433. 『あかくま50』~星影つむぎの夜のひとときラジオ配信~①
そしてそのままオレは自分の部屋に戻り配信準備をする。ちなみに高坂さんがスタッフとしてフォローしてくれているので問題はないけどな。
「お疲れ様です。飲み物どうぞ」
「ありがとう。ついに初コラボだね。なんか……変な感じがするよw」
「私もです。緊張してますけど、神崎先輩よろしくお願いします!」
「うん。初コラボ頑張ろう」
オレの横には高坂さん。いつもの『姫宮ましろ』のマネージャーではなく、今はVtuber『星影つむぎ』の高坂さんだ。先輩として色々フォローしてやらないと。そして時間は20時。星影つむぎの枠で雑談配信が始まる。
コメント
『始まった!』
『初コラボおめでとう!』
『組み合わせエモいな』
「こんばんは。皆さまの一等星を明日の物語へ紡いでいきましょう。Fmすたーらいぶ5期生、星影つむぎです。よろしくお願いします。そして今日は初コラボとして大先輩に来ていただいてます。自己紹介お願い致します」
「はい。皆さん良い夜をお過ごしですか?Fmすたーらいぶ1期生、みんなの姫こと姫宮ましろです。よろしく!」
コメント
『姫と新人ちゃんw』
『色々聞きたいな』
『本当だよな』
「今回はリスナー様のコメントを拾いながら雑談を進めていきますのでよろしくお願いします。早速ですけど、つむぎの1番最初のコラボが姫様になるなんて、緊張してますけど頑張ります」
「うん。頑張ろうね……えっと……つむぎちゃんでいいかな?」
「姫様のお好きなようにお呼びください」
「じゃあつむぎちゃんで。今回は初コラボなんだけど、これ一応この前の『マネージャー分かり手』の罰ゲームも兼ねてるからw」
「ありましたねwでも上手くクララお嬢様とかのん様が振ってくれたので良かったですね?」
「まぁズルいかもしれないけど、あの時点でつむぎちゃんのデビューは決まってたからね。あのやり取りは2人の優しさだし、それのおかげでいきなりコラボ決まったからね」
コメント
『そんなのあったな』
『無茶振りじゃなかったのかw』
『2人でご飯食べたりするの?』
「ご飯……は食べたことありませんね。というより、仕事以外ではつむぎは姫様とお会いしませんので」
「そうだね。まぁ……普段はタレントとマネージャーさんだし、仕事内容が違うから仕方ないと思うけど。機会があったら一緒にご飯食べたりできたらいいかな。だってまだ3ヶ月だしw」
「姫様のお世話をするようになって、もう3ヶ月立ったと思うとあっという間でした。色々経験させてもらって、まだ至らないところがあると思いますけど、これからもよろしくお願いします姫様」
「なんか……変な感じなんだけどw」
「変?どこがでしょうか?」
「いや、つむぎちゃんって裏ではもっと元気いっぱいだからw星影つむぎで落ち着いて話してるのがなんか違うというかw」
「姫様。つむぎはいつもこうですwまだデビューしたばかりなので、あまり余計な事を言わないように少しお口を慎んでもらえませんかw」
コメント
『姫爆弾w』
『元気いっぱいなんだw』
『その姿のつむつむも悪くない』
『普段はお互いなんで呼んでるの?』
「呼び方……えっと……だから……そうなると姫宮先輩ですかねw」
「ましろは星影さんだねw普通にマネージャーさんだからね?馴れ馴れしく呼ぶのは違うよw」
「姫様。コメント欄に『社長をすたーさんって呼んでるのに?』って来てますw」
「え?いやいやw裏ではすたーさんなんて呼んでないからw社長だよ?あれは配信だけ、裏で会った時はきちんと星乃社長って呼んでるからw」
コメント
『本当に?』
『姫はエースだからな……』
『まぁ許されるだろ』
『デビューの話聞きたい』
「なんで疑うのw本当に呼んでないからね?」
「デビューの話ですか?そうですね……本当に姫様に背中を押していただいて、つむぎの中であの姫様の言葉が決定的でしたし、印象に残ってますし、嬉しかったです」
「そんなのあったかなぁ?」
「つむぎがマネージャーの仕事をしながら先輩たちの配信のお手伝いをして、Vtuberになりたい気持ちが大きくなっていって……でも勇気が出なくて……そしたら姫様が『ましろとこれからも一緒に歩んで行こう』と言ってくれました。それはマネージャーとしてじゃなくて、同じFmすたーらいぶのライバーとして……だから今でも感謝してます」
コメント
『姫さすが』
『熱いな』
『本当にすこ』
『これからもずっと一緒だといいね』
と高坂さんとの初めてのコラボの雑談配信は続いていく。緊張しているんだろうけど、それを感じさせないくらいしっかりしているのでとりあえず安心だな。