目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報
ひとり焼肉が好きなひと。
もちっぱち
恋愛現代恋愛
2024年10月06日
公開日
19,953文字
完結
都会の喧騒の中、
ハイヒールで忙しく歩く若い女性、
沢村瑞季。彼女は小さなトラブルに
悩まされながらも、前向きな姿勢で
一日を乗り越えようとする。
既婚者の上司との不倫関係と
幼馴染とのかかわりの中、
ひとり焼肉専門店で会った男性との関係に
目が離せない物語です。

ひとり焼肉 カルビ1枚目

 ビルとビルの隙間から

 覗いて見える雲が

 ソフトクリームに見えてくる。


 今日も快晴。


 交差点の横断歩道をハイヒールを履いて

 颯爽と歩く。


 行き交う人は忙しくどこに

 向かっているんだろう。


 歩行者用信号機の音が青から赤に

 変わろうとする。


 慌てて走る。


 ビジネスバックが揺れた。


 遠くでクラクションが響いている。


 沢村瑞季さわむら みずきは、

 アスファルトの地面を見てため息をつく。


 また靴擦れしてる。


 バックから絆創膏を取り出して、

 片足だけで歩き、歩道にある

 縁石に座って、足を確認した。


 今朝は、会社に遅刻ギリギリの時間に

 家を出てきたというのにこの有様。


 左踵を見ると、皮がむけていた。

 ストッキングを履いていたため、

 脱ぐ訳もいかず、とりあえず、

 応急処置として、上から絆創膏を貼った。


 これは1日のマイナスフラグだ。

 きっとここからプラスへ移行する。


 そう言い続けて、

 出勤する。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?