えっと。
動揺する私に彼女は言う。
「そろそろ集まって話をな、したいねんわ。来てくれへんかな?」
そりゃ、もっともな話だけど……
そして。
私は天野先輩の家に連れていかれた。
アホみたいにデカイおうちに。
……城?
道中、自己紹介があった。
「私は
うん。知ってます。
「ウチは
……副会長……。
ウチの学校、生徒会の会長も副会長も超中学生級なんだなぁ。
で。
お城みたいな家に案内されて。
20畳くらいある、ザ・上流階級の洋風のメチャ広い部屋に案内されて。
……そこには咲さんと萬田君も呼ばれてた。
部屋に置かれてる丸テーブルに座って、萬田君と話してた。
私たちが入室すると向こうも気づいて
「あら、閻魔さんも呼ばれてたんだ。それに国生さんも」
咲さんはおもてなしセットのお茶とケーキを萬田君と食べながら、私たちを見てその一言。
「集まって話するんですから、当然ですよ」
そう返し、私は国生さんと並んで席につく。
続けて天野先輩と飛馬先輩も席に着き。
「揃ったわね。でははじめましょうか」
天野先輩が威厳の籠った声で言う。
それと同時に
「よくぞ集まってくれた。選び抜かれた少女たちよ」
……3体目の妖精がそこに現れた。
3体目の妖精は、雄ライオンの顏をした妖精で。
胴体は少年で、蝶の羽根を生やしてる。
……バキやケンジャキと似てるなぁ。
「私はシシガミ。日々ご苦労。これからも、自分の能力不足を他責して、殺人を決意するような見下げ果てたウジムシ共を浄化しワカラせ、その醜い他責精神を破壊して、二度と他責出来ないようにすることに邁進してくれたまえ。それじゃ」
挨拶をすると。
シシガミは姿を消した。
「……いつも思うんですけど」
国生さんが発言する。
「妖精たちって、普段何をしてるんでしょうか?」
すると天野先輩は少し考え
「うーん……人間界見物でもしてるんじゃ無いかしら?」
彼らの役目は、六道プリンセスに六道ホンを渡すところまでだから。
後は自由にして良いらしいわ。
だって。
……なんというか……気楽だなぁ。
今はバカンス気分なのかな。
「まず最初に。皆は六道ホンの連絡機能は知ってる?」
最初に上がった話はそれ。
うん、知ってます。
六道ホン、変身アイテム以外にも電話としても使えるんですよね?
「知ってます」
「私も」
私と国生さん。
「当然知ってるよ」
「僕も知ってます」
咲さんと萬田君。
その答えに満足したように頷き。
「これからは相互に連絡が取れるように、自分の変身コードを教えてもらえるかしら?」
……変身コードの前に「0」をプッシュすると、電話モードで六道ホンを使えるんだよね。
それを全員分知っておけってことか。
「私は459です」
「私は7940です」
それを受けて、すぐ私と国生さんは自分の番号を申告。
天野先輩と飛馬先輩は手帳にそれをメモ。
それを見て、私たちもメモを取り出した。
「私は1040」
天野先輩。
「ウチは110」
飛馬先輩。
……警察の番号。
メモメモ。
「私は140」
「僕は2122です」
咲さんが140で、萬田君が2122か。
……これで全員かな。
「ごめんなさいね。私たちから教えるべきなのに」
すると、申告が遅れたことを詫びてくる天野先輩。
良いですよ。別にそんなこと。
天野先輩は真面目だなぁ。
「あの」
「何かしら?」
国生さんが手を上げて。
それを天野先輩が受ける。
国生さんは
「先輩たちは、六道プリンセスの記憶が消えない人種についてはご存じなんですか?」
「無論知っているわ」
私たちは基本、人々の記憶に残らない。
私たちの変身後の姿と、変身前の姿が結びつかないようになっている。
これが六道プリンセスの基本能力「認識阻害」
それだけど。
前に、バキに言われた。
体育教師、用務員、コンビニ店長、自分のストーカー、ヤリチン学生。
この5種類の人間には、認識阻害が効かないんだ。
だから気をつけろって言われたんだけど……
「それについて何か対策立てていらっしゃるなら、情報を共有させて下さい」
うん。
重要なことだよね。
……死活問題だし。
すると
「ええと……まず、この町の監視カメラは全部撤去したわ」
サラッと。
とんでもないことを言われた。
……えっと
「えっと……この町、今監視カメラ無いんですか?」
「ええ、無いわよ。スーパーの防犯カメラに至るまで全部無いわ。今あるカメラは全部フェイクよ」
……マジか。
超お金持ちの権力パネェ……。
「大事の前の小事や」
真顔で飛馬先輩。
「ウチらの正体バレるわけにはいかへんし」
……そっか。
すると
「……学校から体育教師と用務員を消すことは可能でしょうか?」
「職を奪えってこと?」
「はい」
国生さんの提案に、天野先輩は腕を組んで考え込んで。
「……体育教師は他の教科の教師になってもらって、用務員は今後関谷様という別のポストに移ってもらうのはどうやろ?」
飛馬先輩が人差し指を立てて一言。
「それで行きましょう」
ナイス提案?
「コンビニを潰して全部スーパーにすることは可能でしょうか?」
「良い提案ね。いいわよ。そういうの」
解決策を出してるところが評価されたのかな?
「ストーカーとヤリチン学生はどうします?」
「とりあえず、次の生徒会でヤリチン学生は退学にすることを発議しようと思ってる」
……何をもってヤリチン学生って判断するんだろうか?
すると
「ストーカーは私が変身しないで斬ればいい……」
何か咲さんが言いかけたんだけど、隣の萬田君を気にして、途中でやめてしまった。
こうして色々ガンガン決まっていった。