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第13話 このあと、めちゃくちゃセッ●●した!

 なんの躊躇ためらいもなく制服の上から器用にブラジャーを脱ぐ芽衣。


 その姿につい「ゴクリッ!?」と生唾を飲み込んでしまう。


 お、男らし過ぎるだろコイツ……。


 困惑する俺を差し置いて、一瞬で古羊(姉)山脈が関東平野もビックリの更地に変わる。


 う~ん、相変わらず見事に盛るものだなぁ。


 どういう仕組みなんだろう?




「……さすがにジロジロ見られるのは恥ずかしいんだけど?」

「す、すまぬでござる!」




 変な口調になりながら慌てて後ろを向く。


 別に芽衣のおっぱいを見るのは初めてではないはずなのに、何故か無性にドキドキしてしまった。


 う~ん、なんだろうこの妙な敗北感は? 


 一旦気持ちを落ち着かせるべく視線を足元に向けると、我が息子が「楽しみだねパパ!」と鎌首をもたげていた。


 お、落ち着けジュニアよ!? まだ早い!


 息子の粗相そそうを優しくいさめていると、背後から熱っぽい甘い声音で「……い、いいわよ」とお許しの声が聞こえてきた。


 瞬間、自分でもビックリする速さで振り返り……絶句した。




「お、思った以上に恥ずかしいわね、これ……」




 そう言って頬を染める芽衣。


 そんな彼女の今の姿はなんていうか……滅茶苦茶エロかった。


 胸が見えそうな位置だけボタンが留められていて、あとは全てのボタンが外されていた。


 おそらく故意にやったわけではないのだろうが、そのギリギリのラインが男心を無性にくすぐる。




「な、何か言いなさいよ」

「エロい」

「~~~~っ! このバカっ!」




 お口の警備員がストライキを起こしているのか、率直な意見が検閲を無視して口からこぼれ出る。


 瞬間、ボッ! と茹蛸ゆでだこの如く顔を赤くした芽衣が俺のすねを蹴飛ばす。


 地味に痛いので止めていただきたい……。




「へ、変なこと言ってないで、さっさと揉みなさい!」

「りょ、了解でありますっ!」




 今、俺とんでもねぇことをしようとしていると実感しながらも、湧き上がる興奮に逆らうことが出来ず、芽衣の背後へと移動する。




 バクバクッ!? と今にも心臓が爆発するんじゃねぇの? と思うくらい鼓動が激しく早鐘を打つ。


 もしかしたら俺は今日、死ぬかもしれん。


 もはやまともじゃない思考回路で漠然ばくぜんとそんなコトを考えながら、手術を開始するドクターのように両手の指先を天井に向け、一礼。




「そ、それでは、始めさせていただきます」

「よ、よろしくお願いします」




 お互いバカ丁寧に挨拶を済ませる。


 もう理性の声すら聞こえない。


 聞こえるのは、己の中の欲望と性欲の声だけ。


 そして俺の震える指先が唸りをあげ、芽衣の胸元へと……




 ――カチャリ。




「「ッ!?」」




 突如、施錠せじょうしていたはずのドアが何者かによって強制的に開かされた。


 瞬間、俺と芽衣はなかば抱き合うような形で机の下へと避難する。


 な、何が起きたんだ、今!?




「あれぇ? おかしいなぁ、メイちゃんの声が聞こえた気がしたんだけど……? というか、なんで鍵が掛かっていたんだろう?」

(よ、よこたん!?)

(よ、洋子!?)




 間の抜けた声をあげながら生徒会室に入ってきた異分子は、ワガママボディのくせに性格は引っ込み思案の爆乳わんこと古羊洋子その人であった。


 いや、よこたんだけじゃない。


 その背後で廉太郎先輩と羽賀先輩までもがツカツカと入室してきて、気がついたら生徒会役員が全員集合していた。




「おりょりょ? めぇちゃんは居ないのかにゃ? ちょっと予算について相談したいことがあったんだけどなぁ。ところでネコちゃんはどうしたの? 確かクラスの方で準備してたよね?」

「……あたしも会長に相談がある」

「そっかぁ! でも残念、めぇちゃん今は居ないみたいだよ」




 そう言って俺達の隠れている机の前を通り、自分の席にドカッ! と腰を下ろす廉太郎先輩。


 どうやらここで芽衣が来るのを待つことにしたらしい。


 ま、マズい。


 この状況は本当にマズいぞ!?


 さぁみんな、改めて想像してみようか!


 衣服が乱れた女子生徒に、鼻息を荒くしながら抱き着いている男子高校生の図を。


 うん、確実に事案発生案件だわ。


 国が国なら打ち首獄門だね♪




(ど、どどどど、どうすんだよ芽衣!?)

(お、おおおお、落ち着きなさい士狼! とりあえず気配を消して、3人が居なくなるのを待つのよ!)




 そう言ってギュッ! と俺の身体を抱きしめる芽衣。


 途端に芽衣の亜麻色の髪から、ふわっ♪ とイイ匂いが俺の方に漂ってきて……って!?


 おいバカ、おまえ!?


 今そんなに抱きついたら!?




(うん? なにかしら? このお腹に当たる固い感触は……って!? あ、アンタこれ!?)

(てへ♪)

(こ、こんなときにドコを大きくさせてんのよ!?)

(しょ、しょうがねぇだろ! おまえが密着してくるんだから!)




 自分でもビックリするくらいの強度を持って、俺のバベルの塔が建設されていた。


 建設おめでとうございます。


 下半身をギンギン♪ にしたまま芽衣と視線だけで言い争っていると、突然よこたんが俺たちの隠れている机の前までやってきた。




「アレ? これメイちゃんのスマホだ。なんでししょーの机の上に置いてあるんだろう? あっ!」




 ペラッ! と1枚の紙切れが俺たちのすぐ傍に落ちる。


 よこたんは「やっちゃったぁ~」と言いながら俺達の居る机の下に顔を覗かせ。




「ししょーはもうちょっと机の上を綺麗にしないとダメだ……えっ?」

「「……あっ」」




 バッチリ。


 バッチリである。


 俺達とラブリー☆マイエンジェルの視線が、これでもかと言わんばかりに絡み合う。


 ついでに俺と芽衣の身体も絡み合っている。




「「「…………」」」




 何とも言えない空気が俺たち3人の間に流れる。


 もはや体感的には無限とも感じられる時間。


 よこたんの無言の視線は、ゆっくりと俺の顔から芽衣の顔、そして芽衣の乱れた衣服へと移動し――




「スゥー……」




 ――ブゥンッ!


 その瞳から一切の光彩を消し去った。




((ひぃぃぃぃぃっ!?))




 今度は別の意味で震えあがる俺達。


 そんな俺達から目線を切り、よこたんはスクッ! と立ち上がると、今思い出したかのように「あっ!」と先輩たちに聞こえるような声をあげた。




「そういえばメイちゃん、職員室に用があるって言ってたから、あと1時間くらいは帰ってこないかもしれないですよ?」

「そうなの? それを先に言ってよ、よっちゃん! じゃあまた1時間後に来(こ)よっと!」

「……ならあたしも」

「ボクは少しだけ部屋の掃除をしちゃいますね♪」




 そう言って生徒会室を出ていく先輩たちの後ろ姿を眺めるマイ☆エンジェル。


 バタンッ! と重苦しい扉が閉まる音が部屋中に響いた数秒後。


 いつものポワポワとした声音で。




「もう出てきていいよ、2人とも」

「た、助かったぁ~っ!? サンクスよこたんっ! 一時はどうなることかと……」

「あ、ありがとう洋子。おかげで命拾いしたわ」




 ドチャッ! と机の下から雪崩なだれ込むように、芽衣と共に脱出する。


 こもった熱気やら冷や汗やらで、制服が肌に張り付いて、女性経験が無いクセに見栄を張る童貞のように気持ちが悪い。


 うげぇ!? と顏をしかめる俺をよそに、芽衣はいそいそとハイブリッド偽乳パッドを装着し直しながら「ふぅ」と小さく吐息をこぼした。




「アタシの準備が終わったら、急いで狛井先輩たちを追いかけるわよ」

「だな。よこたんも一緒に――」

「誰が『立っていい』って言ったのかな?」

「「……えっ?」」




 ピシリッ! と生徒会室の空気が固まった。


 見ると爆乳わん娘を中心に強烈なプレッシャーの波動がこの空間を支配していた。




「あ、あの……よこたん?」

「ど、どうしたの洋子? 顔が怖いわよ?」

「2人とも? ――正座」

(あぁ、またこのパターンか)

(またこのパターンね)




 芽衣と顔を見合わせながら、軽く肩を竦(すく)めてみせる。


 どうやら俺達の気持ちは一緒らしい。


 俺達は2人同時に頷くと、ラブリー☆マイエンジェルに向かって最高の笑みを浮かべながら、ハッキリと言ってやった。




「大神士狼」

「古羊芽衣」

「「正座、します!」」

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