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無能な陰陽師
もちっぱち
ホラー怪談
2024年10月08日
公開日
92,388文字
連載中
警視庁の詛呪対策本部に所属する無能な陰陽師と呼ばれる土御門迅はある仕事を任せられていた。
スマホ名前登録『鬼』の上司とともに次々と起こる事件を解決していく物語


※とてもグロテスク表現入れております
お食事中や苦手な方はご遠慮ください


※訂正箇所ありまして
 少し変更してます

こちらの作品は、
実在する名前と人物とは
一切関係ありません
すべてフィクションとなっております。

※R指定※ 要注意です!!

イラスト:名無死 様 作成
https://x.com/AI_S_love_/

第1話 インドアの生活が好き

外から小鳥のさえずりが聞こえてくる。

本棚には難しい文字が書かれたものがたくさん並んでいる。散らかった床やテーブルの上、モノトーンで統一されていた。窓から車のクラクションの音、遠くでサイレンがなり、高架橋を走る電車の音が響いている。

 ベッドの上、ふとんを蹴飛ばし、紺色のボクサーパンツ一つ履いて、ぼりぼりと太ももをかく。古い扇風機がゴキゴキとまわりながら動いている。枕の近くに置いていたテレビのリモコンをつかみ、赤いボタンを押した。あくびをして、トイレに向かう。水の流れる音がした。


テレビから最新のニュースが流れてくる。


「……次のニュースです。本日、未明に都内のアパート1室で鋭利な刃物により体中を刺された1人の男性の遺体が発見されました。警視庁によると、死亡推定時刻は、午前2時~午前3時であり、犯人は未だ逃走中。凶器とされる刃物は見つかっておりません。警察は犯人の行方を追っており、事件の真相を調べております……」

 新人アナウンサーが真剣な顔つきでニュース原稿を読んでいた。冷蔵庫の扉を開けて、ミネラルウォーターをガブガブ飲んだ。


「また物騒な事件か……俺には関係ないな、きっと……」


 青年は、スマホをいじり、勇者を倒すゲームに夢中になった。それをやっていたかと思うと次はパズルゲームをして、快感を得た。時間を無駄にすることなく、いろんなゲームに費やした。FPSのゲームは、見ず知らずの人と交流ができて、楽しめるが、声を出さずに文字で応答する。この青年は、恥ずかしがり屋でもある。


 ゲームに夢中になっていると、スマホに着信が入った。表示画面には『鬼』と表示されている。通話開始ボタンをタップした。


土御門つちみかど!! 起きてたか? 今朝のニュースはもちろん見ていたかと思うが、仕事だ。すぐに出てこい」


「嫌です。ニュース見てません」


 テーブルにスマホを置いて、スピーカーに設定する。


「お前なぁ!! たださえ、遅刻してるんだからこんな優しい職場ありがたいと思え。いいから、今すぐ来い!!」


 タバコに火をつけて鬼という電話主に返事もしない。無視し続ける。


「……お前、無視してるだろ。知ってるぞ。もう、お前の作戦は筒抜けだ。そして、抵抗はできないぞ」


 その言葉を発してすぐに土御門の家のドアが大きな音を出して、大きく開いた。


「土御門 迅!! 《つちみかどじん》仕事は絶対だ! いくら公務員だからって仕事しないと給料払わないんだからな!!」


 上司の『鬼』は、迅の耳を引っ張って外に連れ出した。


「いたたたたた……行きますから。マジやめてくださいって本当に。警察突き出しますよ!」

「バカか!? お前が警察の人間だろ。仕事しろ!」

「ちっ……」

「上司に舌打ちすんじゃねぇ、あとで覚えておけよ?」


 迅は『鬼』に目で殺された。迅の部屋の隅の方ではソーラーパネルで動くぱんだのおもちゃが静かに動いていた。


 近所の交差点では救急車のサイレンが響いている。

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