バーサーカープリンセスはゲヘナプリンセスと斬り合いをしていた。
双方斬撃を繰り出し、ゲヘナプリンセスは最小限の動きで相手の斬撃を避け。
バーサーカープリンセスは、斬撃を敢えて受けながら、自分の
怯まずに反撃で斬りつける。
今もそうだった。
バーサーカープリンセスはゲヘナプリンセスの斬撃を肩で受け。
その右肩を、その腕を半ばまで斬り落とされた。
だけど。
それをみるみる回復させ、一瞬遅れてそこから逆袈裟で斬り上げて行く!
ゲヘナプリンセスは驚愕したのか、大きく跳び退いてそれを躱した。
「……なんと。そこまで斬られても……驚いたぞ」
「初代様、流石ですね」
不敵な笑み。
バーサーカープリンセス・阿修羅咲。
当代の阿比須族滅流継承者。
……なんとも。
流石というかなんというか。
「面白いではないか……もっと我を愉しませるのじゃ!」
ゲヘナプリンセスは刀を正眼に構え、震えるような興奮が籠った声でそう言った。
そしてデウスプリンセス、ヒューマンプリンセスは。
「くっ、バーサーカープリンセスの邪魔はさせない!」
萬田君……グラトニープリンセスを叩いていた。
鞭で。
「アカン。ゾクゾクする……」
「ヒューマンプリンセス、しっかりするのよ」
……2人して、バーサーカープリンセスの邪魔をさせないと仁王立ちしているグラトニープリンセスに鞭を浴びせてる。
2人とも、落雷やかまいたちを起こす能力や、近代兵器を錬成して攻撃する能力を持っているのに。
2人とも、黒い革の鞭をもって、グラトニープリンセスのエッチな太ももや、開いた胸元を執拗に叩いていた。
そこに刻まれる赤い跡。
……2人とも、やめられないんだ。
彼女たちの目を見たら分かってしまった。
……グラトニープリンセスがあまりにも可愛いオトコノコだから。
そりゃま、鞭が作れるなら叩かずにはいられないよね。
……萬田君。
恋人のために身体を張る彼に、私はオトコノコを感じて感銘を受けた。
そのとき
「プリンセスヘルクライ!」
ゲヘナプリンセスの
彼女の声帯を通したゲヘナの力が、音波に破壊的威力を付加し、道路のアスファルトを吹き飛ばし、抉り散らす。
前に春香ちゃん相手にやったときとは比較にならない威力。
本気のプリンセスヘルクライ。
バーサーカープリンセスはこれは受け止めきれないと判断し、地を蹴り横に逃げるが、遅すぎた。
プリンセスヘルクライの効果範囲から逃れきれなかったバーサーカープリンセスの左腕が破裂して吹き飛んだ!
バーサーカープリンセスはそれを意に介さず、再生しようとするが……
それが一瞬の隙になる。
ゲヘナプリンセスは踏み込み、脇構えから必殺の胴薙ぎを繰り出した。
「阿比須族滅流! 腰斬!」
その一刀はバーサーカープリンセスの胴を切断し、上半身と下半身を泣き別れにさせた。
そして
宙を舞ったバーサーカープリンセスの上半身を、ゲヘナプリンセスは首で掴んで宙吊りにし、宣言する。
「……勝負ありじゃ」
残虐な狂笑を浮かべつつ。
「咲ーッ!」
恋人の惨状に、グラトニープリンセスの悲痛な叫び。
バーサーカープリンセスには超再生能力があるから、このくらいは致命傷では無いけど……
もはやここからの巻き返しは不可能。
それは誰が見ても明らかだった。
だから……
「……そこまでよゲヘナプリンセス!」
「今度はお姉ちゃんがあなたをワカらせるよ!」
私たちはそれぞれの六道ホンを構えつつ進み出る。
修行の成果、見せてあげるよ!
優子!