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第16話 シャルの剣を魔改造した。

 付与が終わると、俺の手に剣がフワリと現れシャルが、また驚きの表情になっていた。



「あ、あのさぁ……わたしの剣は……?」


「ん? これだけど?」


「え? えっと、形が違うし……そんな高そうな剣じゃないよ?」



 シャルが首を傾げて聞き返してきた。そりゃ形状が変わった剣を返されても困るか。



「え? あ、確認を忘れてたけど……やっぱり思い出の剣だったり? 親からのプレゼントだったよね?」


「え? あぁ……うん、でも別に良いんだけど。お金が出来たら買い替えるつもりだったけど……それ高そうだよ?わたしにプレゼント? ねぇ……?」


 シャルが嬉しそうな顔をして聞いてきた。高そうな剣になって喜んでいるみたいで良かった。



「まぁ……プレゼントとって言えばプレゼントだな」


「魔石も高そうで格好良いし、軽そうで使いやすそう!」



 前の剣だとシャルが使うには重そうだったし、斬り掛かって、直ぐに防ごうとすると重くて直ぐに反応ができても、剣が重くて反応をしても追いついていなかったし……昔ね。


 なので軽量化をして剣捌きを重視して、ついでに見た目も豪華にしてある。まぁ……軽量化をすると剣の重量が無いので攻撃力が大幅に低下してしまい、当てるだけなら問題は無いけどね。だけど、この剣は斬れ味上昇が付与されてるから、当てるだけで普通の魔物や魔獣は斬れると思う。


 軽量の剣で魔獣を斬って倒すなら普通は、腕力が必要になってくる。だけど絶対切断を付与してあるので当てられれば腕力は必要なくスパッ!と斬れるので問題は無い。



「で……言う事はー?」


「ユウくん……ありがとぉ♡  えへへ……恥ずかしいっ!」



 シャルが恥ずかしそうに、素直にお礼を言ったので剣を渡すと身構えて受け取ろうとしていて、受け取ると思ったより軽くてバランスを崩して転びそうになっていた。



「わぁっ! え? これ……軽すぎるって!」



 シャルは剣士なので、剣の重さの重要性を理解してる。



「これじゃ……魔物や魔獣に当てられるだけで、倒せないよ?」


「ま〜当てられるなら十分に倒せるようになってるって。午後に討伐に行くから試してみて?嫌なら元に戻すしさ」


「……う、うん」



 そう言われても不安だろうけど、実際に不安そうな表情をしてるし。



「ミーシャ〜。ミーシャにもプレゼントと買ってきたぞ〜」


「わぁっ! え? なになにぃ〜? 美味しいのぉー?」


「美味しくは無いけど……着替えは必要だろ?」


「わー♪ うん……必要だねー可愛い……着ても良い?」


「うん。着替えて来なよ」


「うん。着替えるー」



 その場でワンピースを脱ぎ始めて、可愛いハート柄のパンツ姿になり嬉しそうに新しいワンピースに着替えた。



「かわいー?」



 アリアがアワアワして、焦った表情をしていたが着替え終わったシャルを見てニコニコしていた。



「ミーシャ。ここで着替えないで部屋で着替えないと」


「えー。だって面倒ー! 誰も居ないしー」



 え? 俺が居るんですけど?



「ここは、リビングだし誰かが入ってくるかもだぞ?」


「あっ! うん……気をつけるー。ありがとぉ〜ちゅっ♡」



 ソファーに座る俺に抱き着いてきて、頬にキスをされた。ここまで喜んでもらえて嬉しくてミーシャを抱きしめ返した。



「似合ってて良かったよ。それに喜んでくれて嬉しいよ」


「ううぅ……ミーシャちゃんだけズルいよぉ〜」



 頬を膨らませたアリアが、隣で俺を見つめてきた。



「おいおい……ミーシャにボロボロのワンピースを着せておくつもり?」


「そうじゃないけどさー」



 ホントにシャルは変わったなー。昔なら、わたしも!欲しいーって言ってきたと思う。



「昼食を食べて午後の討伐に……って……シャルは冒険者登録は?」


「終わってるよ?時間あったしさ」



 アリアとミーシャが食事の用意をしてくれている時に魔獣の事を話した。



「あ、ここの森は大体は低級の魔獣だけど、中級、上級が少し混じって現れるからね」


「は? えぇ……それダメじゃん! あ……その時は転移で逃げるのかぁ……」



 一瞬、慌てて俺の能力を思い出し、安心した表情になった。


「逃げないよ? 多分、余裕で倒せると思うよ。まー無理そうだったら俺の方へ逃げてくるか、声を掛けてね」


「へ? えぇ? ユウくん……そんなに強くなっちゃったんだぁ……」


「そりゃ……俺達は、ずっとここでレベル上げしてたからね」



 超ウソだけど……討伐は2日間だけだけどさ。相談もナシで冒険者を止めようとした仕返しだ。



「ううぅ……ゴメンてばぁ……。わたしも強くなる!」


「それは問題ないって、その武器があれば倒せると思うし……先ずはアリアのお手伝いを頼むなー家事とか」


「あ、うん。行ってくる」


 入れ替わりでミーシャを呼んだ。ミーシャにも念の為に、同じ様に色々と付与した双剣を渡しておいた。



「わぁ! えへへ……格好良い! わたしも闘って良いのー?」


「俺の近くでな? 離れるなよ」


「はぁい♪」



 ミーシャは魔獣がコワくないのか? 恐怖心が無さそう……両親が魔獣に殺されていて、トラウマになっててもおかしくないと思うんだけど。



「ミーシャは、魔獣がコワくないのか?」


「コワかったけど……。ユウちゃんが倒してくれるし、守ってくれるからコワくないよ」



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