25. 後輩ちゃんは『ガチ恋』……???
コメント
『こんばんわー!』
『きたー! 待ってました!!』
『待機してた甲斐があったぜw』
『はよ重大発表』
「こんばんは。みなさん、良い夜をお過ごしですか?Fmすたーらいぶ1期生、みんなの姫こと『姫宮ましろ』です。そして」
「こんばんは~。Fmすたーらいぶ3期生、Fmすたーらいぶの風紀を守るがんばり屋の妖精『双葉かのん』だよぉ!」
「今日は事務所のスタジオでの配信です。私と隣でガチガチのかのんちゃんの2人でお送りしていきますよ」
「ましろん先輩言わないで!恥ずかしいから!」
コメント
『始まった!!』
『ついに来たか!姫ぇええええええ』
『かのんしゃんかわ』
「それじゃあ早速始めていきましょう。その前にどう?かのんちゃん。初めての事務所のスタジオでの配信は?」
「なんか緊張しますね……」
「ましろも事務所での初配信は緊張したよ」
「えっそうなんですか!?」
「ましろもデビューしたての頃だったからね」
「ましろん先輩も緊張とかするんだ……」
「ましろも人間ですよ?」
「あっ早速圧が」
コメント
『ましろんに怒られてるwww』
『初々しいなぁ。新人感がすごいわw』
『ましろんも緊張してたんだな。意外やなぁ……』
『意外やめとけ』
「まず初めに重大なお知らせがあるんだよね。実はましろとかのんちゃんは……ユニットを組むことになりました!」
「わぁ~!みんな拍手~!」
コメント
『なん……だと……?』
『マジか!?』
『うおおお!』
『公式もましのんを認めた』
「かのんのましろん先輩への想いが、Fmすたーらいぶの社長を動かしたんだよ!『ましのん』最高!勝たん!」
「つまり、てぇてぇはビジネスということですね。事務所が認めてますので」
「えっ?違う違う!違うもん!かのんとましろん先輩は純粋なてぇてぇだよみんな!」
コメント
『草』
『かのんちゃん必死すぎw』
『かのんちゃあああん』
『ましろ姫すこ』
コメントが盛り上がってるようで何よりだ。さて、ここからは雑談タイムになっていくのだが、鈴町さんは大丈夫だろうか。鈴町さんを見ると、手汗を拭いたり、深呼吸したりと明らかに緊張している様子だったけど、やはり配信をしている時は何よりも楽しそうに話している。
「さてさて。ここからはみんなから『ましのん』に質問コーナーをしていこうかな」
「はい。何でも聞いてください。えっと『ましろ姫って彼氏いますか?』だって」
「いませんよ。まだ王子様は見つかってません」
「良かったぁ……」
「かのんちゃん?」
「あ……」
コメント
『隊長本音が出てますよ』
『ガチ恋やないかぁ~!』
『かのんちゃん可愛いぞぉ』
『王子様呼んだ?』
「かのんは……ましろん先輩のこと尊敬してるし……好き……だけど……」
「ふふ。早速ビジネスありがとね。かのんちゃん」
「ガチ恋じゃないけどビジネスでもないから!」
コメント
『告白されてるやん』
『ビジネスwww』
『姫もかのんもかわいいぞ!』
『オレも好きだぞー!』
鈴町さんが顔を真っ赤にしながら頑張っている。オレも頑張らないとな。それからしばらく、オレが鈴町さんにちょっかいを出して、鈴町さんが恥ずかしそうにしながらも一生懸命答えていく。そしてそろそろ時間も迫ってきた。
「じゃあ次が最後の質問にしようかな。えっと『普段のお互いのことを教えてください』か。普段のかのんちゃんねぇ……」
「なんですか?」
「正直、あまり話してくれないからなぁ」
「最近は……頑張って話してますけど……」
「あれで?」
「あれでって言わないでください!コミュ障陰キャ女にはあれが限界なんですよ!」
コメント
『かのんちゃん……』
『オレもそうだから安心しろ』
『お前らw』
『がんばれ!』
『がんば!』
「何かあるかな……あー。あった。かのんちゃんはね、意外にご飯食べるのが好きだよね。いっぱい食べてたもんね海老と玉子のお寿司。」
「やめて!恥ずかしいなぁ……そんなことより次はましろん先輩のこと言いますよ!」
「うん。聞かせて。親衛隊隊長のありがたいお言葉が聞けるよみんな」
コメント
『姫の圧がきた』
『ましろ姫のプライベートの姿楽しみ』
『ましろんはどんな感じなんだ?』
「えっと……あ。みんなサムネ見てくれたかな?普段のましろん先輩はあんな感じだよ。色々アドバイスしてくれたり、引っ張ってくれて、かのんの王子様みたいで優しくてカッコいいし、配信の時はお姫様みたいに可愛くて憧れの先輩。」
コメント
『やっぱりガチ恋やないかぁ!』
『王子様とお姫様を兼ね備えてる』
『姫のガチ恋勢増えそう』
『ガチ恋プリンセス』
隣にいる鈴町さんはそう言った後、オレの方を見て少し微笑みながらまた画面を見て話し始めた。コメント欄には『ガチ恋』の文字が多く流れている。鈴町さんがガチ恋なら……そんなことを考えてしまうと少し顔が熱くなる。そしてさっきの鈴町さんの言ってくれたことが嬉しくて顔がニヤけてしまうオレがいた。