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二者択一
相内あい
文芸・その他雑文・エッセイ
2024年10月09日
公開日
1,261文字
完結
試験問題で「A」と「B」どちらが正解かひたすら苦悩や葛藤を重ね
最後に出した答えは・・・

二者択一

人生は選択の連続だ


朝起きたらまず何をするか、

食事はするかしないのか?

するなら何を食べる?

何を着る?


そんな軽いものから


進学か?就職か?

結婚は?相手は?


といった重大な選択もたくさんある。


中には、その選択によって人生を大きく左右させるものがある


「試験終了まであと30分!」

試験管の声が会場に響く


私は今、試験を受けている。

頭を悩ませているのは以下の問題だ


『以下の選択肢A、B、C、D、Eのうち、正しいものを一つ選べ』


よくある五者択一の問題

真っ先にするのは消去法


C、D、Eは誤っていると判断し

残るAとBどちらかが正解と思われる。


さて、ここからが本番

「A」と「B」どちらを選ぶべきか・・・

大いに悩む


もちろん、試験問題はこれだけじゃない

簡単な問題から難解な問題がある

それは皆同じ

この解けそうで解けない問題こそが明暗を分ける


・・・・・・・・・・・・


しばらく考えた後、私が出した答えは「A」だ

そんな気がする。確かな根拠はないが

直感がそういってる。

私は答案用紙に「A」と記載した。


・・・・・・


「試験終了まであと10分!きちんと見直しをするように!!」

試験管の声が響く


私は試験も一通り解き終わり、見直しをしているところ、

やはり気になるのは先ほど迷った「A」と「B」で迷った二者択一の問題


改めてもう一度考えてみると


「・・・!?」


電流が走ったかのような感覚

まるで誰かが脳内に語りかけるように・・・


待て・・・!?

これ、「B」が正しいような気がしてきた・・・!


直前の閃き

私は答えを「A」から「B」に書き換えた


危なかった・・・。見直しをしてよかった。

私は安堵のため息をつく


・・・・・・

「試験終了まであと1分!最後の見直しをするように!!」

試験終了着前


名前、受験者番号、その他書き漏れがないか

確認していたところ、例の問題が視界に入り、

再び体に電流が走るような衝撃を受ける


・・・待て待て待て待て!


やっぱり改めて考えると「A」が正しいんじゃないか!?


試験終了1分を切り、脳内はまさにパニック状態

どれが正しくて、どれが間違っているのか


まさに疑心暗鬼


今まで何度も何度も経験してきた

直感で選んだ答えを、見直しの際に書き直したら、最初に選んだ方が正しかったこと


極限状態の脳内

そこに恩師の、推しの人物の言葉が私の中で湧き上がる


『二者択一で迷った時、最初に正しいと思った方が7割の確率で正しい』と

『悩んで、迷って、色々考えてもわからないときは、一番最初に思いついた選択肢を選べ』と


もし、「B」を選んで答えが「A」だった場合、私は後悔するだろう

しかし、「A」を選んで答えが「B」だった場合、私は後悔しない。


だって、最初に直感で、本能で選んだ選択肢だから・・・


私は信じる

恩師を、推しを、そして、自分自身を・・・


最後の最後の最後

私は選択肢を「B」から「A」書き換えた


「試験終了!それまで!!」

試験管の声が響くとともに、各受験生たちが解答用紙を提出する


悩み、苦悩し、葛藤し、最後の最後まで考えて出した答え・・・

私は胸を張って解答用紙を提出した。


そして・・・


答えは「C」だった


-完-

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