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第20話 冒険者ギルドを出ると……

 SS、S、A、B、C、D、Fとランク分けされている。俺は、駆け出しの冒険者のDランクになった。ポイントを貯めていれば自動的にCランクに昇格出来るシステムだ。


 Fランクのアリアは、常時依頼の討伐や薬草を摘んでも依頼達成のポイント、報酬は貰えない。だが魔石の買い取り、薬草の買い取りはしてもらえるけど……なんか損した気分になる。もらえる筈のポイント、報酬が貰えないのだから。なので今回は、薬草も1週間分をアリアからの申し出で、俺が売って捨てる筈だったポイントを貰った。


 ギルドを出て買い物は、せずに帰る時にシャルに会ってしまった……



「ユウくんっ! ヒドイよっ!」



 はぁ。面倒い。まぁ……ちゃんと別れてスッキリさせて起きたかったから良いけどさ。場所を移動して家の近くの倒木している木に座り話をした。



「置いてくなんてヒドイじゃん!」


「俺は待ってたけど? 1時間後に待ち合わせしてただろ?」


「……それは魔石をギルドに売りに行ってて、混んでて遅くなったんだよっ」



 へぇ……また、嘘つくんだ? 俺もギルドに魔石と素材を売りに行ってたんだけど?



「ふぅ〜ん……俺もギルドに行ってたけど?」


「時間が違うんじゃない?」


「そうかもね……」



 俺がそう言うと疑いが晴れたと思ってシャルが、ニコニコな表情になっていた。



「帰るんでしょ? わたしも一緒に行くよ」


「約束を守らない人とか、ウソを付く人とは一緒に行動は出来ないし無理だって」



 約束を守れない人は信じられないし。特に秘密を守れない人は、うちのパティには入れられないって……。秘密が多く、隠しておきたい事が多い。記憶の操作は出来ない。がが俺とアリアの魔法に関する事、スキルに関する事の記憶を消す事は出来ないけど、強制的に忘れさせる事ができた。



「は? 遅れたのは仕方ないでしょ? ギルドが混んでたんだからさ」


「約束してた時間にはギルドには居なかったでしょ? 売る時間が違ってたのは、その通りだと思うけどさ」


「ギルドに居たし!」


「それはウソでしょ? 村の広場の隅で男の子と仲良く話ししてたのを見掛けたし、剣の事は秘密だって言ったよね? 剣の事を自慢してたのも見ちゃったし……魔石も自慢してたしさ」


「……ごめんなさい。たまたま出会っちゃって自慢したくなっちゃって……」


「別に、どうでも良いけど。全然、会ってないって言ってたけど、恋人みたいに仲良いじゃん。寄り添ってたしさ……」



 渡したネックレスも回収しておいた。



「そんな事無い! ユウくんの方が好き」


「この話は、お終い。シャルを同じパーティに入れられないから。その男子と仲良くして同じパーティに入りなって。じゃあね」


「ちょ、ちょっと待って……」



 慌てて目をうるませて抱きしめようとしてきたので、逃げるように転移で帰宅した。


 俺が好きというか、俺の転移が安全で便利だからって感じだよな……。それに討伐が好きって訳じゃ無さそうだし。父親が冒険者で憧れて始めて、剣術を始めて運動神経が良くて才能があると言われ続けて、冒険者で稼いで暮らしていくって道しか残されてないって思ってるんだろうな……



「ただいまー。はい、これ薬草の売れたお金ね」



 薬草も種類が豊富で、収納で保存をしていたから劣化が無くて高値で売れた。



「え? こんなに?」


「鮮度も成長の具合も丁度良いって言われたぞー」


「また、いっぱい採らないとだねー」


「まだまだ在庫が、大量に残ってるぞ?」


「え? 全部売ったんじゃないの?」


「いやいや……あんなに大量の薬草を売りに出したら……怪しまれるし、困るだろ」



 他の森だと少ししか採れないから高値で売れたのに、それを大量に売りに出したら……場所を知りたくなるだろ。後を付けられたり、脅されたりするんじゃないか?



「そうだよね。わざわざ、ありがとっ」


「午後は、休みにするかー。魔獣の討伐は、月に1回で良いって言われてたしなー」


「わぁーやったー! 休みだぁ~♪」



 アリアが意外に喜ぶので、そんなに討伐が大変だったのかと心配になった。



「そんなに討伐が、大変だった?」


「うぅ〜ん……そうじゃなくて、お菓子作りとか洗濯とかもしないとだし」



 あぁ。そういう事か! 一緒に住むなら、家事もあるんだよな。色々と考えておかないと、全部アリアが一人で引き受けて勝手にやったいそうだよな。分担も決めておかないとな!



「あぁ……洗濯なら俺の魔法で直ぐにできるし、俺の担当で良いぞー。アリアは、お菓子作りしててよ」


「えっ!? 悪いよ……それにユウくんに……下着を洗ってもらうのは……ちょっと……」



 顔を赤くしてモジモジして言ってきた。そういえばアリアには洗浄魔法を使った事も、見せた事も無いか。恥ずかしがってるアリアに洗浄魔法を掛けた。



「はい。キレイになったぞー」


「はい? ……わぁっ。ホントだ……あれ? 体もサッパリしてる……♪ ありがと」



 ついでに、近くでアリアの手伝いをしていたミーシャも洗浄魔法でキレイにした。


「わっ。はぅ……気持ち良い……サッパリー♪ もぉ〜魔法を掛けるなら言ってよー! ビックリするよー。でも、ありがとぉ♪」



 3人で仲良く昼食を食べている時に、アリアが不思議に思っていたらしい事を聞かれた。



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