目次
ブックマーク
応援する
4
コメント
シェア
通報
145. 『姫神晩酌オフコラボ』配信①

145. 『姫神晩酌オフコラボ』配信①




 そして時間になり晩酌オフコラボ配信が始まる。


 コメント

『姫とひなちゃんとかヤバい』

『1期生の真面目組』

『貴重な話聞きたい』


「あれ?私のサラダ知らない?」


「あのひなたさん始まってるから……」


「え。あーごめんごめん!もう出来上がっててさ?オフモードになってたw許してねみんな?」


 コメント

『私助かる』

『いいぞいいぞ!』

『全然動じないひなちゃん好き』

『このゆるふわ感好きだわ』


「とりあえず自己紹介しようかひなたさん」


「うん。ひなたで~す」


「軽いんだけどwまぁいいや。ましろです。今回はね、ましろの枠でひなたさんと晩酌オフコラボ配信していくからよろしくね。質問あればコメント欄にお願いね」


「ねぇましろちゃん。ひなたのサラダ知らない?」


「とっくに食べてたじゃんw」


「そうだっけw」


 コメント

『草』

『ひなちゃんフランクすぎw』

『新たなひなちゃんw』

『出来上がってるなw』


「もう実は3本目だからさ?少し早めに飲んでた。完全にオフモードだねひなた。今日はましろちゃんいるから大丈夫だと思ってさ?」


「ひなたさん、それ4本目だからね?」


「そうだっけ?1、2……本当だwまぁいいや。ましろちゃんおつまみ食べさせてあげるよ。はい口開けて?あーん」


「ちょ。自分で食べるって!」


「照れなくていいってば。同期なんだから。お姉さんの言うこと聞けないのかなw」


「誰か助けて貰えないかなwこの人ヤバいんですけどw」


 コメント

『姫が困惑してるw』

『絡み酒w』

『妖精に怒られるぞw』


「ひなたさん。とりあえず質問来てるから読むよ?『4期生のデビューがもうすぐですね。何かやりたいことはありますか?』だって」


「晩酌配信w」


「配信やめようかなもう」


「ごめんごめんw怒らないでましろちゃん。冗談だよ。えっとね……ちなみにましろちゃんは『夢花かなえ』ちゃん知ってた?元個人勢で今回Fmすたーらいぶの4期生として仲間になったんだよね」


「知らなかったけど、発表されてから動画観たよ。歌枠が多めの印象でアイドルみたいな女の子だったね」


 コメント

『かなえは元地下アイドル』

『歌ってみた系多いね』

『パワフルな歌声最高』

『個人勢から企業勢ってどうなの?』

『アンチ居そう』


「なんかリスナーさんの方が詳しいんだけどw元地下アイドルなんだぁ。なるほどね、でも配信者でもあるわけだから期待の新人って感じだよね?」


「そうだね。もちろん他の3人も先輩として応援してあげないとね」


「うん。あとアンチの件なんだけど。ちょっと1つだけいいかな?真面目な話するとさ、個人勢から企業に在籍になるから今まで応援してくれた人の中には良く思ってない人もいると思う。それはその人の価値観だから、否定はしないし、仕方ないことだとも思う。でもさ彼女なりに悩んで決めたことでもあると思うから、彼女の決断を応援してあげてほしいよねって……ひなたは思うかな」


 コメント

『本当にそう』

『ひなちゃんいきなり真面目w』

『ビール飲んでた?』


「安心して。今から5本目あけるからさ?」


「飲み過ぎだよwじゃあ次の質問行くよ?『Vtuberを始めたきっかけはなんですか?』だって。これは答えやすいかもね。ましろのは知ってると思うからひなたさんは?」


「えーとね。配信で詳しく言ったことはないから、親衛隊の人はもちろんひな客さんも初めてかも。ひなたはね。元イラストレーターなのは知ってると思うけど、その当時、会社に勤めてて、残業続きですごく大変で精神的に追い込まれてたのね。毎日朝早くから夜遅くまでの勤務で、休みなんてほとんどなかったし、それでストレスも溜まって仕事を辞めて、昔から好きだった絵をサイトに投稿し始めたの。それが社長の目に止まったのかな?連絡が来て『あなたの絵を世界中の人に観てもらわない?』と言われて、話を聞いて面白そうって思ったのがきっかけかな」


 コメント

『社長がひなちゃんを探せたのは神』

『ひなちゃんの過去重い……』

『社畜時代キツかった』

『ひなちゃんのイラストはどれも優しい気持ちになれる』

『ひなちゃんの絵好き』


「ありがとう。ひなたのイラストで元気になれたとか言ってくれると嬉しいし。今は自分の好きなことをしてるだけだからさ?楽しいよ。ましろちゃんも今はそうなんじゃない?」


 そう言って、オレに微笑みを向ける月城さん。その表情には優しさが溢れていた。『自分の好きなこと』。それを聞いてオレは『姫宮ましろ』として配信をすることを改めて誇りに思うのだった。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?