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第33話 ミッション・イブ・ポッシブル②

【――C'zの『いつものメリークリスマス』でした……おっと、イルミネーションがやっと灯った。モミの木に洒落たデコレーションがいっぱいある。見せられないのが残念。虹があらわれて? その上をトナカイが楽しそうに走ってゆく……さて、

 君たちは既にビルの30階に到達しているね。そこからエレベーター設備の空洞を縄ばしごで twoツー floorフロア 降りれば問題の場所。そこから下の sevenセブン floorフロア は、二分割されているくらいしか情報のない未知の空間だ。健闘を祈る。では退屈しのぎにイブに相応しい美しいデュオを……コブ〇ロで、〇星――】




          『うっせぇ! 選曲が微妙に一昔前ひとむかしまえなんだよっ!』







→→→→◎◎     

     ↓

     ↓            ぞろぞろ

     ↓

     ↓    ツルッ      『滑る滑る』 

     ↓

     ↓                    ギィィ   

     ↓

カ    ↓ 『どこが楽なミッションなんだ?』

タ    ↓

カ    ↓           『あいつ完全にふざけてる』

タ    ↓

カ    ↓

タ    ↓ 

カ    ↓     

タ    ↓                   ハァハァ

カ    ↓

タ    ↓            クルクル     

カ    ↓               

タ    ↓  

     ↓

     ↓ 『青木さん揺らすな!』    ゆっさゆっさ

     ↓

     ↓          『揺らすなつってもよ』

     ↓

     ↓  ギュッ 『頭を践むなっ!』

     ↓

     ↓                 『ごめん江さんっ』

     ↓

     ↓           どくん     どくん

     ↓

     ↓ ガシッ ガシッ 

     ↓(黙々と降りるカシスボーイズ)

     ↓                     ハァ

     ↓

     ↓             ギィィ

     ↓

     ↓

     ↓『底が真っ暗……落ちたら死ぬな』『死んだら殺す』                 

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓    ヒュウウウウウ     ハァ      

     ↓     

     ↓           『握力無くなってきた』             

     ↓                    ユラユラ

     ↓   『揺らすなって言ったよな?』      

ウ    ↓

ィ    ↓                         

|    ↓

|    ↓              ドゴオォオンン!! 

|    ↓『なんか落とした?』………カンッ                 

ン    ↓           

     ↓               『手が挟まれてる』  クッ!     

     ↓       

     ↓

     ↓        『痛いっ』       イライラ

     ↓                 

     ↓ キュィイン

     ↓        

     ↓

     ↓         ガン!!   『なんか当たった』

     ↓

     ↓          ドキドキ

     ↓                       

     ↓     ミシ

     ↓

     ↓              ハァハァハァ

     ↓

     ↓                   ぐるぐる

     ↓

     ↓          

     ↓         ハァハァ

     ↓

     ↓  し~ん                    

     ↓

     ↓                   

ヒ    ↓

ュ    ↓                ゴォオォオオォ

ウ    ↓

ウ    ↓               

ウ    ↓                  

ウ    ↓                   ガクガク

ウ    ↓      キリキリ

ウ    ↓

     ↓             シャッタ

     ↓

     ↓

     ↓        ハァハァ

     ↓

     ↓                  ハァ

     ↓

     ↓           

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓                     ハァ

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓  

     ↓       『助かった』『やりぃ』『……』    

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

    ◎◎




         ガシャン! ギリギリ~ぱかっ。




  (すとっ)(すとんっ)(ト‥ン)(っどかっ!)




『ふぅ~』







 そこはあまりにも無機質な空間だった。廊下らしき床は潤んだ瞳のように艶やかで両側を鈍色にびいろに輝く金属の冷たい壁で囲われている。人の気配は微塵もない。


 唯一、通路向こう側の端に円形のステップらしきものが見える。


「どうやらビルの内階段とは別に独立した階段があるようだな」

 青木がそのまま進もうとする。


「待ってくれ。常駐してる人間が居る。情報からすれば相手はヤクザだ」

「つっても2人だろ? おまえさ、俺が丸腰でここに来たと思ってんの? こっちは新宿でいつも切った張ったやってんだ。クワガタ虫がクワガタ怖がってどうすんよ」

「手荒なことはしない約束だぞ、青木さん」

「わかってる。兄貴に念を押されてる。第一、チャカなんかを持ち出すまでもない。この3人のガタイ見てみろ。アメフトの全国レベルだぞ? 不摂生なヤクザなんぞ、はなから問題外の瞬殺だ。さぁ早いとこそいつ等ふん縛って、そっちは拷問、こっちは宝探しだ」

 青木の本性が透けて見えた気がする。こいつは粗暴すぎる。



 さりとて、ここに留まるわけにもいかない。結局は、青木を先頭に廊下を進む。


 その螺旋階段は直径4メートルほどで、半周してから逆方向にもう半周する構造になっている。ワンセットで一階分、降りたことになるらしい。

 しかし下のフロアも、先ほどのフロアとまったく同じ状況だった。


「ヒロユキ……」

 不安そうに土気色になった顔で、ジャンさんがつぶやく。


「心配すんなって、大丈夫だ。羅森ラシンからいくら貰った? どうせそんな大した額じゃないんだろ? 俺がその二倍だしてやるよ。どうせ使い道もねぇし」


 そう言うと、江さんの目に爛々たる光が戻った。……ったく。


「どうやらここはフロアを跨いで、でかいひとつの部屋のようだ。どこかに入り口があるはず……」

 俺たちはチェックしながら3フロアを一気に降りた。そしてやっと変化があった。

 …………が、こりゃいったいなんだ?




【ようやく到着したようだな。ここでさっきのプレゼントの登場だ、ヒロユキ!】























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