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第6話 原稿用紙の組版

 さて、用紙サイズはOKですかね?

 では、ここからは組版。書いた原稿を同人誌原稿に落とし込む為の設定をしましょう。


 【段組】

 1枚の用紙の中で文章を1段にするか、2段にするかをここで選びます。

 おそらく小説同人誌であれば縦読みだと思います。

 先にも述べましたが、1段組は文庫本などで見る、1枚の中でブロックが1つ、分かれていない状態です。

 そして2段組はA5サイズに多い、文章の塊が上下2つに分かれた状態をいいます。

 どうしてA5サイズは1段組にしないのか? というのは、画面が大きすぎて視線の上下が激しく、逆に読みにくいという点が上げられます。

 上から下まで読んで、また上に戻って。ここの距離が長いと読みにくいんですね。

 なので、上下2段にする事が一般的となっています。


【余白】

 まぁ、問題はこれですね。

 余白は本文の文字の周囲にある空白の幅の事を言います。

 これが狭すぎると塗り足しにかかったり、紙の遊びが全くなく文字で埋め尽くされる状態になります。これ、凄く違和感があるんですよ。

 逆に広すぎると文字数が入らないうえに、真ん中にちょこんと詰め詰めした文字がある感じになります。

 これも凄く違和感があります。


 ということで、程よい余白を設定するのは大切ということです。


 では、具体的な数値を出していきましょう。

 「こうでなければならない!」というものはないんですが、まず間違いないかな? という範囲もあります。


▼文庫

上(天)14~20㎜

下(地)11~20㎜

小口(本の外側) 12~15㎜

ノド(背表紙側)15~20㎜


▼A5

上(天)22㎜

下(地)17㎜

小口  15㎜

ノド  25㎜

※私の同人誌の設定です。


それぞれ解説していきましょう。

上(天):

 上部分の余白です。下(地)より少し広めに取る事が多いようです。ヘッターを設定しているなら広めがいいかも?

下(地):

 下部分の余白です。上(天)よりは狭い事が多いです。フッターを設定している時は本文との距離感に注意。

小口:

 本の外側にくる余白です。好きに設定していいと思いますが、なさ過ぎると見た目に違和感があるので注意。

ノド:

 背表紙側の余白で、一番重要な余白です。

 本を開くと分かると思いますが、背表紙側は内側に入り込んでいますよね?

 このノドが狭すぎると文字が内側に入り込み過ぎて読みにくくなるんです。

 これは作品の厚みによって変わってきます。薄めであれば15㎜くらいあればいいかもしれませんが、100ページを過ぎると20㎜くらいあった方が安心となります。200ページなら25㎜くらい欲しい所。


 そんな事を言っても実感わかない! という方は、お手持ちの小説本を実際に定規で測ってみてください。ページの端から本文までの距離がどのくらいなのか、目で見て分かると思います。

 注意すべくは実際に計ったページに、塗り足しを足してねって所ですね(これ失念して失敗した人です)


【行数と文字数・ついでにフォントの大きさ】

 行数と文字数を指定します。これも見た目の問題と、1ページ辺りの文字数との兼ね合いになるかと思います。

 私のA5の同人誌は前にも述べた通り「28文字×26文字×2段(フォント9pt)」です。

 そこそこ詰まっているけれど読みにくくはないくらいかなと思います。

 ここで文字数を増やしたいからと小さな文字で文字数、行数も一杯に詰め込んでしまうとのり弁みたいになって読む気が起こらなくなります。

 デザインの本に「けっきょく余白」というものがありますが、まさにそれです。詰めすぎもダメだけど、何の狙いもなく空きすぎるのも間延びしてだらける。

 文字数と行数についてはwebでも色んな例が出ていますし、お手持ちの小説本を数えてみてもいいです。

 本文とページ数と相談の上、決めてみるのがいいと思います。


 次にフォントの大きさです。大きければいいわけじゃありません。

 一般的に8~10ptくらいが密集した文字での読みやすい大きさかなと思います。私は9ptをよく使います。

 選ぶ本文フォントにもよりますので、自分で弄ってみてもいいと思います。

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