん! 錆びたら格好悪い。まぁ、付与魔法で錆びないようにさせるけど。


 SS_ミスリル、 S_ゴールド 、A_シルバー、B_ブロンズ、C_スチール、 D_木製 、F_無し


コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?