151. 『ゲリラ開催!あるココのタコパ』配信①
そして時間は19時50分。準備を済ませ、楽しそうに雑談をしている。オレと一ノ瀬さんは隣の部屋から声が漏れないように、事前に焼いておいたたこ焼きをつまみながら見学をさせてもらっている。
「良く考えたら一ノ瀬さんのためだとか思ったけど、みんなで仲良くたこ焼き食べたかったですよね?すいません」
「謝らないでください。マネージャーさんが私のために考えてくれたことですから。先輩の配信を間近で見れる機会なんで早々ないし、それにたこ焼きはマネージャーさんが一緒に食べてくれますから!」
そう言って一ノ瀬さんは笑顔を向けながらたこ焼きを頬張る。はふはふ言いながらも美味しそうに食べる姿はとても可愛らしかった。
そして20時になり、あるココの配信が始まる。
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『ゲリラ歓喜!』
『あるココ推しです』
『待ってました!』
『初手スパチャ投げます』
「皆さんこんばんはー。Fmすたーらいぶ3期生、可愛いは正義!ゴスロリ美少女海原あると!今日もよろしくね!そして」
「こんココ~!Fmすたーらいぶ3期生、猫さん大好き天才魔女の『朽木ココア』だよ~!使い魔さんたち今日もココアの魔法にかかってるかな?」
コメント
『かかってる』
『かかってるよ』
『かかっちゃった』
「いやぁゲリラだよ?まさかやるとは思わなかったよね。でも、ココアと2人で配信するの久しぶりだし。楽しみ」
「そうだね。楽しみだね。ちなみに、あるとってたこ焼き焼けるの?」
「は?出来ない人なんかいないでしょ。こうやって油をひいて……あるとが焼いてあげるから、ココアは具材切ってくれない?」
「ねぇ天かす入れる?」
「それはあとでいいよ」
「紅生姜は?」
「いいから具材切れよw」
コメント
『てぇてぇすんなw』
『やっぱりあるココ最高』
『今日はオフコラボですか?』
「そうそうオフコラボ。今はある場所にいてね?ココアから連絡来たから流れでタコパ配信することになったんだ」
「ねぇ大きさどのくらいに切ればいいの?このくらい?」
「デカすぎwタコはみ出てるし。もっと小さくていいんだよ」
「怒らないでよ……あるとがポンココしてないのに怒るんだけど?」
「怒ってないじゃんw」
「もっと優しくしてよw」
「もういいから黙って具材切ってw」
コメント
『あるココてぇてぇ』
『安定の仲良しさんですわ』
『何気にあるとちゃんのほうがお姉さん?』
「そうだね。完全にあるとがお姉さんだね」
「酷いなぁ!同い年だよココア!」
「そう見えるから仕方ないよ。諦めてココア」
コメント
『ゴスロリのお姉さんw』
『ココアはもう妹キャラw』
『1周年記念配信観たよ!』
『最高だった!』
「ありがとう。今回はさ、みんなの時間が取れて色々話し合って最高の配信が出来たよね?」
「うん。ソフィアちゃんもテンション上がってていっぱい案を出してたし。デビューして初めてかも。あんなに3期生で話したの」
「内容も良かったけど、シャッフルメドレー大変だったよね。あるとはキサラさんの曲歌わせてもらったけど、めっちゃ練習した!」
「ココアも!しかもかのんちゃんの曲で激しいし、速いし、正直心の中で『おっおう……難しい曲歌ってくれたじゃん』って思ったよ。あれはきつかった……」
「ね?かのんちゃんって不思議だよね。裏だとあんなにコミュ障全開なのに。配信になると変わるし、あんな速い曲とかも歌えちゃうしさ?」
「うん。かのんちゃんはさ、歌もダンスも雑談もゲームも何でも出来るよね。実はうらやましいと思ってるんだココア」
コメント
『リコピンと同じやん』
『実は完璧超人』
『高スペック妖精』
「本当にそうだよ。前に話したけど責任感はあるし、年齢1つしか変わらないけどたまにお姉さん感があるんだよねかのんちゃんは」
「分かる。集まって話すときも、ちゃんと自分の意見持ってるし」
「姫先輩とユニット組んでから変わったかも。初めは大丈夫かなって思ってたけどさ」
「今では仲良くなれたよね本当に。やっぱり1年一緒にいるんだもんね。かのんちゃんが一番イメージ変わったかも」
2人の話を聞いてオレは自分のことのように嬉しく思う。オレが変われたように、彩芽ちゃんも変わったのかもしれない。それが嬉しかった。