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第2話 初めての危機。

 色々と遊び、冒険をしていると月日は流れ13歳になりシャルも本物の剣を扱えるようになっていた。



「ねぇ〜。最近、低級の魔物とか魔獣の討伐は余裕だよね?」


「毎日、飽きずに森に通って討伐もしているし、俺達も少しは強くなったんじゃないかな」



 シャルが、多少だが本物の剣を扱うのに慣れてきていたので、普段も帯剣をして良いと父親から許しを得られていた。なので毎日飽きずに、森へ通って低級の魔物と魔獣を倒していた。



「だよね、だよね〜。今日は、少し違う所に行ってみない?」


「はぁ? ダメだって。まだ危ないって」



 シャルが、言い出すと人の言う事を聞かないんだよな……面倒だよな。



「大丈夫でしょ。危なくなったら、ユウヤの転移があるしさ」


「はぁ〜? 危なくなったら、直ぐに帰るからね」


「分かってるってば!」



 最近では、低級の魔物や魔獣を倒せるようになっていたので、二人で調子に乗ってしまった。普段は、近付かなかったダンジョンの近くまで来てしまっていた。



「この辺に現れる魔獣は楽勝だね!」


「まぁ〜低級っぽいしね。でも、この先はダンジョンがあるから中級の魔物や魔獣も現れるようになると思うよ」


「中級か〜楽しみかも!」



 ダンジョンの中は、危険だとお互いに理解していたのでダンジョンの中には入らずに、ダンジョンの近くを彷徨いていた。


 すると、突然シャルが視界から消えた。地底に落ちる様なシャルの叫び声が、地面の中から聞こえ遠ざかっていく。慌ててシャルの気配に、バリアを張り衝撃に備えた。



「キャァーーー!!!」


「シャルー!!」



 ドカンッ! と言う着地した音が鳴り響いた。無事を確かめる為にライトの魔法で地底を照らすと、シャルの周りにウジャウジャと魔物や魔獣が大量にうごめいていた。低級から上級の魔物達が、シャルを取り囲み攻撃をしていてバリアが耐えきれそうにない。



「シャルー大丈夫かー!?」


「キャァーーー!」



 シャルは悲鳴を上げて、気絶した様でシャルの声が聞こえなくなり倒れて動かなくなった。


 シャルを転移をさせたくても、シャルとの距離が離れ過ぎていて、今のレベルだとキツイ。考えている間にもシャルのバリアが破壊されてしまいそうな状況だった。


 自分にバリアを張り地底に自ら飛び降りると、とっさに思い付きで辺りの魔物の魔石を転移させアイテム収納に回収すると……レベルが勢い良く上がり始めた。レベルが上ったと知らせる音が頭の中でずっと鳴り響いてうるさい。


 レベルが上がった事で、転移をさせられる範囲が格段に広がった。地底にいる辺り一帯の大量の魔物の魔石を転移させ回収すると、更にレベルが上り続けていた。


 地底に着地をすると、見た事もない魔物や中級や上級の魔物も多く居て、普通に戦闘をしていたら確実に死んでいた。それにバリアが無かったらと思うと恐ろしい。


 はぁ……死ぬかと思った。あ、この魔物の死体の数は不味い……えっと低級の魔物を6体くらいを残して、他の魔物の大量の死体を地中に転移をさせておくか。


 俺の能力をシャルに知られたら、今回みたいなムリな冒険や魔物の討伐をしたがると思うし。色々と面倒なことを言い出しそうでコワイ。


 シャルを抱きかかえバリアを解除をすると……ワンピースのスカートが濡れていた……え? あ、えっと……どうしよ……



「んっ……あっユウヤ……わっ! な、何してるの? なんで抱きかかえ……あぁ〜。わたし……穴に落ちて……きゃぁ! 下ろして、下ろしてってばぁー! ご、ごめんね……あぁ……腕が濡れちゃってるよ……ごめん。ううぅ……はぅ……」



 珍しくシャルが恥ずかしがっていて、顔を真赤にしてオロオロしていて周りを見て我に返った。



「ん? あれ? 大量の魔物が……居なくなってる?」


「あ、それなら倒したけど? そこに倒れてるでしょ」


「ん……? そんな見慣れた魔物で気絶しないよ……毎日、見てて見慣れてるし。もっと見た事なくて、もっと上級の魔物で……ううん。何でも無い……。それよりちゃんと腕とか洗ってよ……それ……」



 シャルが目を逸らして、チラチラと俺の方を恥ずかしそうに見て言ってきた。



「分かってるよ」


「むぅ〜……なんでユウヤが顔を赤くしてるのよ! えっちぃ〜! ばかぁ……」



仕方ないだろ……好きな人のだし……エロいじゃん。



「助けたのに〜文句ばっかりだな?」


「ん……ありがとって、お礼言ったぁー!」



 外に転移をした感じ……さっきまでギリギリって感じだったのに、転移をしても魔力の消費も微量だ。明らかに魔力量に余裕があり、魔力量が莫大に増えた感じがする。それに許容人数、許容量と適用範囲が、異常に拡大している感じがする。ここから家まで距離があるけど余裕で帰れそう。まぁ秘密だけど……



「わっ。急に転移させないでよ……明るい外は恥ずかしいって……」


「恥ずかしいって最近まで一緒に水浴びしてただろ〜?」


「はぁ? 最近じゃないし……。10歳の時でしょ! ば、ばかぁ……それにワンピース濡れてるし……もぉ……」



 シャルが恥ずかしがって俺に背を向けて、文句を言っていた。



「久し振りに水浴びして帰るか〜?」


「水浴びは、するけど別々にねっ! ふんっ」


「何で怒ってるんだよ!」


「わかんないっ!」


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