【――C'zの『いつものメリークリスマス』でした……おっと、イルミネーションがやっと灯った。モミの木に洒落たデコレーションがいっぱいある。見せられないのが残念。虹があらわれて? その上をトナカイが楽しそうに走ってゆく……さて、
君たちは既にビルの30階に到達しているね。そこからエレベーター設備の空洞を縄ばしごで
『うっせぇ! 選曲が微妙に
→→→→◎◎
↓
↓ ぞろぞろ
↓
↓ ツルッ 『滑る滑る』
↓
↓ ギィィ
↓
カ ↓ 『どこが楽なミッションなんだ?』
タ ↓
カ ↓ 『あいつ完全にふざけてる』
タ ↓
カ ↓
タ ↓
カ ↓
タ ↓ ハァハァ
カ ↓
タ ↓ クルクル
カ ↓
タ ↓
↓
↓ 『青木さん揺らすな!』 ゆっさゆっさ
↓
↓ 『揺らすなつってもよ』
↓
↓ ギュッ 『頭を践むなっ!』
↓
↓ 『ごめん江さんっ』
↓
↓ どくん どくん
↓
↓ ガシッ ガシッ
↓(黙々と降りるカシスボーイズ)
↓ ハァ
↓
↓ ギィィ
↓
↓
↓『底が真っ暗……落ちたら死ぬな』『死んだら殺す』
↓
↓
↓
↓ ヒュウウウウウ ハァ
↓
↓ 『握力無くなってきた』
↓ ユラユラ
↓ 『揺らすなって言ったよな?』
ウ ↓
ィ ↓
| ↓
| ↓ ドゴオォオンン!!
| ↓『なんか落とした?』………カンッ
ン ↓
↓ 『手が挟まれてる』 クッ!
↓
↓
↓ 『痛いっ』 イライラ
↓
↓ キュィイン
↓
↓
↓ ガン!! 『なんか当たった』
↓
↓ ドキドキ
↓
↓ ミシ
↓
↓ ハァハァハァ
↓
↓ ぐるぐる
↓
↓
↓ ハァハァ
↓
↓ し~ん
↓
↓
ヒ ↓
ュ ↓ ゴォオォオオォ
ウ ↓
ウ ↓
ウ ↓
ウ ↓ ガクガク
ウ ↓ キリキリ
ウ ↓
↓ シャッタ
↓
↓
↓ ハァハァ
↓
↓ ハァ
↓
↓
↓
↓
↓
↓ ハァ
↓
↓
↓
↓
↓ 『助かった』『やりぃ』『……』
↓
↓
↓
↓
◎◎
ガシャン! ギリギリ~ぱかっ。
(すとっ)(すとんっ)(ト‥ン)(っどかっ!)
『ふぅ~』
そこはあまりにも無機質な空間だった。廊下らしき床は潤んだ瞳のように艶やかで両側を
唯一、通路向こう側の端に円形のステップらしきものが見える。
「どうやらビルの内階段とは別に独立した階段があるようだな」
青木がそのまま進もうとする。
「待ってくれ。常駐してる人間が居る。情報からすれば相手はヤクザだ」
「つっても2人だろ? おまえさ、俺が丸腰でここに来たと思ってんの? こっちは新宿でいつも切った張ったやってんだ。クワガタ虫がクワガタ怖がってどうすんよ」
「手荒なことはしない約束だぞ、青木さん」
「わかってる。兄貴に念を押されてる。第一、チャカなんかを持ち出すまでもない。この3人のガタイ見てみろ。アメフトの全国レベルだぞ? 不摂生なヤクザなんぞ、
青木の本性が透けて見えた気がする。こいつは粗暴すぎる。
さりとて、ここに留まるわけにもいかない。結局は、青木を先頭に廊下を進む。
その螺旋階段は直径4メートルほどで、半周してから逆方向にもう半周する構造になっている。ワンセットで一階分、降りたことになるらしい。
しかし下のフロアも、先ほどのフロアとまったく同じ状況だった。
「ヒロユキ……」
不安そうに土気色になった顔で、
「心配すんなって、大丈夫だ。
そう言うと、江さんの目に爛々たる光が戻った。……ったく。
「どうやらここはフロアを跨いで、でかいひとつの部屋のようだ。どこかに入り口があるはず……」
俺たちはチェックしながら3フロアを一気に降りた。そしてやっと変化があった。
…………が、こりゃいったいなんだ?
【ようやく到着したようだな。ここでさっきのプレゼントの登場だ、ヒロユキ!】