新幹線に乗って東京駅までやって来た。
3時間くらいかな?
新幹線は快適で。
寝ている間に着いてしまった。
「東京はすごいね」
「日本の首都だもんね」
新幹線を降りて、私たちは東京駅の外に出て、見回す。
東京駅の外は、綺麗で整備されているけど……
言うほど高層ビルが無い印象。
多分、この近くにある皇居のせいだと思う。
……しかし
優子はどこにいるんだろうか?
なので
「すみませーん」
私は通行人に声を掛けた。
サラリーマンのおじさん。
JC2人に話し掛けられて、おじさんがちょっと慌てている。
「な、何かな?」
「世直し司令官の閻魔優子様は何処でご活躍かご存じないですか?」
義妹に様付け。
ちょっと抵抗あったけど、拘っている場合じゃないしね。
すると
「……国会前に居るらしいぞ」
……まだ国会前にいるんだ。
無職人狩りをはじめるために、首相官邸に凸してるのかと思ったのに。
「ありがとうございました」
そう、私はおじさんにお礼を言って。
春香ちゃんに向き直る。
そして
「春香ちゃん、ここから国会議事堂って何円くらい掛かるかな?」
そんな私の問いかけに対して
「えーと……」
春香ちゃんはスマホで検索。
そしてすぐさま答えが出た。
「200円くらいだね」
地下鉄に乗って国会議事堂前に向かう。
東京の迷路のような地下鉄。
すっごいよね。
お上りさんである私たちは、周囲のすごい様子を噛み締めながら地下鉄に乗った。
平日の昼間なので、地下鉄の車内はガラガラだった。
春香ちゃんと2人、並んで座席に座る。
沈黙の空間。
ガタンゴトンという電車の走る音を聞きながら。
「ねぇ、花蓮ちゃん」
すると突然、春香ちゃんが話し掛けて来た。
私は
「何? 春香ちゃん」
春香ちゃんの方を向く。
すると
春香ちゃんは自分の革鞄をごそごそしてた。
何をしているのかなと思ったんだけど。
春香ちゃんが鞄から出してきたもの。
それを見て、驚いてしまった。
……それは
黒い皮のお饅頭。
阿比須町の名物。
「……人血饅頭」
すごい。
どこで手に入れて来たんだろうか。
春香ちゃんは少し恥ずかしそうに
「今朝、出発前に豚箱に寄って、人血饅頭の在庫が無いか聞いてきたんだ」
で、1個だけ手に入ったらしい。
……そうなんだ。
でも、一体何のために?
そんな私の疑問。
それに対し、春香ちゃんは
「……これがあるから、
だって、これを食べれば治るんだもの。
だから全力でツブしにかかって大丈夫だよ。
……春香ちゃん。
私は友達のそんな気遣いに、胸がいっぱいになる。
そんな中、地下鉄が国会議事堂前の駅に到着したことがアナウンスで伝わって来た……。
そして地下鉄を出て。
国会議事堂に辿り着くと。
人だかりが出来ていて。
何事かと思ったら
そこでは刀を持った咲さんのバーサーカープリンセスと、萬田君のグラトニープリンセスが
抜刀した優子のゲヘナプリンセスと戦っていた。