「えぇ~んママぁ! 女の子が全然しーちゃんのことを好きになってくれないよぉ!」
「大丈夫だよぉ。ママはしーちゃんが大好きだよぉ」
「聞いてよママぁっ! どんなに頑張ってもおっぱいが大きくならないんだよぉ!」
「心配しないでメイちゃん。希望は残されているよ、遺伝的に考えればね」
10分後。
気がつくと俺は芽衣と2人仲良く一緒にようこママの膝に抱き着いて、いや泣きついていた。
「あっ、ヤバい。コレは本当にヤバイわ……ハマるわ」
「芽衣ちゃんも、ようやく分かってくれまちたか」
2人仲良くニッコリと微笑み合う。
やはり人間はどんなにいがみ合っていても、最後には分かり合える生き物なんだぁ……と痛感した瞬間だった。
「ほら2人とも、もっと甘えいいんですよぉ?」
「「ばぶぅ~♪」」
ようこママの慈愛の瞳を一身に受けながら、自然と言語中枢が退化していく。
なるほど、これが原始回帰というモノか……。
そりゃグラ●ドンさんもカイオ●ガ先輩も、ゲンシに戻りたくなるワケだ!
と完全に気を抜いていたがために、自室の前でドン引きしている女性の存在に気づくのが遅れてしまった。
「……何してんだい、アンタたち?」
「あっ、母ちゃん。おかえり」
「よくその体勢で平然と挨拶が出来るな、キサマ? 我が息子ながら末恐ろしいわ……」
そこには約数週間ぶりの再会となる我が家の大黒柱、
久しぶりに再会する息子を前に、母ちゃんの瞳は何故か虫ケラを見るように冷たかった。