ここは10階層にいた普通のダンジョンの見た目をしている。
つまりここは普通のダンジョンだということなのだろう。
「さっきのステージってなんだんだったんだ」
「もしかして裏ステージ的な感じなのかな」
《裏ステージ、もしかしてあの分かれ道で裏ステ行ったのかw》
《まあパイソンの牙とかアイテム取れたし良いんじゃない? 登録者も増えたし》
《確かにそうかも》
《てことはここから楽になるってことか!》
コメント欄では裏ステージという結論に至ったようだった。
確かに黒い扉だったし、裏ステージという風にも考えられる。
まあパイソンを倒したことで牙とかも取れたため、良いステージだったと俺は思っている。
そして俺たちは探索を続けるのだった。
12階層をしばらく歩いていると、そこでは見覚えのある魔物が現れる。
《ゴブリンだ》
《あのパイソンに比べたら弱すぎるぞ》
《この階層は特に苦戦することなくいけそうだな》
ゴブリンは大したスキルを持ち合わせていないようで、初級や中級ダンジョンに棲む魔物らしく序盤の雑魚として有名な魔物らしい。
「リサは少し下がってろ」
「わ、分かった」
俺はリサにそう言いながら、ゴブリンに立ち向かっていく。
《水魔法 レベル1 水弾》
俺の放った水の魔法はゴブリンの体に直撃する。
《すげええ》
《何発か当ててたな》
《めっちゃ正確な魔法だ》
《流石クロ氏!》
《水魔法って地味だけど結構強いよね》
《レベル1でこれだったら上があるときはどうなるんだ……》
《やっぱり正確に攻撃を当てるのは水魔法が1番だよ》
俺は水魔法を放ちながら、的確にゴブリンに当てていく。
全てのゴブリンを倒すと、再び探索を開始したのだった。
「あんまし強くないな、12階層」
《いやいやクロ氏が強すぎるだけ定期》
《まあでも、クロ氏が強すぎるってのもあるのかもしれないな》
《クロ君、魔法を的確に当てれるの本当に凄いな》
コメント欄で俺のことを賞賛する声が上がってくる。
するとリサが声を上げた。
「あ! 13階層の階段見つけたよ!」
リサはそう言うと、上機嫌な様子で俺の隣に立つ。
13階層へ行くことが待ち遠しいようだ。
そして俺らは13階層に足を踏み入れようとした時、後ろから声を掛けられる。
「あなた達がクロとリサ?」
後ろを振り向くとそこには1人の女性が立っていた。