「ん……ダンジョンだよね? ダンジョンだと逃げ場所が無くなるから危険度が……、あぁー転移があるね……それなら危なくないね。疲れたらバリアがあるし、危なくなったりしたら転移で帰れるし……行ってみたいかも」
「ダンジョンって危ないって言ってたよー。近寄っちゃダメーって」
「明日、少しだけ行ってみる?」
「行くー」
「行きたい♪」
って事で、アリアは夜目の練習で、ミーシャは討伐の練習を始めた。
俺はミーシャの服と同等の物を作り、それを木に掛けた。木に掛けた服を、普通の剣で斬ったり突いたりをして耐久性を調べてみた。
耐久性、防御性は問題無さそうだな。
ファイアショット、魔力弾を放つと木が大きく揺れた。これって、衝撃は受けるって事かぁ……。衝撃軽減を付与し直した。
調整をすると、揺れはかなり軽減されて改善ができた。試しておいて良かったな。
12時頃まで練習を続けて、帰宅をすると……疲れて皆、直ぐに寝てしまった。
翌日……
いつも通りの時間に、ミーシャに抱き着かれて起こされた。
「ユウちゃんっ! ユウちゃーん! 朝だよー! 起きてぇぇぇ〜! 朝だよっ」
「もう少し……寝る……」
「ふぅーん……キスしちゃうよぉー!?」
「ん……勝手にしてー」
頬にキスなら、いつもされてるし……別に良い……。それより眠い……。ん……んんっ!? 唇にヌルヌルする温かい物を感じて目を開けると、ミーシャの顔が目の前にあって……おれの唇を舐めてた。
「ぺろっ♡ ぺろっ♡ 起きたぁー?」
「な、なにしてんの!?」
「ん? ぺろぺろ……してたぁー」
「はぁ? それキスじゃないし……」
「ん……? 目の前にユウちゃんの唇があって……美味しそうだったからー舐めてみたー♡」
……そう。そうですかぁ〜……。お陰で、目が覚めたよ。
「そんな事を……他の人にもしてたの?」
「え!? してないー!! ユウちゃんが初めてだよっ」
「そ、そう……他の人にはするなよー」
「しないよっ! するわけ無いっ!」
恥ずかしそうに、俺に抱き着いて顔を隠した。……一応は、恥ずかしい事をしたって自覚はあるんだな……頬が赤いし。
ミーシャに抱き着かれて寝ていると、ミーシャの温もりと安心感で再び眠くなってくる。ウトウトしていると、アリアが部屋に入ってきた。
「朝食が出来たよー……。あぁっ! ズルいよぉー。わたしも……一緒に寝たいっ」
アリアが笑顔で近づいてきた。
え? それは嬉しいけど……ダメでしょ。歳も近いし……可愛いしとにかくダメでしょ。
「アリアは、ダメでしょ……」
「なんで? わたしの事が……キライなの……?」
「そうじゃなくて……歳が近いしさぁ」
「ミーシャちゃんと、変わらないよ?」
「変わるでしょ! アリアは12歳! ミーシャは10歳だぞ」
「……変わらないよぉ〜。ユウく〜んっ♪」
隣に横になってきて、両脇から2人に抱きしめられた……。あぁーもう、勝手にしてください……。少し抵抗をしたけど……2人から良い匂いがしてきて、可愛い2人に抱きしめられて癒やされ……無駄な抵抗は諦めた。
「朝食を食べたら、アリアとミーシャが片付けをしてる間にギルドへ行ってくるな。それで、常時依頼の魔獣と魔物の討伐の報酬と、魔石と薬草を売ってくるなー」
「うん。分かったぁ」
「はぁい」
「それが終わったら、ダンジョンを見に行くか!」
そういうと2人が嬉しそうに振り向いてきた。
え? そんなに楽しみにしてるの? ダンジョンだぞ? 魔物や魔獣が多く現れて……普通C、D級ランク以上の冒険者が入れる場所だぞ。E級ランクの俺は、入るメリットが無く、アイアだって……ただの危険なだけなんだぞ? とはいえ、俺も楽しみにしてるけど……
この森に出る中級、上級の魔獣、魔物も普通に倒せるようになってるし。それに……夜目の実力が発揮されるのが楽しみだ。
朝食を食べ終わり、早速ギルドへ向かった。村へ着くとシャルを見かけ、知らない冒険者パーティ5人組と一緒につまらなそうな顔をして歩いていた。
おぉ。って事は、俺に付き纏うのを諦めたって事だよな? 完全に無視して話の途中で、転移をして帰ったんだし拒絶したのを分かってくれたかな?
そのままシャルに声を掛けずに、受付に並んだ。順番がくるとギルドで魔石と素材、薬草が売っても、それ以上の討伐をしているので貯まる一方だ。全然、減らないので多めに魔石と薬草を売り、依頼の報酬を受け取り帰宅をした。
薬草は、もう要らないんじゃないの? 残りは、来年のアリアの常時依頼のポイント獲得の為に、取っておっけば良いと思う。俺が売るメリットは、殆ど少ないし魔石だけで十分だしなー
このまま行くと、明日辺りにD級に昇格してそう……1ヶ月も経ってないのに昇格か……目立ちそうかな? 普通はパーティを組んで魔物や魔獣を1日平均5体を討伐してって感じらしいけど。俺は8〜10体を毎日討伐報告して報酬を一人で得てるので、丸々ポイントを独り占めしてる。
パーティを組むと大抵は報酬のお金、ポイントはリーダーが働きによって分配を決めてる所が多いい。良いか悪いか分からないけど、平等に分けているパーティもあるらしい。だが肉体労働が多い前衛が、不満に思い他所のパーティへ移っていくと聞いたことがある。
俺は、アリアとミーシャと平和に暮らしていければ、報酬だけ貰えれば文句はないかな……ランクとか興味ないし。
「アリアー、薬草を売るのを止めようと思うんだけど良いかな?」
「え!? なんでー? 食費の足しにして良いのに?」