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第29話 ミーシャの戦い方

 しばらく俺とアリアは、ミーシャの攻撃の様子を観察して援護に回った。



「わぁっ。闘いやすくなったー」



 討伐から戻ってくると、笑顔に戻っていた。が……場所によっては、脆い足場となると思っていた鍾乳石? の様な物を足場にすると、崩れ落ちバランスを崩し転がり落ちた。



「にぁっ!! いったーい……。転んだぁぁ……!」



 パシュ! と生き残っていた魔獣を、ミーシャが魔力弾で止めを刺し討伐をした。ミーシャに近寄り、痛いと言っていたので治癒魔法を掛けようかと思ったら無傷だった。



「ケガは、無さそうだな? まだ痛いか?」


「ううん。だいじょうぶー」


「そういえばミーシャは、魔力弾の練習をしてたけど使えるようになったのか?」


「えへへ……はぁ……」


 ん? ……その誤魔化した笑いは、サボる様な性格じゃないから上手く出来なかったんだろうなぁ。ミーシャが気不味そうに、前方の空間に魔力弾を放つと徐々に霧散をして消えた。



 ポシュッ! …………キラキラキラ……



「……キラキラして……キレイでしょーっ! ううぅ……いやぁ……」



 うん。頑張ったのが伝わってくるよ。というか……魔法の練習を初めて……数日で、これだけ使えればスゴイんだけどな。



「後は、練習だけど……。今は、練習をしてるヒマは無いからなぁ……。今の感じで放つんじゃなくて、固くするイメージをしてみて。これを作れるか?」



 ピキーン。と30センチ四方の透明なシールドが目の前に現れた。確か……バリアは、シールドに比べると魔力量を大量に消費するらしい。それに維持も難しいらしい。

 因みに俺のバリアは、完全防御バリアで魔法とは違い、魔力消費はしなくて別物らしい。

 シールドなら下位の魔法で、魔力消費も少なく魔力をシールドに変えるだけなので、シールドを小さくすれば更に魔力消費を抑えられる。それに必要な時に一瞬だけ出すだけなら維持する必要もない。



「それって……シールドだよね? 弓矢とか槍が飛んできた時に、防ぐヤツだよね? なんで……シールドぉ?」


 アリアが話の流れから、何でシールドが出てきたのか不思議そうに首を傾げて聞いてきた。



「物理攻撃を受けれるって事だろ?」


「うん。シールドだからね。魔法も防げるけど、防御範囲が狭いから魔法を防ぐのには不向きだよね~?」


「物理攻撃を防げるって事は……乗れるでしょ?」


「え? あっ……そっかぁー」



 アリアは、それだけで理解したみたいで驚きの表情を浮かべていた。話の内容に取り残されたミーシャは、理解できずに可愛く首を傾げていた。



「えっと……だからシールドを足場にすればって事だよぉ〜」



 ミーシャの様子を見るのに隣に座っていたが、実際に見せる為に立ち上がった。

 足を踏み出すと足元にシールドが出来ていく。階段を登るように歩いていくと、階段状のシールドが出来上がった。

 こんどのシールドは、足を離れたシールドは霧散して消えていく。シールドの維持するしないは本人次第で、維持をし続けることも可能だが、魔力は消費され続ける。


 ミーシャは、レベルが上っていて魔力量は結構あると思う。実際、魔力弾の練習を半日程していても、魔力切れになる事はなかったし。



「ねぇ……どうやるのー?」


「魔力弾は、手を翳してって感じだっただろ? それを足から魔力弾を放つような感じにして、シールドのイメージをすれば階段が出来ると思うぞ」



 ミーシャが苦戦している表情をして、試しに手でシールドを何となく何度か張れるようになった。その流れで足も出来るようになった。



「わっ。できたっ! 見て! 見てー!!」


「ミーシャちゃん、覚えが早すぎだよぉ……」



 まぁ……レベルが急上昇をして出来る事も急に増えて、何が出来て出来ないのか分からないだけって状況だよな。それにシールドは、初級魔法だしなぁ。


 早速、ミーシャが階段をシールドで作り上り下りをして練習をダンジョンでしていた。当然、結界は張っているので邪魔してくる魔物や魔獣は居ないので安全だ。


 次に、ジャンプして足場を作る練習をして……調子に乗ってシールドを利用して跳躍をすると洞窟の天井に頭をぶつけて落ちてきたのを慌てて抱きかかえた。



「ったーい!! ううぅ……頭ぶつけたぁー」


「ケガは、無いけど気をつけろよー」


「はぁい♪ これ、おもしろーい!」



 俺から降りると洞窟の壁を蹴って飛び上がると、シュッ シュッ シュッとシールドが、そこら中で霧散してキラキラと光り輝き幻想的で綺麗だった。


 はぁ。もう……実践で使えるレベルじゃん……。スゴイな。この調子で進んでいくと今日で、このダンジョンを攻略が出来ちゃうんじゃないか……?


 正直、言ってアリアは……レベル80くらい。ミーシャは30くらい。居なくなったけど……シャルは13くらいか。


 興味が無かったけど、目安でステータス画面を表示させた。ん? はぁ? レベルが99、100を超えて398になってる!? まさかー。そなんな訳が、無いだろ〜あはは……



「……なぁ? アリア、レベルってマックス99じゃなかったっけ?」


「ん……そうだけど? 99になった人は、過去に数人と聞いているよぉ。それ以上があるかは、不明だけど……。99なるのは、かなり厳しいよぉ……? ユウくんレベルMAXを目指してるの? でも、ユウくんなら可能かもっ!」



 厳しいって言ってるアリアも、99が目前じゃん?



「アリアは80くらいだろ?」



 アリアが体をビクッ! と、反応をさせて、顔を引き攣らせながら振り返った。



「え? ……なんで知ってるのぉ……!?」


「ん……勘というか、同じパーティだし。ずっと一緒に行動をしてたしなぁ」


「そっかぁ。そうだよね~♡ うん。83だよ。ユウくんは〜、ん……98とかでしょ!?」


 アリアがニコニコ笑いながら聞いてきた。これって……言っちゃって良いのか? レベルなんか目安だし……気にしなくてもいいよな。



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