Web小説だと選択肢のないフォント! だがこれは掘ると案外好みが分かれるお話なので番外として少しだけ。
一般的に、小説は「明朝体」と呼ばれるもので本文を書くのが良しとされています。
縦線が太く、横線は細く読みやすい、読んでいて疲れないとされています。
逆にゴシック体というのは縦と横の線の太さはほぼ同じで、文字単体の印象が強いのでタイトルや強調部分などに良いと言われています。
Web小説のサイトだと、本文ゴシックも多い印象ですね。その中でも癖の少ないものを選んでいるとは思いますが。
ですが、自分で作る同人誌ならフォントだって自分の好みで選べる! 近年はフリーフォントも多いしね。
ってことで、ちょっと紹介していきます!
【MS明朝】
初期から入っているこいつは安心安定の普及率を誇りますね。
ただ、小説本文として詰めると文字が大きい感じがあり、ちょっとムギュッとして見える気がします。
そのせいか、小説本文の文字としては好まれない事も多いとか……悪いものではないけれどね。
【游明朝】
流石小説の為に作られた書体! 文字は適度に小ぶりで形も癖がなく、読みやすい書体です。
注意すべきは行間。たまに広がるので、自分で行間を指定しなければならないかもしれません。
【源暎こぶり明朝】
読書の邪魔をしない空気のような書体。というだけあり、本当に癖のない文字です。文字としても小ぶり。
このフォントの特徴としては、濁点喘ぎが有名ですかね。「あ゛」という、本来濁点のつかない文字に濁点が付けられます。
ちなみに、私はこのフォントを愛用しています。
【夜永オールド明朝】
なんというか、優雅です。お綺麗で……フォントからお嬢様感が漂ってくる感じです。
だからといって読みにくい訳ではないので、そこは大丈夫。話の雰囲気によってはマッチすると思います。
よく使う所だとこんな感じかな?
ただ、これは本当に一般論で、別に読みやすさだけで文字を選ぶ必要はないのです。
例えば凄くポップな作品で、本文もその作品の雰囲気に合わせたい! と言うときは恐れずゴシック体を採用することも手です。
もしくはそうしたキャラの台詞だけ、丸っこい可愛い文字にしてしまうとか。
私は以前、戦国~江戸前期くらいの日本をベースにした異世界ホラーの同人誌を作ったのですが、この時本文の所々に行書体を採用しました。筆で書いた崩し字のような書体は読みにくいとは思いますが、時代がかった雰囲気の強調や、少しおどろおどろしい雰囲気というのにも効果があったと思います。
読まれてなんぼではありますが、読みやすさだけが全てではない。web小説にはない「雰囲気にあったフォントでの遊び」も紙本の拘りポイントじゃないかなと思います。
まぁ、これもやりだすと沼なので、程々ですけれどね(汗)