「これぐらいで大丈夫だろ」
俺がそう言い炎蛇を消すと、トレントの体は燃やされており完全に力尽きていた。
しばらく経ったあと、ようやくトレントの体を燃やしていた火が消えていく。
そんな様子を見て俺は完全に倒せただろうと判断し、リサの元に駆け寄る。
リサは壁に激突した衝撃でぐったりしているが、ユキが介抱してくれていた。
「た、倒せたの? あのトレント」
リサは心配した表情で俺にそう聞いてきたので、俺はグッと親指を立てて笑う。
するとリサは安心をしたのかふにゃっと笑うのだった。
「ユキもありがとう」
リサは安心しきっていたのか、ユキにお礼を述べる。
するとユキは照れ臭そうに少し顔を赤らめていた。
「べ、別にいいわよ、それはそうとリサの攻撃も見事だったわ」
そう言ってリサの攻撃を褒める。
先ほどのトレントの攻撃は俺やユキにとって予想外であったし、いくらAランク探索者といってもあそこまで対応できない。
「一応リサに回復アイテムを幾つか渡しとくから、使ってくれ」
俺はそう言うと、ステータスを開き、アイテム欄から回復アイテムを2つ取り出して、リサに渡した。
俺が渡したのはヒーリングポーションだ。
ダンジョン内周辺に生えている薬草を調合したもので、効果は即時回復。
毒や麻痺に対しては効果は無いが、疲労などの状態を回復させることが可能だ。
ポーションを受け取ったリサはそれを飲むと、すぐに効果を実感したようで嬉しそうな表情をしていた。
ちなみにヒーリングポーションの他にもMPを回復させるアイテムがある。
MPは魔法を消費すると減るので、俺は適度に飲むようにしている。
ダンジョン内で薬草を見つけたら優先して採っているので、今のところは枯渇することはないがな。
そしてポーションである程度回復したのかリサもすでに立ち上がっており、早速ダンジョン攻略を再開することとなった。