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第10話 セクションってなに?

 さて、久々の更新です。

 皆さん、実は一つのWordファイルの中で横書きのページと縦書きのページを共存させられるって、知ってますか?

 例えば本扉は横文字でデザインフォントに小さなカットでも入れて装飾したい! でも本文は縦書き。こんな時にどう解決するか。

 方法は幾つかあるので紹介します。


①本扉などのデザインはお絵かきソフトで。本文は本文で。後でPDFにするときに合体!

 まぁ、無難というか一番の正解ではあります。

 コレが適しているのはデザイン性が圧倒的にお絵かきソフトの方が上ってことです。

 凝ったデザインで文字も市販のデザインフォントじゃなくロゴを作って。なんて事をしたい人はこっちがいいですね。

 これで作ったデータと、別に作った縦書きデータをPDFにするときに合体すれば、一つのデータになります。

 デメリットがあるとすると、まずお絵かきソフトに慣れていないと余計に難しいという点。ある程度使えた方がいいとは思いますが。

 そして、文書ファイルに比べて画像ファイルというのはデータが大きいです。

 コレがなんに響くか? 入稿時に印刷所特有のアップローダーなどを使うと割引になる所もあるのですが、上限に引っかかるんです。

 勿論入稿できないんじゃなく、一般的なファイル転送サイトを使っての入稿となり、割引は利かないのです。

 例えば一番最初の顔となる本扉のみ凝ったデザイン頑張る! などなら、それ程問題にはならないと思います。


②全てをWordでやる!

 コレが今回の議題です。

 横書きのページも、縦書きのページも一つのWordデータで作る方法です。これでも多少の装飾はできるんですよ。

 コレのメリットはデザインとか出来なくてもとりあえずそれなりの物ができることです。

 例えばタイトルの文字を作品に合いそうなデザインフォントを探してきて良さそうな位置に横書き。下にライン素材(使用権利とかちゃんと確認してね)などを入れて簡単に装飾して……それっぽくなったな。みたいな感じです。

 お絵かきは門外漢でも文字なら大丈夫! そんな人にオススメです。



 さて、ではコレを実際にやるためには何をするか。それをお話しましょう。


 皆さん、セクションって知っていますか?

 セクションは本全体で考えた時の文書の一区切りです。

 例えばAという文書は縦書きで、これが一区切り。続けてBという文書は横書きで、この塊で一区切り。

 こうして区切った塊ごとにレイアウトを変更できるんです。


 具体的にはどうするか? 例として、本扉(横書き)+本文(縦書き)として解説しましょう。


 用紙サイズや余白については設定のままでOKですが、最初にTOPにくる本扉(横書き)に合わせて、文字列の方向は横書き。段組は「1」にしておきます。

 まずはここで本扉のデザインをしましょう。左右はセンタリングで真ん中に。上下は改行を入れるか何かして自分がいいと思う位置に。フォントも好きに選んでいいですし、文字の大きさもお好きなように。ただ、あまり小さくはしない方がいいかも。


 ここまで出来たらここからがミソ! セクションを分けます。


 「レイアウト」の「ページ設定」の所に「区切り」というのがあると思うので、これをポチッとな。

 すると何やらダラダラ出てきましたね?

 その中に「セクション区切り」というのがあるので、使うのはおそらくそこの上二つです。

 「次のページから開始」というのは、作成した前のページから改ページした次のページ……ここでは2ページ目としましょう。そこから新しいセクションを始めますって事です。ぶっちゃけ、ほぼコレな気がします。

 「現在の位置から開始」は、改ページをしないまま、現在カーソルのある場所から新しいセクションが始まります。


 私の場合は「次のページから開始」を選択するので自動的に2ページ目へ。そこで「6話 原稿用紙の組版」で解説したような本文用のレイアウト設定を行います。

 具体的には現在は「文字列:横」「段組:1」になっているので、ここを「文字列:縦」「組版:2」に変更します。この時、原稿用紙の向きが勝手に横になるので、「余白」の項目で原稿用紙の向きを「縦」に直してあげてください。


 これでOKをして、原稿用紙を書き始めてみてください。

 本扉は横のまま、本文データは縦書きになっている筈です。


 ちょっと難しいと感じるかもしれませんが、馴染めば簡単になってくるので是非チャレンジ!

 文字しか無理! ページデザインなんて難易度高い! って人も、これならきっと上手くいくはずです。

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