79. チャンネル登録者10万人への熱い夏④
~葉桐ソフィアの10万人耐久配信~
そして時間は15時30分。チャンネル登録者は残り5000人を切ったが、彼女の時間は限られていた。残り6時間30分。それが葉桐ソフィアこと佐伯玲奈のタイムリミットだからだ。
「ふぅ。もう7時間も歌ってるんだ……ちょっと休憩してもいい?」
コメント
『ソフィたん無理しないで』
『大丈夫?』
『ソフィ友がついてるよ』
「ありがとうみんな。あと少しだから頑張るよ……どうしても今日中に達成したいから。他の3期生も応援してくれてるしさ。本当にありがたいよ」
コメント
『姫と警部も並走してるよ』
『マシュマロやってる』
『5000人切ったよ』
『そろそろか?』
「ん?姫先輩とさくら先輩も応援してくれてるんだ……あとでお礼言わないと。5000人は切ったね。え?そろそろ?なに?なんかあるの?」
「こんにちは。トマト食べてる?」
「えぇ~!ちょ……ちょっと……待って?え?ルナ先輩!?」
コメント
『ルナ様~!』
『来た来た来た!』
『リコピン最高!』
「まだ昼間だからフードを被ってやってきたわよ?ほら差し入れ」
「ありがとうございます。でもどうして?」
「ましろ先輩とさくらの配信のリスナーさんと約束したのよ。5000人切ったら歌いに行くって。せっかくだから歌わせて?『終焉毒リンゴ』一緒に歌いましょ?」
コメント
『きたあああ』
『ルナフィア!』
『うおおおお!!』
「さぁ。すたフェスの再来だから、私たちの歌が改めて良かったって思ったら、ソフィアのチャンネル登録よろしくね?」
「ソフィアからもお願いします!ルナ先輩と歌えるなんて嬉しい」
そして2人は『終焉毒リンゴ』を歌う。それはコラボではなく、あくまで歌うだけ。ただそれだけなのに、その歌声は、聴く者の心を揺さぶった。それだけ、すたフェスでユニットを組んだルナフィアはファンの心に焼き付いていたのだ。そのあとも何曲か一緒に歌い、葉桐ソフィアのチャンネル登録者は増えていった。
「頑張ってチャンネル登録者10万人行くといいわねソフィア?じゃああと頑張ってね?」
「はい。ありがとうございましたルナ先輩」
コメント
『最高だった……』
『もう行っちゃうのか……』
『またルナフィアしてほしい』
「そうだね。ソフィアも元気もらえたよ。えっと……残りは3936人。すごい一気に1000人増えたよ!やっぱりルナ先輩はすごい……」
コメント
『ソフィたんもだよ!』
『頑張って』
『まだまだ行ける』
「みんなありがとう。少し休憩したら、また歌うからね」
そのあと雑談配信を続けながら時間は17時を回る。その時、スタジオの扉が開かれる。
「ソフィたん大丈夫かぁ!」
「かのんも歌いに来たよ~」
「2人とも来てくれたの?ありがとう!今から歌うところだよ」
「それじゃ一緒に歌おう!どんどんチャンネル登録者増やそう!この事務所までほとんど話さなかったコミュ障のかのんちゃんも歌うからね~!」
「あるとちゃん。それは言わなくてもいいじゃん!恥ずかしいし」
コメント
『おお!』
『3期生も来たぞ!』
『あるかのコンビ』
『これで勝てる』
そして、合流した2人と共に配信を続けていく。タイムリミットは残り5時間。葉桐ソフィアのチャンネル登録者96256人。残り3744人。