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第19話 シャルの行動

 シャルがムキになり怒っていた。一応、理由を話しておいた。まったく……連携プレーを理解してないっぽいね? やっぱりシャルには連携は厳しいかなぁ。



「えっと……離れた場所から、ミーシャとシャルの様子を見てたんだよ。それで困っていそうなら助けて、攻撃を受けていたら治癒魔法で回復をしようと思って待機してたんだけど」


「……そっか……ごめんね。いつもの感じで、討伐の後は気が高ぶってて……ケンカするつもりも、怒らせるつもりは無いよ。気にしないで……」



 そんなに魔獣の討伐がツライなら、討伐に参加をしなければ良いのに……。やっぱりシャルは、周りの空気を読まないじゃん。3時の休憩って言ったけど……シャルの行動でパーティの和を乱して気不味い空気にしている。ミーシャが完全に怯えちゃってるじゃん。それにアリアも気不味そうにしてるし。


 今日は、終わりにして帰るかー。シャルも一旦、家に帰らないとだろ……? 急に家に、帰ってこなくなったら両親が心配するだろうしな。


「そうだ。今日の討伐した魔石を渡すわー」


「わたし、ユウくんに任せるよ。ここで暮らすんだし……必要な物が出た時にお願いするね。薬草のお金で十分だし……変に思われちゃうし」


「わたしもー、食べて寝られるし、ベッドがあれば良いー」


「わたしは……、家にお金を渡したいし」



 シャルが魔物と魔獣を討伐をした魔石を渡した。



「じゃー、帰るかー」


「今日の討伐は、お終いで良いのかなぁ?」


「大丈夫でしょ……かなり討伐出来たんじゃない?」



 皆で倒した魔獣や魔物を眺めて納得をした。


 家に帰宅をした。アリアとミーシャが、おやつの準備を始めた。シャルは、疲れたようで動けずにすファーに座っていた。



「そう言えば、家に帰って両親に報告しなきゃだろ?」


「あーうん。そうだね」


「送っていくぞ」


「うん。ありがと」


「じゃあ迎えは、明日の朝で良いのかー?」


「ううん。1時間後でお願いね」


「それじゃ行くか」



 アリアとミーシャにシャルを一旦、家に送っていくと話した。それから念の為に、家の周りに結界とバリアを張ってあるのを確認をしてから転移で村へ帰る。



「それじゃ行ってくるねー」



 シャルが家に帰ったので、ギルドへ向かった。ギルドに着くと魔石と素材を、怪しまれない程度を売って常時依頼の魔獣の報酬を貰った。


 そう言えば、おやつも欲しいだろうな……お菓子と果物、砂糖と……あと、何が必要なんだ?

 お菓子の材料が分からなかったので、店の人にお菓子作りに必要そうな物を聞いて購入をした。気付くと1時間を過ぎていたので、慌てて待ち合わせ場所に向かった。


 待ち合わせの場所に向かう途中で、シャルを見かけた。シャルが仲は、そんなに良くないと言っていた奴と仲良く話をして居る所を目撃した。更にシャルが、剣の自慢をして楽しそうに話をしていた。


 剣の事は秘密だって言ったのに……


 他の人に知られると後々面倒になるので、付与していた効果を全て無効した。明日には元の剣に戻るようにスキル無効を組み込んでおいた。それと付与は全て無効にしてあるので、すでに見た目だけの剣で明日には元の剣に戻っていて大慌てするだろうけど、自業自得だ。


 自分で1時間後って言ったのに既に30分過ぎてるし……さてシャルとは、これでお別れだな。


 シャルを残して、一人で帰宅をした。



「ただいまー」


「あれ? シャルちゃんは?」


「あー。なんか仲の良い男子と仲良く話してて、30分待ったけど戻ってこなかったし……。秘密にすると約束をしていたのに、剣の自慢をしていて約束を守らなかったから置いてきた」


「……そうなんだぁ……。仲良くなれると思ってたのになぁー。でも、付与の事を知られちゃったら、大騒ぎになっちゃから困るよね」


「それは大丈夫。付与は、全て無効にしておいたから、ただの剣になってるよ」



 アリアは、先の事まで考えてくれるので話が早くて助かる……。俺と考えが近いので、相性が良いと思う。



「あの、お姉ちゃん……コワイー。ユウちゃんに怒ってたしーキライー!」



 久し振りにミーシャがムスッとした表情をしていた。俺の為にムスッしてくれてると思うと嬉しい。



「あ、そうそう……アリアってお菓子作りって出来る?」


「うん……簡単なのなら出来るよー」


「そっかーミーシャ。喜べ、明日からオヤツが食えるかもだぞ?」


「わぁ……ほんとー? にひひ……♪ 楽しみーっ!」



 嬉しそうに俺とアリアに抱き着いてきた。



「今日は、オヤツ何を食べたんだー?」


「えっと……わたしが、家から持ってきた焼き菓子だよ」


「あ〜そう言えばアリアの家って……お金持ちだったんだよな」


「え? そんな事はないよ」


 俺の家で焼菓子なんか食べたこと無いし、山で採れた果物とか貰った果物だな。一般家庭じゃ、砂糖を使った物は高くて買えないだろ。おやつの時間に数千円する物を毎日、買ってられないだろー。この世界じゃ、流通の主力が馬車で少ししか運べないし。暑いと溶けてしまうので、砂糖は高級品扱いだ。

 それをさっき大量に買ってしまったけど……。魔石と素材と報酬で結構な額を稼げてたし、自分も含めて皆へのご褒美って感じだ。



 翌日……


 午前中の討伐が終わり、帰宅をするとミーシャが思い出したように家を飛び出していった。戻ってくるとカゴを2つも抱えて持ってきた。



「ごめんなさい……。昨日の食材を運んでくるのを忘れちゃったー」


「あぁー。そう言えば、貰ってなかったな」



 食材は使い切れなくて、異空間収納に溜まってるので1、2日くらい貰えなくても問題がなくなってる。それに魔石や素材も俺達の自由だし助かるよ。


「ありがとなーミーシャ。昨日は、忙しかったし仕方ないだろ」


「助かるよー。ミーシャちゃん」


「えへへ……わたしは、運ぶだけなんだけどねー」



 っていうか。忘れていても取っておいてくれていると言うより、新しい食材を2日分を新しく用意をしてくれている感じで、両方とも新鮮で気が利いているというか律儀だね。


 アリア達が、食事を作っている間にギルドに行ってきた。魔石と素材を売らないと溜まりすぎていた。1週間分の量を売りに出したが、変に疑われる事も驚かれることも無かった。

 これって……毎日、ギルドへ来なくても良いのかもな。報酬も1日でという換算じゃなくて1体換算なのでポイントもかなり貯まってきた。


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