処刑場たるサッカーコートの上。
そこに宙に浮く金髪マッチョ。
身に付けた衣装は白いタンクトップとブーメランパンツ。
……間違いなくノロジーだ。
「どうする? 阿比須真理愛よ? 俺様たちの軍門に下るなら、望みを叶える力をやるぞ?」
突然現れ、突然呼びかける。
自己紹介も無しに。
阿比須真理愛に。
彼女は、ノロジーの出現に一瞬固まったけれども
次の瞬間
「助力してくれるのであれば、私は悪魔とでも取引をしてやるわ! よこしなさいッ!」
ものすごい眼光を放ちながら、言い放つ。
そんな彼女の返答に。
ノロジーはニヤリと、いやギヤリと嗤い。
両手を大きく広げ、叫ぶ。
こんな言葉を。
「オーケー! オーダーだ陛下! この女に殺戮のパワーを!」
ノロジーの叫びに反応し、彼から白く輝く球体が発生。
それは膨れ上がり、破裂し、飛び散る。
そしてそのエネルギーが
阿比須真理愛の身体に全て降り注ぐ。
ノロジーからのエネルギーを浴び、阿比須真理愛は……
その姿を変えていく。
人間の美しい女から
九本の尾を備えた、
彼女の死刑囚としての衣服……白装束は変化の中ではじけ飛び、全裸になる。
だけど、その素肌が白い毛皮になり。
R-18をギリ避ける感じに。
「おおお……」
妖魔獣化した阿比須真理愛は自分の身体を見つめる。
その手や、尾や脚を。
そして自分の変化を自覚し、嗤った。
……嗤って、言った。
「これなら……勝てる。あの方にも……!」
……あの方?
阿比須真理愛の言葉に引っ掛かる。
だけど
今はそんなことを気にしている場合じゃない!
「ウワーッ! 化け物だーッ!」
「助けてーッ!」
ここにいるのは、悪党の最期の姿を笑いに来た普通の人たち……!
ただ公開処刑を楽しみにやって来た罪も無い人たち!
この人たちを護らないと!
私は六道ホンを取り出し
「春香ちゃん! 変身だよ!」
呼び掛けた。
すると春香ちゃんも六道ホンを取り出して
「うん! 分かった! 花蓮ちゃん!」
そして2人同時に六道ホンをパカと開け、それぞれ変身コードを親指でキー入力する。
『Standing by』
そして2人同時、六道ホンを高く掲げながら叫んだ。
「変身!
『Complete』
光の中、私たちは
私はヘソ出しルックの黒い
活動的な
春香ちゃんはフリフリ衣装の白灰色の
可憐な女の子女の子している
「地獄の使者! ヘルプリンセス!」
「畜生の化身! ビーストプリンセス!」
変身時のお約束として、私たちは名乗って見得切りをし。
私たちは阿比須真理愛妖魔獣に向かって突っ込んでいった。