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73. 姫は『保護者』になるそうです

73. 姫は『保護者』になるそうです




 突発的に朽木ココアちゃんと『まっしろココア』ラジオをやることになった。とりあえず台本はなしでフリートークでいくしかないけど、1時間だから問題ないだろ。


 《改めまして、『まっしろココア』ラジオ。パーソナリティーの姫宮ましろです》


「朽木ココアです。ごめんなさいココアのせいで。また迷惑かけちゃった……」


 《良かったね。ましろがたまたまココアちゃんの配信観てて》


「え?配信観てたんですか!?てっきりSNSとかで知ったのかと……」


 《そうだ。タグどうしようか?#まっしろココア(再)でいい?みんな良かったら付けてくれると嬉しいな》


「ココアからもお願いします!」


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『必死だなココア』

『かましたからなw』

『ましろんナイス判断』

『#まっしろココア(再)』


 《そう言えばさ。朝配信ありがとね。お礼も言いたかったしちょうど良かったよ。本当にあの時、活動して初めてどうしようってなってたから、ココアちゃんからチャット送ってくれて、代わりに配信したいって言ってくれて嬉しかったよありがとね》


「あれはこの前のことがあったからで、でもまた今日も迷惑かけちゃったし……」


 《ならまた助けてね?それよりさ、キサラさんの朝配信で言ってたけど、ココアちゃん裏でもポンココなんだって?スマホのやつ。あれは笑ったね》


「うぅ。でもそういう時ありませんか?」


 《さすがにそんな漫画みたいなことはないかな?》


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『本当にポンココ』

『タブレットにしろw』

『www』


「タブレットは言い過ぎ!たまたまキサラさんに見られただけだし、普段はそんなことないから!」


 《え?本当かなぁ?何もないのかなぁ?今日はココアちゃんのポンココ聞こうかと思ってるんだけど》


「……あ。……やっぱり……この前ありました」


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『草』

『あるんかい!』

『やっぱり裏切らない。好き。』


 《素直だねココアちゃん。聞かせてもらおうかな》


「もう配信は終わったんですけど、この前ソフィアちゃんとゲーム配信コラボしたんです。それで……ソフィアちゃんからスケジュールもらって、ココアの枠でやることになって23時に枠立てたんです。そしたらすぐにソフィアちゃんから連絡来て『ごめんココアちゃん。その時間はソフィア配信ダメなんだけど。スケジュール見た?ポンココ?』って。確かに!ってなって次の日になりました」


 《ね。ソフィアちゃんはリアルお嬢様だからその時間は配信出来ないからね?》


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『ソフィたんお家厳しい』

『お嬢様なんだよなぁ』

『ポンココしすぎだろw』


 《ココアちゃん。ソフィアちゃんとオフコラボしてみたら?そしたらポンココ出ないよ?》


「もし、黒服とかいたら怖いじゃないですか!?あとは怖い執事さんとか出てきたり……やめてくださいましろ先輩!想像しちゃったじゃないですか!」


 《あはは。他はないの?》


「他は……あ。この前ココアとあるとで収録終わりにファミレス行って、ココアがドリンク取ってくるよって言ったんです。そしたらあるとの分もお願い。コーラって言われたから仕方なく、あるとの分もついであげたんです」


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『おい……まさか』

『嘘だろ……』

『何もポンココにならないだろ今のじゃ』


「席に戻って、渡したら『え?』って言われて。見たらメロンソーダだったんですw」


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『色違うじゃねぇか!』

『おい』

『炭酸だからワンチャン』

『あるとドンマイw』


 《あー。間違えちゃったんだね?》


「はい。間違いに気付いた時にはもう手遅れで。あるとは大爆笑で『マジかw』って。もう恥ずかしくて泣きそうでした。でもあるとはそのままメロンソーダを飲んでましたけど」


 《うん……それは仕方ないね。ましろでも……きっとそのまま飲むからさ……》


「あれ?ましろ先輩引いてません!?」


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『天然炸裂』

『これはひどいw』

『姫を困らせるなw』


 そんなこんなで時間は過ぎていく。気づけば1時間以上配信していた。意外に相性がいいのかもしれない。ちなみにみんなにお願いした#まっしろココアラジオ(再)は無事にトレンド入りしており反響も大きかった。


 普通は炎上しかねないことだけど、ココアちゃんのキャラクター性なのか、みんな温かい目で見守ってくれている。そんな、みんなに愛されている後輩がいることが少し嬉しい。それと同時に本当に気をつけてほしいと保護者になるオレがいるのだった。

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