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第12話 ミーシャの予定は?

 えっと……臭いは無くなったけど、ボロボロのワンピースじゃ可愛そうだし。所々破れていたり穴が空いていたりしてエロい……。

 昼に服を買いにコッソリと村に戻るか……。ついでに家に戻って、親に「しばらく家に戻れない」って伝えておかなきゃだな。



「ミーシャの予定は?」


「ないよー」


「普段は、何してるんだ?」


「えっと……村を彷徨いてるー。お腹が空いたら、最近は森に入って小さな動物を捕まえて食べてるー」


「は? 危ないから、もう森に入るなよっ。昼は一緒に食べような」


「うん♪ 一緒に食べるー。ユウちゃんは何処か行くの?」


「魔獣の討伐に行く予定かな」


「わたしも行くー」


「ミーシャは、武器は使えないだろ?」


「ううぅ……使えないぃ」


「魔法は?」


「使えないー! もぉ……つまんない! ユウちゃんと一緒に居たいー!」



 あれ? 昨日と一転して、結構……懐かれてる? 一緒に連れて行っても良いけど……大人しくしてられるかな?



「一緒に連れて行っても良いけど、大人しくしてろよ?」


「はーいっ! 大人しくするー」


「じゃあ。アリアを迎えに行くから、ここで大人しく待ってて」


「わかったぁ……」


「居なくなってたら置いてくからなー」


「大人しくしてるよッ」



 ミーシャと朝食の後片付けをして、時間があったのでソファーに横になった。すると部屋に戻っていたミーシャが暇そうな表情をして出てきて、ソファーに座りたそうに俺の前に立っていた。



「ユウちゃん、ひまぁぁー」



 そう言うと俺の隣に勢い良く座り、俺の膝の上に頭を乗せて寝転がってきた。



「昨日は睨んできてたのに、今日は甘えてくるんだなー?」


「だってー。知らない人が勝手に、わたしの家に入ってるんだもんっ」



 そりゃそうだよな、両親が亡くなって家を追い出されたんだし。納得できないだろうなぁ。



「そりゃ……睨みたくもなるよな」


「ごめんね~? ユウちゃんなら住んでも良いよー」


「そっか……じゃあ一緒に住もうな」


「うんっ♪ 一緒に住むー♪」



 膝枕をしていたミーシャが、俺の背中に腕を回してきた。お腹に抱き着いてきたので、ミーシャのサラサラの銀髪が俺の目の前に来たので頭を撫でると癒やされた。



「はぅ……♡ 久し振りに頭を撫でられたぁー♪  あぅ……耳だめぇ〜♡ くすぐったぃ……んっ……キャハハっ♪」


「ごめん。獣人の人と仲良くしたの初めてで……耳は触っちゃダメなんだな。覚えておくな……」


「ううん。別に……ユウちゃんなら良いけど……ちょっとくすぐったいのぉっ」



 初めて獣人の子と触れ合っているので、耳が気になるのは仕方ないだろ……


 なるべく触らないように頭を撫でてると寝息が聞こえてきた。昨日は、夜遅くまで起きてたしな……しばらく寝ているミーシャの頭を撫でて起きるのを待っていた。



「ふぁぁ〜……ユウちゃん。おはよー」


「良く寝てたなぁ」


「えへへ……気持ち良くて……寝ちゃったぁ」


「俺は、そろそろ友達を呼んでくるな」


「あぁ〜昨日、一緒に居た子?」


「そうそう」


「わかったぁ……」



 森が近いし、念の為に結界を張っておきアリアを迎えに転移で移動し村までやってきた。



「アリア、早いな〜」


「えへへ……楽しみで早く来ちゃった」


「あのさ……」



 ミーシャの事情を話した。



「ふぅ〜ん……」



 いつものアリアの反応と違う感じで話を聞いていたけど、最後の方は目を潤ませ聞いていた。



「そっか……うん。わかったぁ……それは仕方ないよね……可哀想だね」



 納得してくれたので家まで転移で帰ってきた。



「ユウちゃんっ!」



 笑顔のミーシャが駆け寄ってくると、アリアも反応してミーシャに駆け寄ってミーシャの手を握った。



「わぁっ。え?なに?」


「ミーシャちゃん、わたしが一緒に居てあげるからね」


「え? あ、うん……ありがと〜?」



 手を握られて戸惑っていたミーシャが笑顔で返事をして、俺を見つめてきた。あ、そっか……紹介をしてないか。



「俺のパーティのアリアな」


「アリアちゃん、よろしく……」



 あれ?ミーシャが急に大人しくなってるし……。ミーシャも人見知り? アリアも人見知りなんだけど大丈夫なのか?



「それじゃ早速、出発をしようか」


「え? ミーシャちゃんも一緒に?」


「一人にしておけなくて……。一人で森に入ってたんだってさ」


「えぇ……ダメだよ? 危ないよぉ」



 アリアにも注意をされて俯いてしまった。



「えぇ……あ。わぁ……えっとぉ……怒ってるんじゃないよ……。心配で注意したと言うか……その……」



 珍しく、ちょっとキツめに注意をしたアリアが慌てだした。



「えっと……アリアはミーシャを怒ってるんじゃないから落ち込むなよ?」


「ごめんなさい……森には、もう一人じゃ入らないぃ……」



 目をウルウルさせたミーシャが、俺に抱き着いてきてアリアにも抱き着いていた。



「キツく注意しちゃってごめんね」


「ううん。危ないんでしょー?」


「魔獣が出るから危ないよ」


「わかったぁー」



 家を出ると直ぐに森なので、行き来がラクで良いなぁ……薬草も取り放題だし。因みに、こっそりと村長の許可も得ていた。俺達の家の森の方は、魔物が最近は多く現れるようになったらしい。なので村人が近づかないらしく、薬草を採る者がいなので自由にして良いと言われてる。



「あ、そうだ。薬草を採り放題の許可も貰ったよ」


「えっ!? わぁ〜すごーい! ここいっぱいあるよ!」


「ん? アリアちゃん何を喜んでるのー?」



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